片思い
楽しいけど、苦しい 一度で2つ
一石二鳥
ある日、町の中♪
快くんに 出会った♪
花咲く 町の道
快くんに 出会った♪
変な歌を口ずさみながら本を読んでいる唯である。
それを見た舞は、泥棒顔負けの忍び足で後ろから唯に近づいた。
そして、空かさず、唯が見ていた本を奪い取ったのである。
唯 「あ、 返して」
舞 「何々、年下の男性を射止める方法」
我慢できない唯は、心の中で この落書きヤローと叫んだのである。
そうやって舞に嫌なことされたら
日ごろから、心の中で、ののしって、すっきりする 唯である。
そうやって、精神のバランスを整えているのである。
らくがきネタは一生つかえるかも
口にだしたら、関係が悪化する言葉でも
心の中で叫べば大丈夫である
この落書き小僧、もう一度、心の中で叫んだ 唯である。
舞 「えーっと、顔や体の魅力ではなく、二人だけの思い出や 恩を売ることをして 年下男性をひきつける」
唯 「もう、早く 返して!」
舞 「その人にしか頼るものがない 弱い部分を見せて その人に 捨て犬を見捨てられないような感情を植えつける」
舞 「なるほどね!」
唯 「早く返して! 本当に 怒るよ」
舞 「ごめん、ごめん、ハイ」
唯 「ま、こんなもの実際に恋愛経験のない女性が書いた可能性あるし あてにならないけど」
と強がりを言う唯だった。
でも本心は、弱いシマウマに狙いを定めた らいおんのように 真剣だった。
ピンボーン
誰か来たようである。
唯 「あ、私が出るから」
ガチャ
唯 「おはよう」
快 「おはようございます」
唯 「入って、汚いけど」
快 「おじゃまします」
唯 「舞、仕事の手伝いをしてくれる快くんです。」
舞 「はじめまして」
快 「はじめまして」
舞 「唯のルームメイトの 舞です。よろしく」
快 「よろしくお願いします。」
唯 「ここが、住まい兼事務所の 私たちのアジトね」
快 「はい、わかりました」
唯 「それじゃ、でかけよっか」
快 「はい」
唯 「舞、出かけてくるね」
舞 「いってらっしゃい」
今日は、青空だ。
本によると、普通と違った 思い出づくりで ハートをゲットだそうだ。
唯 「今日の予定は、ティッシュ配り」
快 「はい」
唯 「そんな緊張しなくていいから、簡単な仕事だから」
唯 「頼まれた ティッシュを配るだけだから」
快 「はい、わかりました。」
はじめは 恥ずかしがって 声が出ていなかった快だけど。
最後のほうは、吹っ切れたのか、大きな声を出している快だった。
全部、配り終わって、報酬をもらった二人は、自動販売機でジュースを買って
飲むところである。
本によると、普通の女性と違ったことして、特別な思い出ゲットである。
唯は、ジュースをあけると
一気に飲んで、アピールしようとした。
だけど、普段やったことない唯は、喉につまらせてしまった。
唯 「ゲホゲホ」
快 「大丈夫ですか?」
唯 「大丈夫、ゲホ、苦しい、ゲホ」
快 「よだれ垂れていますよ。これ使ってください」
気の利く男性である。手品のようにティシュをポケットからだして、唯に差し出した。
唯 「ありがとう。ゲホ」
快 「ゆっくり飲んだほうがいいですよ」
唯 「こんどから そうする ゲホ」
いい思い出をつくろうとして、恥ずかしい思い出をつくってしまった唯である。
唯 「はい、これは、今日の報酬ね」
快 「洋服の弁償代にしてください」
唯 「そうだったね」
洋服の弁償代は、本当はいらないのに 今更 嘘とも言えず困った唯である。
3万円 貯まったら、まとめて快に渡そうと 決めた唯である。
本当に 快といるだけで 幸せな一日である。
快 「今日は、これで終わりですか?」
唯 「そうだけど。」
快 「それじゃ、僕は これで失礼します。」
唯 「わかった」
快 「また仕事のときに 連絡ください」
唯 「うん。」
快 「失礼します」
唯 「またね。」
急に 帰ってしまう。快である。
本当に 仕事のためだけに やってきたのだとわかって 寂しくなる唯だった。
やっぱり
あの本に書いていることは 当てにならないかもと疑心暗鬼になる唯だった。
仕事のためだけでもいい、快との思い出がつくれたら それで・・・。
恋に恋しているのかも
でも片思いでも 切なくても この思いを大切にしたいと思う唯だった。
恋の世界にはまって ぬけだせなくなる唯だった