第11話 1回生後期
よろしくお願いします。
2018年7月9日、長野で合宿が行われた。
長野の高原にある山荘で、この時期は快晴の日が多く、最高気温も20~27℃程と過ごしやすい場所である。
ゆう先輩は7/28の試合に向け調整。
トモ先輩とタロー先輩は瀧田トレーナーと別メニュー。
もえちゃんは同じ1回生達と合同トレ。
カズは田中派の3回生の選手と別メニューをこなしていた。
カズは2連勝した。そのためEランク2勝クラスに進出。このクラス以上は1ヶ月前位で対戦相手がおおよそ決まり、この合宿直前で対戦相手が決まった。このこともあり合宿の開始時、山門トレーナから次戦についてと合宿の練習メニューについて報告があった。
①次は最強の格闘=相撲と標榜する、相撲王国の異名を持つ大阪の金機大学の格闘学部格闘学科の学生。同じ16歳で2連勝中。体格は力士そのものらしい。金機大学内でもホープの一人らしい。
②山門トレーナーも練習や試合の録画データを確認したが、Dランカー上位すら圧倒するフィジカル、もはや脅威そのものとの事。今までの対戦相手も力士であったがすべてリング場外へ吹っ飛ばされている。このままではカズのリングアウト負けが予想されるとの事。
③相撲対策のため、田中派きっての相撲スタイルの使い手の山田選手。田中派の3回生の中でも勝ち頭でもある。山門トレーナーが頼んでこの合宿中のみカズと練習してくれるとの事。
合宿中、午前中はランニングや筋トレ、午後から山田選手と相撲部屋ばりのマンツーマンの特訓が始まった。
テッポウ、ぶつかり稽古、投げ技対策、ぶちかまし対策など、基本から応用までみっちりと、仕込まれていた。
「いいか、相撲スタイルの対策はまずぶちかましからだ。まともに食らうと吹っ飛ばされる。かといって打撃での迎撃は通用しないだろうな。現に通用しなかっただろ?まぁ、実戦でどうするかはトレーナーと考えることだ、今はいろいろな戦法を試してみな。」
「もっと腰を落とせ、浮足立つと簡単に投げられるぞ。動きも遅い。」
「相撲で気をつけないといけないのはぶちかまし、投げ、テッポウだけではないぞ。蹴り技も存在する。滅多に使わないが強力だ。」
「いつまで寝てるのだ?次は四股だ。...もっとゆっくり、足をもっと上にあげろ。」
山田選手とトレーナー、山門トレーナーの様々な言葉を浴びながら練習するカズ。
カズは夕方にある1回生の合同練習に向かった後、山田選手は山門トレーナーにアドバイスをする。
あっという間に合宿も終わり自宅へ。
前期の成績が帰ってきていた。
成績は良い順で優、良、可、不可の4段階評価。不可以外は単位獲得となる。
格闘医療学1のみ可、あとは良以上で全て単位が取れた。
講義登録期間になったので登録した。
月 3限:基本トレーナー学2(青山)、4限:基本中国語2
火 4限:整体学2
水 3限:格闘医療学2 、4限:格闘学(田中)
木 1限:基本英語2
金 なし
土 実戦試合(試合がない日は基本自習)
前期と同様の科目と曜日を選択した。そして7/23、後期の講義が始まった。
7/28 11時ゆう先輩の試合
Dランク60、3R3分/R。試合会場は奈良武道館。対戦相手は同じ女性で38歳社会人。勝ったのは相手選手であった。3R目残り30秒、相手選手の後ろ回りをボディーに食らいKO負けとなった。ゆう先輩は立ち上がれず、担架で退場となった。数時間、医務室にいた後、帰宅した。練習は2日後の月曜日に復帰した。
5/13 15時20分 トモ先輩の試合
Dランク60、3R3分/R。試合会場は大阪武道館。対戦相手は同じ男性で54歳社会人。勝ったのはトモ先輩であった。1R目はゆっくりしたスタートで、主にグランド状態で試合が進んでいった。2R目、開始直後にトモ先輩の飛び膝蹴りが決まりKO勝ちとなった。トモ先輩に目立ったけがはなかった。
※山門トレーナーの選手分析
山田小錦
2018年7月 新島学園格闘学部格闘科3回生 179cm/126kg
18歳 Dランカー
通算10戦8勝
相撲スタイル
総D+
体C+、速D、耐C、心D+、対D−
打D+、組C−、寝E+、極D−、投C-
次話は来週投稿予定です。