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宇宙大統領

地球から2300億光年ほど離れたところにある惑星の建物内部で宇宙の長を決める討論会が行われていた。


前宇宙大統領が亡くなったためである。建物内部には円形の支柱がないテーブルと同じく支柱のない椅子


が周りに7つ並んでおり、そのうち6つには遠い星々から集結した大小、姿形が様々な星人たちが着席して


いて、重たくピリピリとした空気が部屋の中をを包みこんでいた。部屋の中は薄暗くテーブルの中心に


小さな発光体が設置してあるだけだった。討論会開始時刻に達すると発光体のうえに討論会の司会を


務めるナビゲーションシステムコンピュータがホログラムとして現れ、討論会開始の合図を知らせる。


「皆様、このたびは遠い星々からお集まりいただきありがとうございます。わたしは第87億代目、宇宙


大統領決定討論会の司会進行役を務めさせていただくサドです。よろしくお願いします。」


発せられる音声は建物に浮遊する微粒子サイズの翻訳機によって様々な言語に訳され、星人達の聴覚


届くため討論会に支障はない。サドが討論会開始を告げると赤く鬼と牛をまぜたような顔のアクス星人


が大声をあげる。


「この宇宙大統領を決める大事な会になぜ第2宇宙代表のものが来ていないのだ。許せん!そもそも」


「うるさいのぉ、静かに討論ができんのか。第1宇宙代表は」


第5宇宙代表の人型で体がゼラチン質のゼロン星人がアクス星人の声を遮るように言葉を話した。


「なんだとゼロン星のものよ!最近地球を手に入れたからといって調子に乗っておるのではないのかぁ」


2体はその時、強烈な殺気を感じ同時に横を向く。殺気を放っていたのは前宇宙大統領の子孫である


黒い甲殻におおわれたジャフル星人が2体を4つの緋色の瞳で見つめていた。場の空気が凍り付く。


ジャフル星人は惑星を盗めるほど強大なエネルギーを持ち、100億を超える星々を治めている。この中


で最も宇宙大統領に近い存在だったからである。


「今いない者のことを言ってもしょうがないだろう。」


その一言によって討論会は順調に静かに始まった。内容は主に宇宙大統領の決定法であった。


「選挙というのはどうでしょう?」


第4宇宙代表の惑星ミホルブの金属生命体が提案する。


「選挙では明らかに多くの星々をおさめる者が選ばれてしまうではないか。もっとまともな意見を」


第6宇宙代表の植物型生命体。ドゥワレス星人が答える。


「選挙でいいだろう。すばらしい意見だ。」


ジャフル星人の一言によって宇宙大統領の決定法は選挙によって行うことになった。討論会終了すると


すぐにその情報は各宇宙にある星々に伝わり結果がでたのは10分のことだった。


投票方法はとても簡単で自分がふさわしいと思う代表を思い浮かべるだけでよかった。


宇宙代表達はサドにより投票結果が伝えられた。


「ではこれから選挙結果を発表します。最も多くの票を集めた方が第87億代目宇宙大統領となります


得票数が少ない方から順に発表させていただきます。」


選挙結果が発表される。


「第1宇宙代表アクス星人様   得票数570000001021票」


「第6宇宙代表ドゥワレス星人様 得票数1074573470900票」


「第5宇宙代表ゼロン星人様   得票数7524535877922578票」


「第4宇宙代表ミホルブ星人様  得票数7774543434340075票」


「第3宇宙代表マホロマ星人様  得票数90747360878730791721票」


「第7宇宙代表ジャフル星人様  得票数1327167466376817480637601079

                   3481973461794683975839943676

                   19078431784108831780908483票」


宇宙大統領は圧倒的得票数によりジャフル星人になると誰もが思い込んでいた。しかし、サドの選挙発表


は終わらなかった。


「今回第87億代目宇宙大統領に当選された代表の方は


 第2宇宙代表の細菌様     得票数9984789834807738708905873084

                   8809349438737837014852525768

                   3984379108473870481320989890

                   7707018984387587830843434789

                   7014708457876878478671376579

                   8847876867814088815787134654

                   1875108718378570981840007678

                   9981789017875871801873778698

                   8037830183787458784193191119

                   3780518708510708718008667814

                   2701708171011801370310797978

                   2631871039808178108817886757

                   1787810171830748738787143243

                   5873878391017818570181657566

                   0843877868480786783748364389

                   6786784787687831840303180000

                   7031478693787683868937857925

                   3787680318013158051850818708

                   8067818817808687817870178189

                   9184148786202678070701839825

                   9837868376910918438078460188

                   3946874810608378643919088908

                   3843843198480481743804868176

                   1706781384013848637018391308

                   6873879186489187387868168687

                   8104860148316781308108601760

                   8106841083781081488718068767

                   8938338338878758867108681064

                   0648386017401708670148317483

                   6780148706717490718010173073

                   0928382984895893789784758787

                   3896887867872834788738928748

                   8472883881847837883988110138

                   4888888883487187861948867187

                   8878198847837878371708304884

                   8317843878918174088601681868

                   0100票です。以上で発表を終了します。」


この後、宇宙がどうなってしまったのかは誰も知らない。



がんばって書きました。最後まで読んでいただきありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] すごく面白かったです。 読み終わって思わずニヤけてしまいました。 文章もお上手。 これからも応援してます。
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