心も体も去勢された犯人
去勢されたみらい
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30年後の未来、
ようやく 日本でも 去勢が行われるようになった。
日本以外の国々では、
すでに去勢が行われていたが
日本では、人口減少が問題になっていて
なかなか 導入されていなかった。
でも
精子保存で、人口をコントロールできたり、
性犯罪が少なくなったり、
性的なことへ使う時間の減少など
去勢が導入された国々で、その有効性が確かめられたことから
日本でも
世界に遅れて 2043年に
去勢法が導入された。
すべての男子は、18歳になると
精子を保存して、去勢される。
つまり、金玉を手術によって、切り取るのだ。
それによって
わかハゲがいなくなったり、
毛深い人がいなくなったり、思わぬ 副産物もあった。
これで ようやく
日本も オリンピックで、一般男子(去勢された)の部への出場ができるようになった
今までは、
国際大会で、日本男子は、18歳以下の部へしか 出場がゆるされていなかった。
それよりも何より
保育士や看護士の分野への 男性の進出や
警察や軍隊などへの 女性の進出が増えて
18歳以上の
男女の垣根がなくなったのが、大きな社会の変化といえよう。
でもいいことばかりではない。
18歳以下でしか、セックスで妊娠できないので、
早婚が増えたのと
18歳以下の若い男性を お金で買う、援助交際が増えて、
社会問題化したりした。
この世で
もっとも力があって、凶悪なのが、
18歳以下の去勢されていない、
精神的に未熟な男子というのも 問題になった
それで、
少年法を改正して、
13歳以上、18歳未満の罰則が強化された。
競争より、
融和をもとめる社会に変わり
ニートが減ったことは、いいことだろう。
そんな18歳以上の男子が、体だけでなく
心も去勢されたある未来の世の中で
事件は 起きた。
小学1年の男児が、何者かに 後ろから襲われ、
なきながら 帰ってきたのを お母さんがみつけて、話を聞いたところ
いきなり、後ろから、またの間に手をいれられて、
金玉をつかまれたそうだ。
顔は見ていないないという。
稀に見る子供を狙った性犯罪なので、
懸賞金300万円がかけられた。
そのニュースをみて、
バウンティハンター唯は、この犯人を捕まえようと決めたのだった。
唯は、
早速、事件が起こった埼玉県羽生市周辺へ 聞き込みにでかけた。
今は、
バウンティハンターといえば、社会的に認められた
職業である。
資格もあって 犯人逮捕の権限ももっているが
何でも
許されるわけではない、人権侵害や不法行為は、もちろんできないので
地道に
調べるしかない。
その日は、朝から雨が降っていたけど、
昼ごろから 雨は上がり、柔らかな日差しが降り注ぎ、気持ちのいい午後になった。
その天気と
犯人を許せないという気持ちが融合して、唯を 突き動かすのであった。
さっそく唯は
事件現場にでかけ、近くで、通りを歩く 主婦や 学校帰りの小学生に聞き込みをはじめた。
すると、小学生高学年くらい3人の男児が歩いてくるので
話しかけた。
唯 「この辺で、見知らぬ人や 変な人を みたことない?」
小学生A 「見たことある。 おばさん」と唯を指した。
唯 「お姉さんでしょ。 お姉さん以外にみたことない?」
と やさしいお姉さんを演じて 引きつった笑顔を浮かべながら 唯は聞いた。
自分では、引きつって ゆがんだ顔になって、嫌われたかとおもったけど。
小学生には、その顔が、好印象だったらしく
いろいろ 教えてくれた。
このあたりでは、その事件以前から、
変態がでるという噂があったらしい。
被害者の男児を襲った犯人と同じように
後ろから 金玉を捕まえる
変態がでるので、一人で、帰らないほうがいいと
小中学生の間では、噂になっていて、
実際、何人も被害者がいるという話だった。
聞き込みを続けると
同じような噂を何度も耳にした。
どうやら、はじめは、中学生や小学高学年の男児を対象に
変態行為が行われていたらしい
それが、今回、小学1年生が 被害にあって、
母親に 告げ口したことから、
警察に連絡がいって、事件が発覚したらしい。
だんだん、抵抗できない 年齢の低い 男児を狙う傾向を知って
唯は、
早く犯人を捕まえないといけないと思った。
いつの間にか、夕日に染まった 空を見上げながら、焦燥感がこみ上げてくる
思いがしたのだった。
舞 「おかえり」
唯 「ただいま」
ルームシェアで、一緒に暮らしている友達の舞である。
家賃も食費も節約になるし
唯が稼ぎがないときにも頼りになるので 大助かりである。
舞 「どうだった」
唯 「情報は手に入ったんだけど・・・」
舞 「犯人は、どういう人?」
唯 「わからないけど、
でも 変態がでるという噂が小中学生の間では、以前からあって、
何人も 変態に 金玉を にぎられたという被害者がいるらしい」
舞 「へー、私もやってみよかな」
唯 「冗談でしょ。」
舞 「もちろん、冗談、冗談」
笑っているけど、顔は、すけべそうな顔をしている舞だった。
気に入った男の前でも見せる そのいやらしい笑顔は、
舞自身も女の私からみても 嫌らしい 嫌悪感を抱く 顔なのに
なぜか
男性からは 好かれるようであった。
とは言っても そんな顔を好む男性は、スケベで、
舞のことを スケベな目でしかみていないんだろうけど・・・。
今日の夕飯もコンビニ弁当である
