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夜空
暗闇に一つ二つと輝く星たち。
幾度となく姿を消しては、その度に突然現れる。
その方法でわずかながら、夜空の灯となる。
星は、賢いやり方で自分の存在を証明する。
星の思惑通り、その姿に人々は心を打たれ、瞳を濡らす。
そして、人々の嫌なこともまた星が共に消していく。
私はそんな星でいられるだろうか。
人々が憧れる星に。
暗闇のままでひっそりと存在し続けるのだろうか。
暗闇に零れる涙。
私の涙に合わせるかのように光り輝く星。
どうしてだろう、好きでもない夜空を眺めるだけでこんなにも感情的になってしまうのは。