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宇土の大木  作者: 無能3245
第1章 新島学園編
12/16

第9話 2戦目

よろしくお願いします。

2018年5月27日、この日はカズともえちゃんの試合の日である。ともにEランク1勝クラス、試合会場は新島学園武道館、カズは15時20分、もえちゃんは11時40分開始であった。


前回と同じように1週間程前のドクターチャックを済ませ、対戦相手が決定した。

今回の対戦相手は同期の入江遼。あまり交流はない(カズとはウマが合いません)。成績は上位で頭は良さそうな感じであった。宮本派の選手で体格はやや小さいがそこそこイケメン、寝技、極技だけなら宮本派で5本の指に入るほどであるらしい。

もえちゃんは同じ女性で同期の五反田あかり選手である。得意スタイルは一撃必殺スタイル。五反田はあの日本格闘の5強のひとつである五条家の分家。五条家は京都を拠点にしてるが五反田家は東京を拠点にしている。いろいろあって京都に進学した模様。勝ち進めば本家の名を名乗れるらしいのでいつもストイックに練習していた。様々な部分がもえちゃんとかぶる、お互い似た者同士の試合となった。


月曜までにトレーナー達によるバックアップ(情報収集、試合対策、試合前調整などの方針など)のもと試合の日を迎えるに至る。


11時40分、まずはもえちゃんの試合。


試合:Eランク1勝クラス20 2R3分/R

赤コーナー

五反田 あかり選手 16歳153cm/47kg

新島学園所属


青コーナー

柳原 もえ選手 16歳148cm/44kg

新島学園所属


試合が始まった。最初はお互い打撃で応戦していたが組状態に。試合は完全に膠着状態、第2Rも同じ展開。試合はそのまま終わり判定へ。お互いほとんど寝組状態であるため警告0、滞在率も大差なく引分けとなった。


授業でもあったがこの世界の格闘は引分けは負けに近い扱いになる、昇格は無し、賞金もポイントも20%しかないし、散々といってもいい。負けはしなかったものの勝てなかった悔しさか両者とも涙を流しながらリングアウトしていった。双方かすり傷はあったが病院に行くほどの怪我はなかった。


結局、昼食にも姿を現さなかったもえちゃん。カズは昼食を済ませ、軽くアップをした後、控室へ。

そして、時間が来て、リングへ向かった。


試合:Eランク1勝クラス20 2R3分/R

赤コーナー

入江 遼選手 16歳164cm/55kg

新島学園所属


青コーナー

吉岡 和彦選手 16歳194cm/91kg

新島学園所属


試合が始まった。カズの右ストレートと前蹴りで入江選手は後退。入江選手はカズを中心に旋回するもきっかけをつかめず、警告1を食らい、あせって突進するところに打撃のカウンターをくらい尻もちをつくこと2回、カズが圧倒したラウンドとなった。

「上手くいったラウンドだった。…今のうちに息を整えておけ。次のラウンド、相手はどこかのタイミングでスピードを上げてくるだろう。いきなり来るかもしれぬ。タックルと極技に気をつけろ。」


助言を頂いた後、第2Rへ。

第1Rと同様、カズが中央に陣取りし入江選手は旋回していた。タックルにきては迎撃で尻もち、そんな展開で残り時間が1分になった頃、入江選手は急スピードでタックルへ。カズの左ジャブをサイドステップで躱し、カズが見失ったのを機に再度タックルへ。


入江選手サイドのカズに対する評価は高かった。Eランクの短時間でストロングスタイルを続けられるとジリ貧、体格差を考慮して挽回できない、つまり勝率は低いと感じていた。そんな中で勝利をもぎ取るため最も得意な極技をどうやって極めに行くか。

①タックルが極まればそのまま極めに行く

②最初で極められないときは最終までタックルを所々仕掛けながら相手の打撃、スピードに慣れる

③最終タックルは最速で、相手が慌てて仕掛けた攻撃を躱してタックル、そして極めに行く。


最初のタックルは囮、今までの展開もカズにタイミング、途中のわざとゆっくりなスピードを慣らさせることで油断を誘うための布石…。最後のタックルにすべてを賭けた入江選手。カズ選手にタックルが極まる直前からの記憶が飛んでいた。


試合はカズのKO勝利であった。

入江選手のタックルが極まる直前に左アッパーが入江選手の顎に決まりそのまま卒倒、担架で運ばれていった。入江選手は左ジャブが来たと思ったが実はフェイントであった。タロー先輩やトモ先輩などがタックルにくる時に使う戦法の1つだったので対処できた事、一瞬だが最速タックルが来る直前の足の踏み込みとタメが見えたので予見できた事、左ジャブのフェイントに引っかからなかった場合は右ストレートを出す。フェイントに引っかかった場合はサイドステップでカズの左側に回り込むことが予測できた。そして入江選手はフェイントに引っかかったのでこの試合の展開へ。そのためカズは入江選手が旋回してるときは左ジャブと蹴りを多用し伏線を張っていた。


入江選手は試合の1時間後に目を覚まし、1週間の入院となった。命に別状はなかった。


※山門トレーナーの選手分析

入江遼

2018年5月 精華町の国立新島学園格闘学部格闘科所属。宮本派。164cm/55kg

16歳 Eランカー。

通算1戦1勝

一撃必殺スタイル

総D−

体E、速D−、耐E−、心E+、対D−

打E、組D−、寝D+、極C−、投E

11月は週1投稿予定。

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