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宇土の大木  作者: 無能3245
第1章 新島学園編
11/16

第8話 春休み、GW

よろしくお願いします。

1回生のデビュー戦が終り、先輩方の怪我もすっかり癒え通常の学園生活が戻った。

カズの同期は何名か怪我で療養のため欠席している位であった。


学園の格闘学部では年に0名の時もあるが、多いと数名殉職者を出す。今年に入ってから死者は出てないが全治2か月の骨折をした選手がいたりする。この学園の裏の山には墓地もある。


試合明けの月曜日はオフのため山門トレーナーともえちゃんと他のトレーナーと選手たちとお墓参りをした。

お墓参りはトレーナー含む2名以上で参拝、所属する教授に届け出をだすなどの規則があり、その規則通りに参拝する必要がある。この学園の学生は試合明け(怪我の場合は怪我が治ってから)に参拝する。年に2回OBOG会によるお墓参りもあるらしい。


火曜日に練習再開、この週は軽めのランニングや筋トレのみで練習試合はなかった。

翌週には練習試合を再開、カズはトモ先輩と組技、寝技、極技、投技をメインの練習メニューをこなしていた。

「カズ、今年の1回生の勝ち上がった学生でもっとも多いのは極技主体の一撃必殺スタイルの学生だ。今後はこのスタイルとの試合も増えるだろうからこのスタイル対策の練習をメインとする。…トモ相手に極めろとは言わないが次の試合までに3分間極められないよう防御術を身につけること、…組技と寝技は如何に不利にならないようにするか実戦で身につけろ。…そうだ、相手の動きに連動して正しい動作をすれば簡単には極められない。…パワーはあるがスタミナが足りてないな。ランニングの量を増やすか。…さて、今日の田中ゼミでの練習試合だが、打撃無しでやれ。…あああ~、違うだろが、…ぁ~、…そうだ、そのままあせらずにいけ~、…よし、よくやった。」


山門トレーナーの指示や激励の元、練習を送る日々。瀧田トレーナーはランニングやフットワークの使い方などを学んでいた。


2月も終わり、研究室にて山門トレーナーは選手たちに今後の予定を伝えていた。

3/24~4/1 春休み(休講期間)

4/28 ゆう先輩の試合

4/29~5/6 GW(休講期間)

5/13 トモ先輩の試合 

5/20 タロー先輩の試合

5/27 カズ、もえちゃんの試合


「春休み中に田中ゼミではOB会が開かれる。今年はOB会会長が運営する宇治市の太陽が丘武道場でOBOG会としてミニ合宿を行われる。学生は3/26~3/31まで行われる。注意事項はトレーナー含む学生の会費は1人2万円を3/17に集める、春休み中の課題とレポート作成は3/25、3/26で済ますこと、その他詳細はこの紙の通りだ。」

「GW期間、教授はいないから研究室は使えない。よって、俺たち7人で合宿に行こうと思う。場所は京都と奈良の県境にある笠置の武道場。あそこは俺の先輩の父親が運営してる武道場で今年のGW期間中は遠征で先輩以外は誰もいないみたいだから許可が出た。送迎は俺の先輩がマイクロバスを運転してくれる。練習内容は現地で発表する。GW明けると試合間近だ。」

「…ざっと予定はこんな感じかな。今日はこれで解散とする。」


3/26 宇治市太陽が丘武道場

「皆様、我が武道館にお集まりいただきありがとうございます。初めましての方もいらっしゃると思いますので自己紹介をします。田中ゼミ、旧藤井ゼミのOB会会長の水口進みずぐちすすむと申します。49歳、田中教授の同期で同じ旧佐々木ゼミの出身です。今後もよろしくお願いします。」


武道館までは徒歩、電車でトレーナーと先輩方とで向かった。武道館につき、時間になったのでOB会が始まった。まずはOBOG会会長の挨拶、田中教授の挨拶、卒業生の挨拶、カズ達学生の挨拶と続いていった。

初日は水口会長と田中教授の模擬試合が行われ、その後は学生含めて模擬試合が行われ、この日は終了。

次の日からは学生はトレーニングと練習、大半のOBOGはトレーナー業や格闘以外の本業の仕事があるため人数は少なくなったが、プロ格闘家を職業にしてる卒業生もいたためその方たちと練習していた。


