幸せのありか
幸せは見つけようとしてもみつからないのに
「ユービッチ、アイ アム ア ゲイ、アイ アム ア ゲイ」
唯は、夢をみたのだった。
この前つかまえた、 犯人が、夢の中で、
自分は、ゲイだと訴えている 夢だ。
今回で、2回目である
もしかしたら、何かの 暗示なのかもと 唯は思った。
今の世の中、
同姓同士のカップルは、めずらしいことではない。
特に
男性同士のカップルは、
去勢法施行前より、増えたらしい。
人口比率では、男性のほうが多いので
すべての女性が結婚しても 余る男性が出てくる。
男性同士のカップルができると
余る男子が減るので、いいことかもしれない
これも去勢法の利点のひとつかもしれないと
唯は、おもった。
舞は、もうバイトに出かけたらしい
もうお昼過ぎである。
懸賞金も入って、貯金もあるので
お昼まで、寝ていても余裕である。
まだ次の獲物は、決めていない。
遅い昼飯を食べたあと、
インターネットで、懸賞金がかけられた犯人を調べて
バウンティハンターが集まる 掲示板で、情報交換したり、情報収集したりする
唯だった。
今日も 天気のいい 暖かい午後だ。
眠気が襲ってきた唯は 携帯の音にびっくりした。
知り合いの探偵からである。
あだなは、ゴン。
唯 「はい」
ゴン 「おれだ。唯、頼みがあるんだが」
唯 「何? ゴン」
ゴン 「人探しを依頼したいんだが」
唯 「OK、メールで、資料を送って、報酬はいくら?」
ゴン 「 行方不明になった人を見つけてくれたら、200万円だすそうだ
手数料は 一割で、成功報酬は、190万円ってとこだな 」
唯「わかった。 それじゃメールをみて
気が向いたら、探してみるから」
ゴン 「頼んだぞ、ほかにも 何人かに依頼したから
早い者勝ちだからな。 それじゃ」
唯は、バウンティハンターだが、
人探しも 何でもやるのである。
バウンティーハンターの仕事だけでは
食っていけないので、
何でもやる いわゆる 何でも屋的なことも 依頼を受けたら
やるのである。
唯 「えっと、メールは、っと。」
件名に ゴンと書いてある
いつもメールを送ってくるときは、ゴンと 件名に書かれている。
いつも
同じ件名なので、メールの整理が大変である。
日付で 見分けるしかない。
なになに
行方不明者 西暦1956年(昭和31年)5月5日生まれの 94歳
田中 茂
身長168センチ 体重55キロ
3日前に
入院していた病院から、抜け出して、いなくなった後、
家族が、 警察に行方不明の届けをだして、
事故の可能性も含めて、病院や家の近くを 警察や近所の人や親戚で、捜索したが見つからず。
でも
前日 銀行口座から、預金が500万円も引き出されていて
本人らしき人物が、映っていたとのこと。
それで、事件性はないとみて、警察は 捜索をうちきり
家族が、探偵事務所に 本人探しを依頼。
写真には、白髪のしわしわの笑顔の おじいさんが写っている。
唯は、これはチャンスかもとおもった。
本人が生きていて、カードを使っているなら、仲間のハッカーに調べてもらったら
何かがわかるかもしれない。
さっそく、ハッカー ナミに電話をかけてみる。
唯 「もしもしナミ?」
ナミ 「ウェイ そおだお」
唯 「調べてほしいことがあるんだけど。」
ナミ 「いいお」
唯 「銀行のカードやキャッシュカードがどこで使われたのか調べてほしいの」
唯 「名前とか、住所は、メールで送るから」
ナミ 「わかったお。いつものように カード会社に 進入して ちょちょっと 調べてみるお」
唯 「ありがとう。 えーっと、お礼はするから」
ナミ 「いつもの チーズケーキでいいお」
唯 「わかった、今度 遊びに行ったときに たくさん持っていくから」
ナミ 「あいあいさ、1時間もあれば調べられるから、携帯にメールしとくにゃ」
唯 「うん、それじゃ」
プープープー。
すぐに通話をきるのが、ナミの悪い癖である。
まずは、メールを待つとするか・・・。
・・・・
・・・・
・・・・
ユーゲットメール ユーゲットメール。
どうやら、もう調べたらしい、まだ30分も経っていないのに
仕事が早いこと、さすがハッカーナミ。
えっと何々。
3日前の15:23に 走り屋タクシーを利用
3日前から、毎日、高級ホテル レジェンドのレストランで、食事
夜には、毎晩のように キャバクラで カードを利用
・・・・・
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以上
今回は、
棚から牡丹餅かも・・・ ほくそ笑む 唯だった。
早速、ホテルに電話、
