支え
それから、常夜灯は心の支えとなった。
だから、いつも憩いを求め、まるで本当の家と言っても過言ではない程、居座るようになった。
自宅から遠くても、毎日学校帰りに通うようになった。
いつも過ごしている常夜灯。
常夜灯こそが私の唯一の居場所になっていた。
でも、その日だけはいつもと違っていた。
癒しである常夜灯に来ても、全く癒されなかった。
それどころか、悲しみ、そして、やり場のない怒りも覚えた。
私には一つだけ心当たりがあった。
それは、あの日から3年ということ。
後悔し続けて3年。
できるならば記憶から消したい3年前のあの日だった。
あの日とは、言うまでもなく姉を傷つけた日のことだ。
私のたった一人の姉を。
たった一人の理解者を。
姉妹の口論なのだから、ただ謝ればよいだけの話だった。
姉も大人だ。
いや、それだけではない。
姉妹でもあるのだから、分かり合えないはずはない。
なんせ、謝罪が必要なのは私だけなのだ。
私自身が自分の非を認めているのだから、あとは謝罪の意を姉に伝えるだけだ。
ただそれだけでよかったのだ。
だが、そんな単純な問題ならここまで迷うことではないのは明確だ。
だが、それでも謝れなかった。
謝罪の言葉の頭文字も言葉にならなかった。
この原因は私自身のプライドが大きく関係しているのだろう。
そのために、姉に謝れず無駄な年月を過ごしていた。