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re.time  作者: 新屋はる
First and last encounter
41/55

幸せ

「急になんだよ」


想太さんは笑った。

その声に違和感を覚えた。

想太さんの涙の混ざったような声に、私は何と返せばいいのかわからなくなった。

想太さんにまで辛い思いをさせてしまっている。

そう思った。


あの時、想太さんに出会わなければこんな思いをすることもなかった。

今頃、当たり前のように後悔なくこの世界を去っていただろう。

現実に対する不安はあろうとも、この世界で思い出はない私には容易なことだ。


ただ、この世界に居続けたい。

想太さんと一緒に過ごしたい。

まだ、たくさんのことを教わりたい。


この思いが私を縛っていた。

それ程まで、想太さんに執着していた。

想太さんのシルエットも一つ一つの言葉も。

全てを脳裏に焼き付ける。

この思い出を消したくはなかった。

十年後、二十年後。

年齢を重ねるとともに、この思い出が消えていく自分が怖かった。


想太さんとの別れに苦しむ私ではあったが、出会わなければよかったとは思わなかった。


想太さんに出会うことで変われた。

新しい未来を想像できた。


その事実に変わりはなかった。

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