第5話 授業と訓練
よろしくお願いします。
2018年1月13日、この日から全ての講義(授業)が始まった。タロー先輩からの助言もありこのような時間割となった。
※( )内の名前は格闘学部の教授の名前。
前期の時間割は
月 3限:基本トレーナー学1(松岡)、4限:基本中国語1
火 4限:整体学1
水 3限:格闘医療学1 、4限:格闘学(田中)
木 1限:基本英語1
金 なし
土 実戦試合(試合がない日は基本自習)
水曜4限の格闘学はトレーナーの担当教授が行う。
トレーナー登録した瞬間、自動登録されていた。
前期は1月13日から6月2日が講義、春休み3月5日から3月25日の3週間、GW期間の休みは4月30日から5月6日の1週間。
前期、後期とも講義数16、内12の出席は必須。6月3日から6月23日までで期末試験を行う。3月末または4月初めに基本トレーナー学1のみ中間試験がある。
カズの選択した講義の内、期末試験(筆記試験)があるのは基本トレーナー学1、基本中国語1、格闘医療学1、基本英語1のみ。土曜日の試合の日は1回生の場合2月、5月、8月、11月の第3週。2回生は1週間前、3回生はさらに1週間前、4回生はさらに1週前に行われる。学年が異なる場合は上の学年の選手の日程が優先される。場所は様々、他の大学はもちろん、大手企業が所有するリング場、教授推薦の海外での試合があったりする。
試合のない土曜日は自主練が多いが、教授が指定した選手については教授自ら指導することもある。トレーナーは土曜、日曜日は自分の選手と対戦相手、高ランク試合の分析、レポート作成、トレーニングメニュー作成など。
月曜朝9時前、カズはタロー先輩とともに武道館奥のグラウンドへ。山門トレーナたちも既にグラウンドにやってきていた。
「…全員揃ったな。皆、おはよう。今日から前期が始まった。月曜と火曜は試合後のことを考えて全員月曜と火曜の午前中の講義は取ってない手筈になってるから今後、試合直後以外の月曜日と火曜日の午前中はここに集合を原則とする。他の曜日については明日伝える。…ではさっそくだが、この5人の中でAチームとBチームに分ける。」
練習場の手配などの観点からチーム分けをすることになった。
チーム分けはこのように決まった。
Aチーム:牧田、蜂元、柳原
Bチーム:秋田、吉岡
タロー先輩は1年後までにDランクに上がるのを見据えて対女性との試合対策が必要で、牧田さんも柳原さんも能力が高く、同じ女性でチームを同じにするため、など様々な理由でこのチームとなった。
カズは秋田さんと同じBチーム。同じ男性同士、秋田のオールラウンダー性でカズの実力の見極めと底上げ狙い、秋田の巨人対策など。
サブトレーナーである瀧田トレーナー(瀧田かなこ)に挨拶を済ませた。そしてチーム分かれての練習になった。
瀧田サブとAチームはグラウンドでストレッチの後、ランニング。Bチームは山門トレーナーとともに南門を出て10分位のところの山門トレーナーの家へ。
山門トレーナーはアパートを借りてはいたが、そのアパートには共用部分にリングがあり、毎週月曜の9時から12時まで使用できるよう手配していた。
そのリングでカズと秋田は実戦形式の練習へ準備を整えていた。
「よし、では始めるか。まずは3分間、カズはフリーでやってみろ。トモはKO勝、KO負けにならないように試合をコントロールしてくれ。ではゴングを鳴らすぞ。」
休憩をはさみながら、様々なトレーナの指示を挟みながらKOのない練習試合を8試合行った。
「よし、お疲れ様。試合はここまで。休憩後、最初に集合した地点近くにいる瀧田のところに行け。Aチームと入替だ。」
こうして学内に戻り、瀧田サブトレーナーのもとへ。
「Bチームはこれよりサーキットトレーニングを行う。①3分走(800m)、1分休憩 ②筋トレ(腕立、スクワット、腹筋)10回ずつ3セット、1分休憩 ③3分走(800m)、1分休憩 ④ポールダンス3分、1分休憩 ⑤ストレッチ3分、1分休憩 ①~⑤までを12時までに3セット行う。最初の①だけは私が先頭を走る。あと、ポールダンスはあそこのピロティで行う。ポールダンスは3分間足を地につかない、ポール回りを回転れば技は不問。あとは大丈夫だな?…では開始だ。」
「ふぅ、とりあえず3分走は終わりだ。休憩はそこの椅子で座っていい。では次の筋トレだ。」
