日記
僕はゆっくりと彼女の日記を開いた
一ページ目
クラスが同じだけの男が話しかけてくる
それを男が嫌いだった私は彼に言った一言は最低なものだった
男嫌いな私がいつも言うセリフ
普通の男ならショックを受けるか怒るかのどちらかだ
だが彼はどちらでもなかった
凄く落ち着いた表情を浮かべながら手を出してきた
はい、これ
と彼が渡してきたのは私が落として探していた母の形見の指輪だった
彼は落ちていた場所と見つけた経緯を話して私の手のひらに指輪を乗せると、すぐさま去って行ってしまった
私はお礼を言うことすら出来ずに、ただその場で呆然としていた
私は彼の事が気になってしまっていた
でも・・・どうせまた・・・
この煮え切らない想いを抱えたまま帰宅する
一日中考え、悩んで、悩んでせめてお礼だけは明日にでも伝えよう
そう思った
二ページ目
昨日の目標通りに彼に謝ることが出来た
かなり勇気が必要だったけど何とかなってよかった
彼は私に優しく接してくれた
だからこそ
怖い
また、「同じことをされるんじゃないかって...」
思い出しただけで・・・
三ページ目
彼は挨拶してくれた
彼は優しく話しかけてくれた
彼は・・・けっして私を避けなかった
彼はこんな私を「好きだと言ってくれた」
私は彼と付き合うことにした
四ページ目はなかった
パラパラとページをめくると
最後のページに
私は正道君が
好き
好き好き
好き好き好き
好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きき好き好き好き好き好き好き好き好好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きき好き好き好き好き好き好き好き好好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きき好き好き好き好き好き好き
うわっ
僕は慌てて日記を落とし、体が倒れてしまい、尻もちをついた
なんだこれ
ノートにはビッシリと書かれた好きの文字
あぁ・・・あれだヤンデレってやつか・・・
つまり俺の彼女はヤンデレだったのか?
で、今いるこの部屋も・・・彼女の部屋?
まさか・・・・
僕は急に怖くなった
彼女は近くにはいないようだがクローゼットやドアで見えない所は恐怖を感じる
胸からは吐き気、頭は頭痛、息も荒くなる
やばいやばいやばい
怖くて怖くて仕方ない
逃げ出したい
逃げなきゃ
ここにいても何をされるかわからない
ばれないように逃げよう