表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
re.time  作者: 新屋はる
First and last encounter
46/55

事実

ようやく一般病棟からリハビリ病棟に移れるという知らせを聞いた時、姉は私の身に何があったのかを教えてくれた。


姉との喧嘩直後に家を飛び出した私は、当時、連日ニュースで取り上げられていた連続ひき逃げ事件に巻き込まれた。

車は横断中だった私ともう一人をひいた。

そして、そのもう一人こそが想太さんだったのだ。


それから三年間、私は眠り続けた。


事故の状況は最悪で、医師からも『(あかり)さんの意識は戻らないでしょう』と告げられていたらしい。

だが、姉は私を信じ、寄り添い続けた。


きっと姉の事だから、私が事故にあった原因を、自分のせいだと思っていたに違いない。

ただ、その思いから寄り添い続けただけなのかもしれない。


たとえそうだとしても、姉妹の絆が起こした奇跡に変わりはない。


その話を聞くや否や、想太さんのことが気になった。

あの時、「普通ではない世界」で想太さんと出会えたのは同じ事故に遭ったからで、想太さんも事故の直前の出来事が関係していた。


私は生きていた。

ならば、きっと想太さんも生きている。


会えなくてもいい。

ただ想太さんが生きてさえいれば。

ただ願うばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