表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
re.time  作者: 新屋はる
First and last encounter
55/55

星空

見上げれば一面に絵にかいたような淡い青。

一段と空は高かった。

目を瞑り自然の音に耳を傾ける。

風のヒューという音が心地よい。




「今日の星も綺麗だな。」



自然が作る美に見入っていると、背後から声がした。

直接心に語りかけているかのような、優しく、透き通った声。


この声はどこかで聞いたことがある。

その声を聴くや否や、私の耳は今まで以上に過剰反応を起こした。

そして、その人が誰なのかはすぐに分かった。


だが、これが現実ではないような気がして、何度も頬をつねる。

ずっと願っていた再会が、まさに今起こったのだ。

嬉しくないわけがなかった。

ただ、再会を強く願う故に、夢にまで出てきた可能性もあり得る。

だから、信じないでおこうと決めた。


幾度となく頬をつねり、大きく瞬きをする。

だが、何も起こらなかった。

そうだ、これは夢でも何でもない。

紛れもなく現実なのだ。


それが現実だと確信した瞬間、このために残しておいたとも思わせる大量の涙が静かにこぼれ落ちた。


これは正真正銘の現実だ。

不可能だと思われた再会は、今ここで実現した。

やはり、あの出会いは偶然ではなく必然だったのだ。

この世界で何らかの義務を果たすために、出会うという運命があったのだ。

お互いが再会にかけた強い思いが私たちを出会わせたのか。


理由は何でもよかった。

ただ、再会できただけで良かった。

それだけで、世界は輝いて見えた。

もう、これ以上のものは何もない。

一生ものの幸せを手に入れた達成感に浸っていた。



「いつもよりずっと綺麗だね。」


青の下、二人の笑い声だけが響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