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後悔交じりの思い
『このままでいいのかな…。』
不意にぼそりと呟いた。
呟いたところで、周囲に人の気配はなく、この声が誰かに届くわけでもない。
だから、尚更安心できた。
姉の存在を忘れるため、強がりながら過ごす裏側には、日に日に増していく後悔をどうにかせねばとの思いもあった。
だから、せめてもと思い、姉の健康をただ祈った。
何もできない自分が姉の荷物になっていることはわかっていた。
姉もあのことを引きずっているのではないか、と。
私が自立さえすれば姉は私のことで苦しまないで済む。
考えに考え付いたことがこれだった。
そんなことをしばらく考えていると、いつのまにか眠気に襲われていた。
冷気が体を冷やしていく。
その時、体温が少しづつ下がていくのを身をもって感じた。
次第に、その空気に自分自身が溶け込んでいくかのように思えてきた。
温かいコーヒーでも飲めば眠気は覚めるかもしれないが、寝てはならない理由もなかったので無駄金を払うことはやめた。
そして、この環境に身を委ねるかのように静かに目を閉じることにした。