晩ごはんでの事
しばらくして姉は料理を運んできた。
今晩のご飯はキノコづくしである。
姉「ふっふ~ん、さぁ頂きましょう!」
キノコが多く取れたためか機嫌がよさそうだ
しかし、弟は何ともいえない顔をしている。
弟「お姉ちゃん、見たことないキノコがあるね」
姉「美味しそうでしょ~?いつもより少し奥に
行った時に見つけたの!」
弟「キノコって見分けるの難しいんだよね?
大丈夫なの?」
姉「大丈夫よ!私も取るとき口にしたけど
何ともなかったわ。それに美味しいの!」
弟「ふーん、じゃあ大丈夫なんだね。
じゃあ、いただきま~す!」
モグモグ
弟「あー、これ美味しい!」
姉「でしょう?」
弟「うん、お姉ちゃんには悪いけど
最近同じキノコばかりでちょっと
飽きてきてたんだよね。」
姉「う…、ゴメンね。行ける範囲だと同じ物
ばっかりになっちゃうの。」
弟「あ、違うよ!お姉ちゃんのおかげで
お母さん達がいなくても暮らして
いけるんだもん!ありがとう。」
姉「あははっ、改めて言われると照れるよ。」
弟「んーん、本当にありがとう。
でもヨセミテ草見つけたら取ってきてね!」
姉「そうね、私も好きだから頑張ってみるわ。」
弟「そういえば、もう15年経っちゃうよね?
元気にしてるのかなぁ…」
姉「ん~、さすがに帰ってきてもいいのにね
村長は知ってるみたいだけど。
連絡取れてるみたいだから元気でしょ」
村長は村一番の魔法の使い手である。
その村長だけが通信魔法を使えるという。
昔、村が災害に襲われたときに村人の
避難のために使われた事があるみたいだ。
姉「村長にヨセミテ草の事も生えてそうな
場所も兼ねて聞いてみようかしら。」
弟「村長さん物知りだもんね!
わ~、楽しみだなぁ!」
姉「はいはい、じゃあご飯食べちゃってね。」
弟「はーい!」
姉にとって弟の存在は心の支えになっている。
両親が突然いなくなったため生活するにも
大変だったからだ。
この子のために頑張れる
両親にはいつか会って問い詰めてやろう、
魔法が開花した今、結界の外の世界にも
出て行こうとも思っていた。
姉「さて、ご飯も食べたし早めに寝なさいね!」
弟「うん、おやすみなさい!」
明日は村長の所に行こうと決めて
寝床についた。