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招かれざる客と石川五右衛門の財宝

 空気は一気に重くなった。さらに空気が重くなる出来事が起こることを彼らは知らない。

 突然呼び鈴が鳴ったのだ。

「ちょっとどういうこと。もう客は揃っているはずよ。美咲さん。見てきて」

「はい」

 美咲は急いで玄関へと向かう。重い空気に慣れることができなかった柊と夏海は美咲に同行することにした。

 

 鍵のかかった玄関を開けるとそこには千葉葵が立っていた。

「こちらが風雷館でしょうか」

「なぜこの館を訪れたのですか。あなたには案内状が届いていなかったでしょう」

 葵はポケットから案内状を取り出して見せた。

「これはたしかに晩餐会の招待状。でもどうして」

 疑問を口にした美咲を見た柊は葵に話しかける。

「詳しい話は中で聞きましょうか。外は寒いでしょう」

 柊の提案により館内で事情を聞くことにした。

 

 葵は新聞の文字を切り抜いて作った脅迫状を三人に見せる。

『風雷館に必ず来い。警察には話すな。来なければ地獄に落ちる。石川五右衛門』

「この脅迫状が案内状に同封されていました。私は脅迫状の指示に従っただけです」

 美咲は顔を青くする。

「石川五右衛門」

 状況を呑み込んだ柊は美咲に相談する。

「どうする」

「案内するしかないでしょう。案内状が届いているのに追い返したら尾形家の泥を塗ることになりますよ」

 

 ということで招かれざる客千葉葵が風雷館を訪れた。この時点で気が付くべきだった。  

この時点で警察を呼んでいればこれから起きる連続殺人事件を止めることができただろう。

 

 美咲は葵をリビングルームに通した。ドアが開くなり中にいた五人は葵を睨みつける。

「なんでこの泥棒猫がこの館にいるんだ」

「こんな顔。見たくない。俺は部屋に帰る」

 尾形雷助と翔は自分の部屋に戻っていった。それに続くかのように残った三人もリビングルームを去った。

 

リビングルームは静かになった。柊は美咲に質問する。

「なぜ石川五右衛門と聞いて顔を青くしたのでしょう」

「この館には財宝が眠っているという話は知っていますか」

 柊は頷く。

「その財宝が江戸時代世間を騒がせた盗賊石川五右衛門が盗んだとされる黄金の仏像です。歴史的価値から価格は決めることができないだろう。この話はこの家の人間なら誰でも知っています。一か月前尾形翔さんはこの宝探しで会社経営を立て直すためにトレジャーハンターを集めこの館で宝探しゲームをしたのですが、何も見つからず借金がさらに増えたそうです」

 藁をもすがる思いで宝探しゲームを企画して残ったのが借金。この館に伝わる財宝に柊と夏海は興味を持った。

「それでその財宝の在り処を示すヒントはありますか」

 すると尾形翔がリビングルームに帰ってきた。

「やめとけ。一か月前の宝探しゲームには世界的に有名なトレジャーハンターや暗号解読のスペシャリストを呼んだんだ。そいつらにもこの館の財宝を見つけることはできなかった。ただの探偵に見つけられるわけがない」


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