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【季節の狭間にいる精霊】
季節の狭間にだけ
存在する精霊がいる
人間が見ることは滅多にない
小さな存在は
季節と生命をつなぐためにいる
恵みの糸を紡ぎ 命の欠片を宿す
精霊が紡ぐ小さな施しは
確実に命を結ぶための 大切な役目
精霊の施しは
新しい季節の息吹とともに
萌芽し一斉に満ちる
けれど精霊自身が
それを見届けることはない
役目を終えた精霊は
ひとり静かに眠りにつくのだ
最期の役目として
自身の命を蕾に変化させ
意識はそっ消えていく
蕾は時期が来ると咲く
新しい精霊として
生まれ変わるのだ
そうやって
季節の狭間にいる精霊は
大切な役目を果たしている