こんな感じで筋トレを行い、3分走、ポールダンス、ストレッチとメニューを消化していった。
「よし、これで3セットすべて終わりだ。お疲れ様。昼食はしっかりとることと3限目の講義には遅れるなよ~。では解散~。」
「…ふぅ、カズ、大丈夫か?」
「は、はい、だいじょうびです。」
「お前、この程度でふらふらしてるとは、まだまだだな。」
「トモ先輩だって足ガクガクじゃないですか~。」
「う、うるさい、ちょっと試合もあったから足がプルってるだけだ、と、とりあえず飯食いに行くか。…肩貸してやるから行こうぜ。」
「す、すいません、先輩。」
武道館に隣接する食堂にいった。この食堂は格闘学部専用(他の学部生はあまり近寄らない)で、安さと栄養バランスと量の多さ(大盛定食メニューしかない)がウリの食堂であった。
カズはハンバーグ大盛定食、トモは焼肉大盛定食を注文し、先にテーブルにいた先輩方の座席へ。
「あら、二人とも思ったより楽勝だったようね。あの坂のアップダウン、きつかったでしょ?」
「はい、すごくつかれまちた。」
「まぁ1回生で昼ご飯食べれるのはまぁまぁってとこかな?柳原ちゃんは大丈夫?」
「…柳原ちゃん、さっきもいったけど女の子でも強くなりたいなら定食1人前は食べないとダメよ?」
「そういえば、タロー先輩は?」
「…彼はDランクに向けての練習をしたのだけど、失神しちゃって。意識が戻ったけど今はまだ田中ゼミのトレーニング室の別室で寝てる。怪我はないから昼からの講義は出ると思う。山門トレーナー達はゼミの研究室に行ってる。」
「し、失神って…」
「ああ、あれか。タローのやつ失神したのか。年内にDランクに上がるには克服しないとなぁ。」
「…?」
「カズと牧田ちゃんは早くても秋以降に練習するかもな。その時にやる事になるだろうさ。」
その頃、山門トレーナたちは研究室内にいた。
「…よし、とりあえず今後の方針と練習メニューはこんな感じか。」
「あ、あのトレーナー、タローが失神したと聞きましたが…」
「あいつは、怪我はなかったが色々とヤバいな。」
「…え?」
「この5人の中で一番ヤバいのは、タローだ。1回生のやつらはデビュー戦が鍵だから心配もあるが、タローは1年前と大きく変わらない体格、寝技と極技以外は1回生より下かもしれない、肝心な寝技と関節技も異性を前にすると半減、そして戦績。年内で1勝もできなかったら卒業が見えなくなるがその1勝も危うい。ま、俺たちにできるのはあいつらが1勝でも多く勝てるように裏方に徹するのみさ。そんな暗い顔はするな。」
「…はい。」
「俺は今年からDランクトレーナーになったから来年4月の試験の申込までに10勝が必要。年内にあいつら全員2勝以上してくれれば来年秋にはCランクトレーナー。瀧田もそうだろ?あいつらのため、そして自身の来年にむけての目標のためにも頑張ってるんだろ?」
「…」
「さて、瀧田。この資料を基にして練習をしていく。」
トレーナーの大まかな担当は以下の通り。
月 9~12 山門:練習試合(山門アパート) 瀧田:屋外練習(武道館前)
17~19 山門、瀧田:筋トレ(田中ゼミ)
火 9~12 瀧田:屋外練習
17~19 瀧田:練習試合(田中ゼミ)
山門は関東などに就活または出張
水 17~19 瀧田:温水プール(グラウンド横体育館屋内)
山門は関東などに就活または出張
木 13~16 山門:練習試合、筋トレ(田中ゼミ)
17~19 山門:筋トレ(田中ゼミ)
瀧田は九州または四国へ出張
金 9~12 山門:屋外練習(武道館前)
14~16 山門:勉強会
17~19 山門:練習試合、筋トレ(田中ゼミ)
土 試合のセコンドなどorOB、OGの試合観戦or休みor他のトレーナーの選手と模擬試合(田中ゼミ)
日 休み(両トレーナは研究所にこもり資料作成など。試合がなかった選手はゼミで自主トレなど)
変更になることもあるが大体こんな感じのメニューを日々こなしていった。
何度も医務室送りになるタロー、カズは対寝技と対関節技、ストロングスタイルの確立、トモ先輩はカズの練習に付き合いつつ対巨体への戦法を練り上げる、もえちゃんは練習についていくことと食べること。
ゆう先輩はAチームの最年長として他の2人にハッパをかけながら1月28日の試合に向けてコンディションを整え始めていた。
週1投稿頑張ります。




