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初夜に君を愛することはないと言ったクソ夫

「王家の命令により君と婚姻関係を結ぶことになったが、俺が君を愛することはない。君を妻だと思うこともなければ、君に夫人としての役割と果たしてもらう必要もないと思っている」


 乳白色の薄い灯りだけが照らすベッドルームに低い男の声が響く。

 その声の主はわたくしが座っているベッドの傍らに立つ長身の男。


 薄暗い部屋の僅かな光をキラキラと反射する白みの強い金髪と宝石のような青い瞳、それに加え貴婦人も羨みそうな白いはだ、そして最高の芸術家の作品のような整った顔――それが全てと先ほどの発言がこの男の印象を氷のようなものにする。


 なんなんですの、貴方?


 わたくしが腰を下ろしているベッドの傍らに立ち、嫌悪感を隠そうともせずこちらを見下ろす氷男――今日の昼に形式的な結婚式を挙げわたくしの夫となった男、アグリオス・シャングリエに対し、唇をグッと咬みしめながら口から漏れそうになった言葉を飲み込んだ。

 それでもやはり心の中は、この男の成人済みの貴族らしからぬ態度に荒れ狂っていた。

 

 何なのこの男。

 この結婚がわたくし達の意思のよるものではなく、わたくしが歓迎されていないことも理解しているけれど、こちらだってそんな態度の男を愛する気なんてないし、この先も愛する可能性は一ミリすらない。


 自分の言いたいことだけ言って夫婦の部屋を出て行く氷男の背中を見送りながら、近くにあった椅子でこの男の後頭部をぶん殴らなかった自分を褒めてあげたい気分になった。


 わたくし、マルグリット・ドッグウッド――いえ、今日からはマルグリット・シャングリエの夫は、どうやらおうんこみたいな、おクソ・オブ・おクソ男らしい。

お読みいただき、ありがとうございました。


今日中に二話目も投稿予定です。

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