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なげやりクリティカル  作者: さと丸


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28.割り込みフラグ

 

 朝9時過ぎのファミレスでほどほどに空いてる店内に無理目の美少女と普通に美少女な2人がテーブルで雑談している。


 一見するとモデルさんがいるのかなという印象で、そのスペースだけ心なしかキラキラしている。



「それでそれで? 昨日はどうだったのよ?」


「えっ?特に、漫画渡してご飯食べに行っただけだよ」


「夢がようやく自分以外の人に自分の漫画を見せれる位、信用できる人だったんでしょ? 本当にそれだけ?」



 夢にグイグイくる、ゴリゴリの距離感で今夢を詰めているのは夢の高校時代からの友人、桃野ももの 木葉このはだ。


 

「それだけだよ。…でも、そのうち誰かには読んでもらいたかったし、まあ、あいつなら、仮に何か言われてもそこまでは……大丈夫かなって」



 木葉のいつものまっすぐ過ぎる視線に、相変わらずやられそうになりながらも、夢はそれでも目の前の友人に対してなるべく素直に答える。



「このわたしを差し置いてまで、信用に足るその幼馴染って、一体どんな奴なの? ねえ、カッコいい? イケメン? 彼女いるの? よかったら紹介して?」



 夢は木葉に対して一目置いている。


 真っ直ぐで素直で、てらいのない性格でありながらもどこか隙を感じさせないオーラで、恋愛が趣味であり生きがいであり、いつも男関係の話しには事欠かない、その行動力は夢とはどこか対象的な女性。


 高校時代、体育館の裏で女生徒数人に呼び出されその美貌を疎まれたのか、絡まれていた所をたまたま通りがかった夢が目撃し、勇気を出して止めに入ったものの、女生徒達は逆に木葉よりも無理目な夢が来たため、一身にその嫉妬の眼差しを受けるものの、その無理目な可愛さにやられたのか、女生徒達はシラけてその場を去ってしまった。

 それからというもの、夢と木葉は意気投合し、高校を卒業してからもこうして友達関係を続けている。



「だめ。今は忙しいの」


「え?多忙な人なの?」


「いや、私が忙しいの」


「何それ? そんなの会う時にパパッと紹介してくれればいいじゃん? 夢の友達は私の友達でもあるからさっ! いやいやでも、友達止まりかはまだわかんないけどね。フフ…」


「でも木葉、この前デートした人は? もう、付き合ってないの?」


「ああ、付き合うどころか2回デートしただけで正直もう飽きちゃった。 初めは、おっ? 楽しそうな人かな、顔もいいしなんて思ってたんだけど、やっぱり私のこのささやかな希望には応えられなかったみたい」


「そっか。でも木葉はなんだかんだ求めるレベルが高そうだしね」


「いやいや、私はそんな人様にどうこう言える程自分は大した事ないし、そんな相手に対してそこまで要求してるつもりはないんだけどね。ただ、人とは違う魅力? 何故か放っておけないというか、母性をくすぐるような、でもそんな私の想いに気付かず真っ直ぐ突っ走ってるような人がいいな。

 母性も憧れも同時に持っていられそうな。あと、面白い人。これは加えて絶対、ハズせないね」


「う〜ん。私だったら、そんな人……疲れちゃうな……」


「えっ? じゃあ夢は? どんなキャラの人がいいの?」


「私は……今は考えられないよ。今は漫画の事しか考えられないし、それに特に恋愛とか……今はしたいって訳じゃないし」


「こらこら、恋愛なんて、したいしたくないで済ませられるもんじゃないよ? 世の中には恋愛したくても出来ない人はいっぱいいるし、それにアンタ、わかってる? アンタは超絶可愛いの。私が一緒にいていいの? ってくらい。昔は陰ながらこっそりアンタのファッションとかメイクとか真似てみたけど、やっぱりアンタは特別。他の人にない魅力があるんだから、恋愛なんてするつもりないなんて、それを授けた神様をガッカリさせるような事は言うもんじゃないよ? それに彼氏や好きな人が出来たら、アンタの漫画の幅も広がるかも知れないしさ」



 木葉はやり手の営業マンのようにジリジリと夢を詰める。



「まあとはいえ実際、こればっかりはする気がないなら無理してする必要はないし、しないからといって私が夢にどうこう言う筋合いはないけどね。

 ただ、今この瞬間、人生は一度だけだよ! 思い切って残りの青春の時間を共に謳歌しようではないか! なんて」


 そんな木葉の、自分にも言い聞かせているようなアドバイスを聞きながらも、何故かふと、悟の事を思い出す。



ー あいつ、漫画読んだかな。ー



「……お〜い、聞いてる?」


「えっ?」


「まあとにかく、夢はもっと色んな事に目を向けたほうがいいかもよ? この前、最近はなかなか漫画が描けてないって言ってたじゃん?

 だから夢も何かしら、それが漫画の為になろうがなるまいが一度自分に対してもう少し選択肢を増やしてみたら?」


 木葉はドリンクバーから入れてきたメロンソーダをグイグイと飲み干す。


「とにかく、今度その幼馴染ってのに会わせてよ? 私が査定してあげる」


「いや、いいよ。別に私、悟に対してそんなつもりないから」


「いや、私が会いたいの。絶世の美少女の、異性の幼馴染って、一体どんなのかなって。ひひひっ……。気になる」


「もう……わかったわよ。今はまだ予定ないけど、そのうちまた会う事になったらね」



 木葉に黙って漫画を返してもらいに会う事も出来るが、その内これからも幼馴染の事を聞かれたらゆくゆく、それはそれで面倒かと思い夢は木葉を幼馴染に会わせる事を約束した。



「よかった。楽しみだな〜っ。幼馴染の美少女とその男の子がどんな一体会話をするのか、そして大人になった2人はどんなルートをたどって恋愛モードにもつれ込むのか……楽しみ過ぎるっ! 早くこの目で焼き付けたいっ」



 夢は諦めたのか逆に開き直ったのか、もうどうとでもなれと言わんばかりに



「やれやれだわ…」



 好きな漫画のキャラ真似をしていた。


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