現役格闘家といってもCランクで勝った負けたの選手がほとんどで、大体はトレーナ業を兼業していた。格闘家1本なのは唯一の現役Bランカーである丸山陽平まるやまようへい。26歳で190cmの巨体を生かしたストロングスタイル、気さくな性格からか同じ巨体でストロングスタイルのカズとウマが合った。


山門トレーナーの許可も得たことによりカズはこの合宿中は丸山選手の練習相手と付き人的な立ち位置で行動を共にするようになった。

練習時間は1回生は18時まで。先輩方は20時まで。OBOG達は22時まで。

タロー先輩の悲鳴とか時々聞こえるけど、大丈夫なのかな?

日にちがたつごとにタロー先輩とトモ先輩はやつれて行ってるような気がする。

ゆう先輩はつやつやになっていってるが。


1週間ほどであったが、あっという間に合宿は無事に終わり、再び日常が戻ったのであった。


4/28 16時ゆう先輩の試合

Dランク60、3R3分/R。試合会場は京都武道館。対戦相手は同じ女性で29歳社会人。勝ったのは相手選手であった。2R目の組状態からあっという間に腕をとられ、腕拉十字固めを食らいKO負けとなった。ゆう先輩に怪我はなかった。


4/29 9時 新島学園南門前

この日から山門トレーナー達は笠木の武道場へ向かうべく、マイクロバスを待っていた。

「…おいっす~、OBOG会でも会ったと思うが、旧藤井ゼミの福本だ。これから1週間、よろしくな~」

軽いノリであったが41歳のおっさんであった。現在は父の武道場で奥さんとともにトレーナ業をメインにしているが、Dランカーとして試合にも出ている。

「父と道場生は関東に遠征に、妻は子供を連れて実家に帰っているから俺達以外は誰もいない。空気も水もきれい、今は禁猟期間で地元民以外はこの道路を通ることもないから集中して練習できるぞ。練習機材はそっちの倉庫内以外のものなら自由に使っていいぞ。」

「先輩、ありがとうございます。さて、貴様らの練習メニューだが、Aチームは瀧田の指示のもとランニング、Bチームは俺とともに近くの池に行くぞ。」


こうして普段ではできない練習メニューもこなしていった。

道場での練習試合はもちろん、川でスクワット、軽トラ押し、池にある浮島リングで練習試合、機械から飛び出るスポンジ球を避ける(応用編で指定の色ごとに避ける、ガード、迎撃)、山道ランニング(ダッシュ)など、様々な練習メニューをこなしていった。大きなトラブルは瀧田トレーナーとトモ先輩とカズでランニング中、160cm位の熊に遭遇したこと位であった。瀧田トレーナーが助けを呼んでる間、2人で熊と格闘、熊を失神KOさせた。その後、その熊は福本ら地元民により熊鍋に。2人はひっかき傷を負った為病院へ行ったがその日には道場へ帰還、翌日には合宿に復帰していた。


5/13 11時20分 トモ先輩の試合

Dランク60、3R3分/R。試合会場は新島学園武道館。対戦相手は女性で19歳名古屋大学格闘部格闘科の学生。勝ったのは相手選手であった。1R目、打撃の応酬で相手選手のハイキックが奇麗に決まりKO負けとなった。トモ先輩はそのまま医務室、病院へ。2日間の要安静であった。凹んでいたが、その後すぐに練習に復帰した。


5/20 14時 タロー先輩の試合

Eランク2勝クラス30、2R3分/R。試合会場は新島学園武道館。対戦相手は新島学園の同期で同じ男性。この試合はタロー先輩の勝利であった。3R目が終わっても決着はつかなかったが、相手選手の警告数1、タロー先輩は警告数0のため判定勝ちとなった。タロー先輩はかすり傷があった位で翌日から練習に復帰した。


※山門トレーナの選手分析

秋田 智則 「トモ先輩」

2018年5月 精華町の国立新島学園格闘学部格闘科3回生 178cm/78kg

18歳Dランカー。

通算9戦5勝

オールラウンダースタイル

総D−

体D−、速D-、耐D、心D、対D−

打D-、組D、寝D+、極D+、投D−

次回投稿は11月初旬です。

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