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カネミツ・ユウキの魔法銃レポート  作者: 射月アキラ
本論二・若気の至りにも限度はある。
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「二つの自我と一つの自我なら、勝つのは当然二つの自我だ。残念だが、どれだけ我が強くとも、支配から逃れようとする魔法には勝てない。逆に魔法に支配されるのがオチだ」

 立ちあがった影は、人のような形をしていた。

 黒い炎をまとった、人のような形をしていた。

 驚く様子もなく、オキツグは坦々と。

「〈ワシリーサのしるべ〉は、その逆支配を子機の一部に任せて切り離したようだな。被害を最小限にした、というわけだ」

「ちょっと待て、じゃあ〈ワシリーサのしるべ〉が学長との縁を取り戻して、通常の防衛機構に戻ったら」

「介入者は殺されるだろうな」

 あっさりと言ったオキツグに対し、カネミツは舌打ちしてライジング・フリーから降りる。

 確かに介入者に同情の余地はない。そもそも、自分の魔道を貫く魔法使いは、その道から外れたものに対して大抵の場合は興味を抱かない。

 魔法に支配されて死ぬなら勝手に死ね、というスタンスでも、許されてしまうのが魔法使いのコミュニティだ。

 当然、カネミツもそういう風に生きている。──生きているつもりだった。

「しるべは任せた」

 言いざま、カネミツはババ・ヤガーから受け取った指輪を外し、オキツグに放り投げる。

 怪訝そうな顔をするオキツグだったが、慌てることなく受け取って一言。

「同情でもしたか?」

 意外だ、だとか、幻滅した、などの感情すらこもっていない、確認のような問いだった。

 あるいは、気の迷いだとか、ただの気まぐれだと思ったのかもしれない。事実、カネミツ自身も、これは気まぐれなのではないかと思ってしまうくらいだった。

 魔法使いは基本的に、自分の魔道にのみ生きる生き物だ。

 それ以外のものへ、好き好んで興味を向けたりはしない。

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