舎弟
ラッキーな一日
舞 「私は 悪くない・・・」
悪夢でうなされていた舞だった。
仕返しをしても
すっきりするどころか 嫌な思いをして
あげく ばれて すごい恥ずかしい思いをしてしまった、舞である。
今は、ばれてよかったとおもっている。
実は、らくがきしたあと、こっそりばれずに らきがきを消したいと思っていた
舞である。
悪いことはするものではないと
身を持って学んだ 舞だった。
唯 「おはよう」
舞 「おはよう」
相変わらず、唯は 今日も元気である。
しかも
今日も仕事がないのか
呑気に 映画を見ている。
英語で さらばビッチと聞こえるのは
クソッタレという意味らしい。
唯 「ちょっと、暇だから、散歩に行ってくる」
実は、唯は、舞が心配で、映画を見るフリして
起きてくるのを待っていたのである。
うなされていたけど、どうやら大丈夫のようだ。
安心して とても晴れた道を 気持ちよく散歩をしていると、
ブサ猫とすれ違った。
ネコは、不細工のほうがかわいい気がする。
神様も もしかしたら、不細工な人間のほうがかわいいのかも・・・。
そんなことを思いながら 歩いていると
人にぶつかって 転んでしまった 唯である。
男性 「ごめんなさい」
唯 「じょ、じょ、じょ」
唯 「いえ、あ、ハイ 大丈夫たい」
不意をつかれると、方言でごまかそうとする癖があるようである。
男は、その頼れるものが他にない かわいさに
心を惹かれて 普段やらないような行動を取ってしまった。
ポケットから ハンカチをだして
男 「これ、使ってください」
唯 「え、あ、ありがとうございます」
男は、まだ若くて 未成年で、かっこいい しかも性格もいい好青年である。
一目ぼれした 唯は 天啓降臨 突如、一瞬にして
ひらめいたのである。
唯 「洋服が汚れてしまったけど、どうしてくれるの?」
男 「ごめんなさい」
唯 「弁償してくれる?」
男 「ハイ」
思わず、ハイと言ってしまった 好青年である。
すると、唯は、男の手を引っ張って
食堂に 連れて行ったのである。
唯 「何にする?」
男 「オムライスにします」
お金がないのでなるべく 安いものを頼んだ 男である。
唯 「親子丼と、オムライス お願いします」
男は、親子丼の意味を知っているのだろうか?
とおもった。
親が鳥で、卵が子供だから、親子丼なのである。
料理がおいしければ、名前なんて どうでもいいのだけれども・・・。
食事が運ばれてきてすぐに がつがつ食べ始めた唯である。
男性は、そんな彼女も かわいいと思ってしまったのである。
これも はじめに見たものを親と思ってしまう鳥の赤ちゃんみたいに
めずらしい女性を見て
かわいいとはじめに 思い込んでしまった 刷り込みなのかもしれない
唯 「どうしたの? たべないの?」
男 「え、あ、食べます」
唯に見とれていたのを 恥ずかしそうに 顔を赤くする 好青年だった。
唯 「まだ自己紹介していなかったね。 私は、唯といいます」
男 「私は、快といいます」
唯 「それじゃ、おごりね?」
快 「あ、ハイ」
これで、洋服の弁償ができたと安心した 快だったけど。
唯 「残り、2万9千400円は、働いて返してね?」
快 「え?」
唯 「この洋服、3万円したんだ」
快 「えー、はい」
思わず、OKの返事をしてしまった。快である。
唯 「別に お金を取ろうというわけじゃないから、安心して」
唯 「私、便利屋をやっているから。ときどき、私の仕事の手伝いをしてくれる」
快 「はい。わかりました」
携帯番号を交換して
わかれた二人だった。
ただ飯に 舎弟までできた ラッキーな一日である。
たまには、散歩でもしてみるものだと
唯は、思った。
テレビである人が 愛に勇気をプラスすると 幸せをつかめると言っていたが
本当だと 唯はおもった。
いろいろやってもうまくいかない時もあれば
何をやってもうまくいく時もある