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絶対女体化計画!!  作者: 変態紳士。
序章 ~追憶と言う名のプロローグ!~
1/1

00. 幼い頃はみんな愚かで、無謀で、無知で、阿保で、馬鹿で、恥知らずで、クソ生意気な無法者。




 これは…この出来事は、これから始まる物語に必要不可欠な出来事。


 この出来事がなければこの物語は始まらないし、これから登場する 【彼ら】 や 【彼女たち】 の運命も、大きく変わっていたかもしれない…。






 それはとある少年の幼き日の思い出を、さかのぼる事から始まる━━━━。
















 此処はとある神社の境内けいだい


 境内はそこそこ広いが、建物などは少し古びていて、ちょっとこじんまりとしている。


 けれど、神社自体は由緒正しき歴史情緒溢れる神社で、地元の人からも長く愛され、崇められ、慕われる、とっても素敵な場所。



 そんな神社の境内けいだいの奥の奥。この神社の代名詞とも象徴シンボルとも言える、とても立派で、かなり大きな 【御神木ごしんぼく】 がある。


 その御神木を囲むように、御神木を見上げる複数の小さな人影があった。



 よく見たら子供たちのようで、歳は6~7才ぐらいだろうか。


 みんな歳は一緒ぐらいだが、背丈せたけは様々で、ちょっと大きい子や、みんなと比べて少し小さい子もいる。


 更に子供たちの特徴として面白いのは、子供たちみんな違う髪色をしていること。


 赤い髪の子もいれば、青い髪の子もいる。他に、黄色・緑・紫・白・黒と色取り取りの子がいる。



 その中の赤い髪の子が御神木ごしんぼくを見上げながら、大きな声をあげた。



「おーい、太郎ぉ~! あぶねぇーから降りてこいよぉー! じゃねぇーとまた、“善じい”に叱られるぞぉー!」



 どうやら御神木に誰かが登っているようで、今度は黄色の髪の子が声を張る。



「タロく~ん! あかくんの言うとおりッスよぉー! いくらタロくんが身体が頑丈だからって、その高さから落ちたら無事じゃ済まないッスよぉー!」



 御神木ごしんぼくに登っている人物を、本当に心配そうに見つめる黄色の髪の子。そんな黄色の髪の子をチラッと見ながら、青い髪の子が呟く。



ひかる、たぶん太郎は大丈夫…。 光の言うとおり、あの高さから落ちたら普通の人は無事じゃ済まない。だけど太郎だから死んだりはしないと思う……たぶん…。 問題なのは━━━」


「いやいやいや!何言うてんねんアオやん! あの高さはアカンレベルやって!落っこちたら、いくらたろキチでもアウトや! ━━アオやん、たろキチの事…ウル○ラマンか何かと勘違いしてへん?」



 紫髪の子が青い髪の子にツッコミを入れる。 ツッコまれた青い髪の子はキョトンとして、首をかしげながら言った。



「えっ…違うの…? この前太郎が、『オレはダ○程度の怪獣なら簡単に倒せる!なんてたってオレは、“タロウ”だからなッ!』って言ってたから、てっきり……」


「何で○ダやねん!そこはバルタン○人やろ! てか作品全然違うやん!?フツーそうゆーなら、“末っ子”の敵の名をあげーや! …てか弱ッ!!相手のレベル低ッ! それに“怪獣”やのーて、“怪人”やからな!」


友世ともよ…ちょっとうるさい……」


「なんやてッ!?」



 まるで漫才の様なやりとりをする二人。とても子供がする会話の内容ネタとは思えないが、二人ともまだ男の子の『シンボル』に『ジャングル』は生えていない。




 いまだに青い髪の子にギャーギャー何かわめいてる紫髪の子の横で、オドオドと御神木ごしんぼくを見上げながら、キョロキョロ周りを気にしている緑髪の子がいた。


 他のみんなよりちょっと小さくて可愛らしいその子は、今にでも泣き出しそうな表情で何度も周りを気にしては、御神木を見上げ、声を震わせて言う。



「ねっ、ねぇ……やめさせようよぉ…。落ちたら太郎……本当に死んじゃうよぉ…? それに…神主さんに見つかったらまた、親呼ばれて怒られるよ…! ぼく…またお父さんに怒られるのヤダよぉ……」



 緑髪の子の発言に、横に立っていた白髪はくはつの子が言葉を返す。



「諦めよう若葉わかば。太郎が一度『やるっ!・するっ!』って言い出したらこっちの言う事なんて聞かないってこと、若葉も知ってるでしょう? だいじょうぶ大丈夫♪ 太郎は木登り得意だし、神主さんもさっき出掛けて行くの見えたからさ! ━━それに……」


「それに?」





「怒られる時は、みぃ~んなッ!一緒だよ♪」





「だからそれが嫌なんだってばッ! ふぇええ~ん!おかあさぁあ~ん!」


「あははは! 怒られるだけで済んだら良いよね♪」


「怒られる以上の事があるの!? もうやだぁ~、お家に帰るぅ~!」



 半べそ状態の緑髪の子を見ながら、クスクス笑う白髪はくはつの子。そのほほはほんのりと笑窪えくぼが出来て可愛らしい。


 その白髪の子をたしなめるか様に、子供たちの中で一番背の高い黒髪の子が発言をする。



魅雪みゆき…あんまり若葉をいじめるな。それに若葉わかばも、お前も直ぐに泣こうとするな。男だろう? そんなんじゃ、お前のお父上のような、立派な人にはなれないぞ!」


「だっ、だってクロくん!ユキくんがぁ~……」


「だっても、へったくれもない!」


「うっ、うん!わかったよ!」


「……よし!それで良い。 お前は泣き虫だが、何でも素直に聞き入れてくれるところは、私は好きだ。 …魅雪、お前もだぞ! 若葉を揶揄からかうのも、ほどほどにしておけ。まあ、お前なりのスキンシップなのは分かるが、度が過ぎるのも考えものだぞ!わかったか?」


「はぁ~い、分かりましたぁ♪ ごめんね、若葉!」



 緑髪の子に頭を下げる白髪の子。それを見て緑髪の子は慌てて頭をあげるよう、白髪の子に促す。


 その様子を見ていた黒髪の子は、フッ! っと軽く笑みを浮かべた後、少し険しい表情になりながら御神木を見上げて、小さく呟いた。



「━━さて。そろそろ事の原因の、“おイタ”が過ぎる悪ガキに、注意しないとだな…。 って私もその悪ガキのひとりか…」



 黒髪の子は、すぅ~… と深呼吸をひとつしたあと、御神木ごしんぼくじ登っている人物に、大きな声で呼び掛ける。



「太郎ぉー!聞こえるかー!お前にひとつ言っておく事があるぅー! 良いかぁー!よく聞けよぉー!」



 間を少しおいたあと、言葉を続ける黒髪の子。その黒髪の子の声が届いているのか分からないが、“太郎”と呼ばれた人物は、なおも御神木を登り続けている。




「お前が何をするかは勝手だ!お前の好きなようにすれば良い! 私たちは……少なからず私は、何も言うつもりはない! ━━がッ!! これ以上私たちに迷惑を…心配を掛けるのをやめてもらえないか!」

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