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プロローグ

 僕とエドは言葉を失った。


 思い上がりだ。思い上がりも甚だしい。どうして僕たちなんかが、それもたったの二人で、あの竜に立ち向かえるなんて考えたのか。グリフォンなんて比較にならない。絶対的強者。


 生まれながらにして、王である種。


 エドがマギカソードを構える。僕も、震える手でなんとか、剣を構えた。白い剣。これを受け取った日の、アイラの告白を思い出す。


 あの日、僕はアイラになんて言われた?


 死なないでほしいと、願われたはずだ。


 竜が僕たちに気づき、こちらを向く。睨まれただけで体が竦む。絶対的強者の目は血色で、それは怒りに満ちていた。いったいどうして竜が街に入り込んだのか。その理由と、彼の怒りの色が、つながっているのだと直感する。


 竜は温厚で、縄張りに僕たち人間が近づいたとしても無視するような生き物だ。それは絶対的強者の余裕と、賢さ。


 けれどそれには、ただ一つの例外がある。


 竜にとって唯一の禁忌。


 (つがい)で一頭の子を生む彼らは。だからこそ、その子を命をかけて守る。誰かがこの街に、竜の仔を連れ帰ってしまったのだ。だからもう(・・・・・)この街は滅ぶ(・・・・・・)




 ———— 悪と逃れ得ぬ苦衷 #8

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