変化
冷静になってようやく理解出来たことがある。
それは、「普通ではない世界」のことだ。
私は「普通ではない世界」で、姉に謝罪することを誓った。自分自身や現実、過去にも向き合うことを誓った。
そして、過去のように姉と楽しく過ごしたいと思った。
その願いは、生への執着でもあった。
『普通ではない世界』
それは、この世界の支配者が私達を試していたのだ。
大切な人に会うことはできない。
そう気づいた後の反応を見ていたのだ。
事故から3年も眠り続けていた私は、助かる確率も日に日に下がっていた。
だが、私は心の底から生きたいと望んだ。
そんな私を助けるべく、「普通ではない世界」は私を試した。
生にかける思い相応の行動。
その全てを監視していた。
「普通ではない世界」
24時間で少しでも良い変化があるのなら私を生かそう、と。
過去を変えるべく、この世界で真っ先に姉を探した。
だが、姉に会えることはなく、過去を変えられないことも知った。
その後、想太さんとの出会いで、過去と同じ過ちを繰り返さないことを誓った。
ついに変われたのだ。
自分に向き合うことを避けてきた私が、自分に向き合いながら、誇れる私に変わろうとしていたのだ。
もし私が変わろうとしていなければ、今頃助かってはいなかっただろうし、最悪の結果で姉を苦しめ続けていただろう。
だが、微々たる私の変化に気づいたこの世界の支配者が、私に微笑んでくれたのだ。