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カネミツ・ユウキの魔法銃レポート  作者: 射月アキラ
本論一・バカにつける薬はない。
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「これは、なんなんだよ」

「分からない。ただ、嫌な予感がする」

 右目を押さえたまま、オキツグは自転車のハンドルを撫でる。

 わけの分からない厨二病発言は多いものの、オキツグの予感はよく当たる。それが妄想なのか現実なのか外側から分かりにくいという問題点は、直感と経験則でどうにかするのがカネミツの出した答えだった。

 なにより、オキツグの「予感」──つまり「どこかでなにかが起こっているのが分かること」の理由ははっきりしている。

 オキツグが風属性の魔法を得意としているからだ。

 有機物と無機物を問わず、全ての物質から発生するエネルギー・魔力が、魔法の源である。

 魔法使いの技量は、その魔力をどれだけ自分に都合のいいように発生させられるかにかかっている。オキツグの場合は自転車に貼られた「翼の生えた剣」のステッカーを元にした風属性の魔力がそれで、そういった象徴を身につければつけるだけ、魔法使いの場は強く支配されていく。風だけで窓を開けられるのも、その支配が強く広く行きわたっているためだ。

 故に。オキツグは風の動きに敏感だ。

 支配外の空気の流れが自分の場に影響を与えたときは、特に顕著に。

「風が騒がしいな」

 オキツグの言葉を裏打ちするように、どこかで慌ただしく扉を開く音がした。

 より正確に言えば、カネミツの背後からその音は聞こえてきた。

 次いで、平手で床を叩くような騒々しい足音が。

 さらに、幼い少女のものらしい声が。

「あーもーなんたることじゃ! 許すまじ! 儂の大事なしるべに近づく輩がいるなど!」

 苛立ちを叩きつけるような、駄々をこねるような言葉の羅列。

 声の主を見ずとも察したカネミツは、肩に背負い紐を引っかけたまま、旧式ライフルの位置と角度を調節して右手でグリップを握った。

 銃口は下に向けたまま、振り返る。

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