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宇土の大木  作者: 無能3245
第1章 新島学園編
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第1話 入学式と先輩

ここから本編開始です。

京都府南部の町、精華町。そこに国立新島学園があった。そこで2020年1月8日、入学式が行われた。桜の舞う、わけもなく粉雪がちらちら舞う入学式であった。


新島学園は4年制の国立大学であり、学部は法学部、経済学部、文学部、法学部などの文系と医学科、薬学科、電気科、機械科などの理工学系もあるが、カズの通うのは格闘学部の格闘科である。


格闘学部は格闘科とトレーナー科と格闘医学科とある。

格闘科は競技者そのものを養成する学科。トレーナー科はチーフセコンド、格闘ジムの運営、格闘系に関する仕事などを養成する学科。格闘医学科は医学科の一部。ほとんど同じだが格闘ならではの医療の需要が大きくなったため2018年に増設された。


初等科を卒業後、カズは大学の近くに1Kのアパートを借りた。たまに実家に帰るものの相変わらずの別生活である。


この世界の大学は寒いながらも現実世界に引けを取らない位賑やかであり、親と一緒に歩いてる者、まさに普通の入学式、否、格闘学部格闘科だけは異質であった。


まずはスーツが必須では無く、試合着も可能。というより競技者は試合着をドレスコードにできる。冠婚葬祭、天皇陛下や海外の国王陛下の謁見すら可。試合着は国際機関指定のメーカー指定の試合着。男女関係なく着れる仕様、現実世界のサッカーのユニフォームみたいな感じである。素材は軽くて丈夫、新品であれば試合中で破れることはほぼない。格闘科の競技者は1月4日着で格闘許可証を発行してもらえる。その許可証はどこでも決済できるクレジットカード機能付きなので試合着と許可証とスマホで大学生活、社会人生活を謳歌できる。


そんな大学の正面校門前にカズはいた。

「えっと、タローちぇんぱい(先輩)はどこだろ?………はい、もちもち(もしもし)、あ、…うん、僕も門で待ってるよ。…うん、ぁ、裏の方だったのかー、…うん分かった、ここで待ってるー。」

『…お、いたいた。先輩に迎えに来させるとは全く仕方ないやつだな。武道館は裏門からの方が近いって言っただろ。ま、入学式あるから武道館いこうぜ。』

「うん、わかったー。」


格闘科の入学式は大学内の武道館で行われる。2人は武道館に向かい、カズは武道館に入った。しばらくして、入学式が始まった。入学式の挨拶、学生生活の注意事項、今後の日程についての説明があった。学長、格闘学部の名誉教授らの挨拶はよく分からないので割愛。


入学式が終わった後はタロー先輩と共にタロー先輩の自宅へ。タロー先輩は大学の裏門から歩いて3分の所のアパートを借りて住んでいた。必須科目とおすすめの選択科目などを登録するために落ち着いた場所でタロー先輩のパソコンで登録手続きをした。

「カズ、まずはIDとパスワードをここに入力して…次にここをクリックして…で、このページで授業選択となってる。授業選択は格闘学部のみ前期と後期とある。今回は1回生前期を。必須は土曜日の1〜4限目、丸1日の講義になる実戦試合。毎週あるわけではなく年4回の試合と試合のない月は同じトレーナーの別選手の支援などをする科目だ。次は月曜3限または月曜4限の基本トレーナー学1。必須はこれだけだ。選択科目については特におすすめは火曜2限目の整体学1と水曜3限目の格闘医療学1。あとは好きに入れればいいが、これ以上は選ぶ必要がないから空き時間はトレーニングするのがおすすめ。あと、絶対といってもいいが金曜日の3限以降は取らない方がいい。土曜の試合で遠征の場合、大変になるからな。」

「うん、わかったー。…これで登録するねー。ちぇんぱいは登録したー?」

「俺は昨日やったよ。授業は1月13日から始まるからな。あと、留年は気をつけろよ。3回生になるまでに通算1勝、4回生になるまでに通算2勝、卒業するのにDランク以上の勝利数が3勝必要になる。これが最も留年しやすい。あと基本トレーナー学4までが必須、これが次に留年するポイント。あとは選択科目を1年間あたり4つ取り続けていれば問題ない。今の所はこれらを押さえておけば問題はない。」

「うん、がんばるー。」

「はは、まあ筆記試験も漢字じゃなくてもいけるから問題はない、かな?あ、あともう一つ、重要なのはトレーナーだ。まだ決まってないだろ?無理に選決めなくても卒業までできるかもだが、いたほうがいい。普段の練習もそうだし、試合の時も決まったトレーナーの方がやりやすいからな。」

「へぇー、そうなんだー。」

「そこで、今の俺のトレーナーのとこに行かないか?」

「うん、いくー。」

「よし、では明日の朝9時にここに来い。」

「うん、明日くるよー。」

「…よし、では今日はこれで解散。なんだかんだで遅くなったな。俺が奢るから近くの食堂で飯食いに行くか。」

「うん、いきたいー。」

「…ゔ、外は結構冷えて来たな。そこの食堂は鶏鍋もあったから鶏鍋にするか。」

「うん。ちぇんぱいはいつも食堂に行くの?」

「自炊もするよ。まあカズの場合は自炊より食堂通いの方がいい気がするけどな。」

「ぇー!?」

「元からあったキッチンとトイレとシャワー室以外は小さな冷蔵庫とテーブル、あと布団しかないだろ?調理器具も皿もコップすら無かったし。昨日見に行ったときはびっくりしたわ。」

「ぅー、そうなのかー。」

「食堂のご飯は美味いし値段もまあまあ安いから大丈夫だ。とにかく、俺の家と食堂と学校の武道館周辺の場所は覚えておけよ。」

「わかったー。」


このような会話をしながら食堂へ。2人は夜食を食べた後、タローがカズをカズの家まで送り、この日は解散となった。

来週投稿予定。

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