舞がコンビニで働いていて、余って廃棄される弁当をこっそりもちかえってくれるので
食費がういて、大助かりである。
それから、毎日のように 事件現場 周辺で
聞き込みを続けたが
似たような噂は手に入るものも 犯人に結びつくような 新たな情報は
手に入らなかった。
事件から、ちょうど一週間、
今日もいつものように 朝、テレビのチャンネルを変えながら、
報道番組で、情報収集をしたあと
ゆっくり 出かける支度をして、朝晩を食べた後、
聞き込みにでかける 唯だった。
今日は、とても晴れて 青空がまぶしいかった。
少し前の唯なら、
そんなきれいな景色をみても 何も 感じず
ただ
日々の生活の不安や、暑い寒いといった、生命維持にかかわることだけが
気にかかって 不安ばかり 感じていたのに
今は、
舞と一緒に暮らすようになって
安心した生活ができるようになったおかげで、余裕がでてきたのか
そういう きれいな景色をみると
ときどき、
小さいころの 感覚や においと ともに
安心した暖かい、わくわくした、気持ちが こみ上げてくるのだった。
今日は、いい天気だ、がんばろうと、開放感にあふれた
気持ちで 事件現場へ、向かったのだった。
だが
気持ちとはうらはらに
犯人らしい人物はみつけられなかった。
犯人は、新聞やテレビで取り上げられて
懸賞金まで かけられたせいなのか、
行動を起こすのを やめたのかもしれない。
これ以上、聞き込みを続けても
埒が明かない と 唯は、内心、あきらめかけていた。
そこへ、サイレンを鳴らして
パトカーがやってきた。
事件でも起きたのだろうか?と思ったら
警察官が、
唯に職質してきた。
どうやら、怪しい女性がいると 通報があったらしい。
この辺で
毎日、うろうろしているので、犯人と間違われたらしい。
でも
バウンティハンター資格証明書を見せて、
身分を明かすと
疑いが晴れた。
逆に 警察から、情報を仕入れることもできた。
どうやら、プロファイリングで、
犯人は、半径30キロ以内に住んでいる 若い女性ではないか?
と推測しているそうだ。
噂で、
金玉を強く握らずに 優しく掴むだけという被害者の証言を聞いていた
唯は、
そのプロファイリングのような推測は、以前からしていたのだった。
世間話をしたあと
警察官は去っていった。
犯人のせいで、
人によって、金玉の大きさや 感触が違うのだろうか?
と
想像してしまう 唯だった。
自分が知らないことを知っている 犯人への嫉妬なのか
性的欲望を
抵抗できない 子供へ向けている 犯人への憎悪なのか
唯は、
なんともいえない焦燥感がこみ上げてくるのだった。
それで、
唯は、バンティハンター仲間の春香と、
おとり捜査をすることを決めた。
唯がおとりになって、
犯人をおびきよせようというのである。
春香は、170センチの長身、おとりに不向きなので
サポートに回った。
唯も、身長163センチと 中学男子くらいの身長があるので
小学生を狙いはじめた
犯人が、罠にひっかかる可能性は 低いかもしれない。
でも
さすがに 小学生におとりになってもらうわけにもいかないので
唯がおとりになることにした。
唯は、髪を角刈りにして
中学校の制服をきて、
念のため、スタンガン棒も携帯した。
小学校から、
通学路を通って、
だんだん人気のない住宅街のほうへ歩いていった。
離れた場所から、
春香が、望遠ゴーグルで、監視していた。
どうやら、この辺の小学校では
集団で登下校しているらしい。
無理もない
まだ犯人は、捕まっていないのだから。
犯人は、もうこの辺には
現れないかもと 思った瞬間。
後ろから、またの間に手を入れられて 驚いた
唯は、
とっさに足を閉めて、腕が抜けないようにしたあと
手首を掴んで
ひねって、地面にねじ伏せた。
柔道や護身術を体得している唯は、
いとも簡単に犯人を捕まえてしまったのである。
すると
犯人は、まだ二十歳そこらの若い男性だった。
犯人を女性だと想像していた唯は、
驚いた反面、
犯人に対しての 憎悪は、消えていた。
女性ではなく
男性だったことから、許せないという気持ちより
同情の気持ちがこみ上げてきた。
そこへ
春香がかけつけてきて、手錠をかけて、
警察へ連絡して、犯人を引き渡した。
懸賞金は、後日、口座に振り込まれる。
捕まえたのは、唯だけど、二人で山分けである。
後日、情報によると
どうやら犯人は、
19歳で、去勢されて 間もなかったらしい。
玉が恋しかったのか、
それとも 玉がある男性が、にくかったのか
去勢されたことへの 恨みなのかは
わからないけど、
体だけでなく
心まで 社会に去勢されて
その ストレスを 弱いものへ 向けざる終えなかった 犯人が
なんだか、かわいそうな気がしたのであった。
でも300万円の懸賞金、一人150万円、
新しいジーンズでも買おうかと 期待に胸を膨らませる 唯だった。
事件なんて
おきなければいいけど、
犯人がいないと 成り立たない商売でもある。
3次元世界で
みなが 自分の思うままに 人生を描いて
未来をつくっていく
私は、
限られた時間の中で 世界に いい影響を与えるように
自分という 筆を 動かすのであった。
デス経済 という小説も読んでもらえると嬉しいです。
小説ではなく
現実で 酷いプライバシー侵害されています。
詳しくは、 この小説の
追伸2;近況
に 書いています。
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