でも残念ながら、そのホテルは、チェックアウトしたらしい。
タクシーを利用したカードの記録もないとなると
現金で、交通機関を利用したか、レンタカーを借りたかもしれない
さすがに
そう簡単には、みつからないか・・・
スケベ爺だから、またキャバクラに行くかもと思い
夜、
ホテル レジェンドから近い、キャバクラや酒場あたりで、
張り込みしたけど
それらしい 人物は見つけられず
手がかり0である。
困った、
ナミによると、ここ数日、カードの利用は、無いらしい。
仕方ない 地道に調べるしかない
爺のカードの記録にあった、キャバクラ 「朝帰り」へ行って、
キャバ嬢に 話を聞いてみるか・・・。
キャバクラへ行って
安いビールを頼み
キャバ嬢に 聞いてみる
それにしても ビールいっぱいで、2000円とは、
ぼったくりもいいところである
キャバ嬢 「その人なら知っているよ」
唯 「どこに行ったか、知らない?」
キャバ嬢 「美人にあきたから 今度は、ゲーバーへ行くといっていた気がする」
唯 「ありがとう」
こんなところとは、早くおさらばである。
ゲーバー
たぶん、このカードの記録がそうだろう
バー 穴兄弟
早速 いってみるか
ママ 「いらっしゃい」
唯は、茂の写真を見せる
ママ 「その紳士なら 知っているわ」
唯 「どこに行ったか 知らない?」
ママ 「知っているわよ、でも教えない」
・・・・
ママ 「冗談よ、なんか、妻と新婚旅行へいった 北海道へ 行くと言っていたわ たしか」
唯 「ありがとう」
すぐさま 店をでる。
美人は、3日で、あきたらしいけど
ゲイは、一瞬であきたらしい
それにしても 北海道とは、本当に きまぐれ爺には、
苦労させられる
早速 家族に 茂さんが新婚旅行で行った場所で、
行きそうな場所を聞いてみると
函館山山頂の展望台が いちばん怪しいらしい
旅費も馬鹿にならないけど
190万円は、目の前だ 急な出費だが、必要経費だ
飛行機にのって、函館まで・・・
ようやっと 函館山山頂の展望台について
レストランの店員に聞いてみる
唯 「この人、知らない?」
店員 「 その人なら、昨日、ここで、一人で食事していました」
唯 「行き先 知らない?」
店員 「さあ、なんか、寂しそうだったので、覚えているけど、行き先までは・・・」
唯 「ありがとう」
手がかりが無くなった・・・・
今日は、ここで、食事をして、
函館に泊まって、
明日、探すとするか、カードが使われたら、ナミから、連絡あるとおもうし
唯 「きれいな 夜景」
これだけでも 来たかいがあったと 唯は おもった。
そして
安いビジネスホテルを探して
泊まった唯は、
翌日、寝坊して 携帯の着信で、起こされた
唯 「ふぁい、もしもし」
ゴン 「田中茂さんは、病院へ戻っているらしい」
唯 「え! うそ」
ゴン 「一応、連絡だけしておこうとおもって、また何かあったら、たのむわ」
唯 「また今度 よろしく」
ゴン 「それじゃ」
プープープー
まったく、これじゃ、棚から牡丹餅どころか、
骨折り損のくたびれ損じゃないか
と
唯は思った。
これじゃ、気がおさまらない唯は、
散々 みんなに迷惑かけた爺に 文句を言おうと
病院へ、見舞いへ行ったのだった。
病院の個室に 入院とは、さすが金持ちである
コンコン
どうぞ。
唯 「はじめまして 探偵の唯です」
茂 「こちらこそ、どうも わしを探してくれていたそうで、ありがとう」
唯 「いえいえ 大変で 大損しましたけど」
キャバクラやゲーバー、展望台の話を
小一時間ほど、聞かされたけど。
余命 一ヶ月という話をきいて
きっと
好きなことしようと、病院から脱走したんだろうと同情した唯だった。
なぜ戻ってきたのかというと
お世話になった人に 感謝の言葉を伝えて
家族に会うために 戻ってきたそうだ
お世話になった 看護士にも お礼を言ったそうだ。
それから、数日して
彼は、亡くなったらしい。
結局、報酬は、もらえなかったけど。
でも いいものを 教えてもらった気がする。
人は、サンタクロースを失い 初恋の人を失い ファーストキスを失い プライドを失い
大事なものを どんどん 無くして、
最後には、
自分の命まで 失うけど
唯は、大事なものを失った人は、世界を壊そうとする気持ちが強くなると
思っていた
だけど、、
最後に 自分まで 失うときは、
世界に感謝して、お礼をいって、世の中をよくしようと 一生懸命になる
自分を捨てたとき
誰かのために生きるという幸せをみつけるのかもしれない
まだ
自分が大事な唯には、わからないことだけど
いつか、 わかる日がくるのかもしれない
ピータパンになりたい今日この頃