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バトルNO・1 悲劇の始まり??

文章が長々になってると思いますが…コレから月9みたいにして行きます。宜しくお願いします!

『ゴメン…お前とは一緒に居られない。実は…』

一年前の出来事が夢の中にリピートされる…。

続きまで夢を見る事なく目が覚めた。

『また…あんな夢見ちゃった。笑える。』

独り言を呟き、枕元にあった携帯を手にとって時間を見るとちょっと早いが起きる事にした。

私こと、椎原楓しいはらかえで29歳。昨年、地元の商社を退社して、今は地元から離れて一人暮らしをしてる。

ちょっと広めの1LDK。白壁の室内に荷物はさほど無い。物を置くのは嫌いだし…実家から引越しする時に持ってこなかった。

テレビを付けてアナウンサーの軽快な会話をBGMに身仕度を整える。

髪は腰近くまであるロングで緩めにパーマをかけ、カラーで軽めのブラウンにしてある。おかげで髪の寝癖も重く見える心配も無い。準備も早々終わらせて、折りたたみ自転車にまたがり颯爽と漕ぎ出した。10月の中旬にもなると風も仄か(ほのか)に秋の匂いがし気持ち良い。自転車を漕ぐ足も軽くなる。会社は大手商社で、家から20分ほどで着く。前に地下鉄を利用したけど…満員電車が馴染めなくて(まぁ…好きな人は居ないだろうけど)自転車に変えた。

始めは遠く感じてた道も今では楽しく近く感じるくらいだ。大好きな洋楽を聞き鼻歌しながら自転車を漕ぐ。私の幸せな時間の一つ。会社の駐輪場に停め、社員証を警備員に見せ会社に入る。

ポンポン…。

肩を軽く叩かれ振り返えった。

『あっ!美菜。おはよう!』

イヤホンを外し挨拶をした。

『もぅ…。』完璧に美菜は呆れ顔。

美菜こと…青池美菜あおいけみなは地元高校の友人で彼女はこっちの大学を卒業し、この会社で食品部門の企画兼営業をしてる。

『楓…。何回呼んでも気付いてくれないんだもん!』そう言って私の腕に絡んできた。

『ゴメンゴメン!こんな時間に美菜が居るとは思わないし。あれっ?今日は一人で出社なの?樋口さんは?』

エレベーターのボタンを押し降りて来るのを待ちながら、からかい気味で聞いた。

美菜には同じ会社に3歳上の彼氏が居る。

来年には結婚するみたい。彼は部署が違って建築関係の営業だ。仕事は出来るし、優しいし、ホリが深めでかっこいい。美菜は純日本美人顔で切れ長の瞳に黒髪のストレートあごくらいのセミショート?普通の人が真似したら、間違いなく座敷わらしだ。美菜はその髪型が似合う。美人は何しても似合うけど…。そんな2人はお似合いのカップルだ。

『毎日、一緒に通勤するわけないでしょ!もぅ…楓はすぐそうやってからかうんだから。』

美菜は髪に手をやりながら怒った振りをする。まぁ…美菜が髪に手をやる時は照れてる時の癖で昔から変わっていない。いつもは仕事女の美菜が女性を垣間見せる癖に私は微笑み一階まで降りて来たエレベーターに乗りながら

『だって美菜が照れるのが楽しいんだもん!』

そういってエレベーターの階を押した。

お互いの階で別れ、私は部署ごとにあるロッカールームで制服に着替え、ちょっと化粧直しをして部署の席に着いた。1フロアに部署が3つ入っていて、私は開発・広報部の事務として派遣され、営業のアシスタントしている。

そもそも…この会社を紹介してくれたのは美菜で地元から逃げたかった私を手助けしてくれた。この会社の派遣部門にすぐ登録をして美菜の口添えで簡単に入社出来た。まぁ…美菜が居なかったら間違え無く私はここに居ない。

『椎原さぁ〜ん!おはようございまぁ〜すぅ!』席に着いてパソコンの電源を入れてる所に語尾を伸ばす声…声の主はこのフロアのアイドル?武本ゆかりちゃん。23歳。大学卒業後この会社にコネで入社したと噂で聞いた。(まぁ〜批判的な女性達から聞いた事だけど。)顔も最近のアイドル並に可愛く、スタイルも抜群。そして、この甘えた口調…そりゃあ批判的になる人も居るわね。

『あらっ!おはようございます。』

私は短めに返す。

『もぅ〜いつも椎原さん敬語使っちゃってぇ〜。いいのに〜。』

ゆかりはかなり短めのスカートの裾を直しながら返した。

『社員の方には敬語と教えを受けてますんで…。』

事実だ。まぁ…一線を引けと言う事だろうけど。

ゆかりは『そぉ〜なんだ。』と言う顔で長めの巻き髪を指にからませた。

『そぉ〜言えば!今日アメリカ支社から人事でこの部署に新人君が来るらしいですよぉ。かなりイケメンでエリート。歳は…27歳でぇ〜。あっ!椎原さんより下ですねぇ。』ゆかりは嫌味を言う子では無い。ただ言葉を素直に言い過ぎてしまう。ちょっとカチンとは来るけど…。

『へぇ〜!そぉ〜なんですか?』

私は一言返してデスクに置かれた書類に目を通した。

『えぇ。知らなかったんですかぁ〜??。』

ゆかりは何か聞きだそうとしてたらしい…。不満そうな顔をしながら何か言おうとして就業ベルに阻まれた。

『じゃあ…仕事しましょうか?』私が呟くとゆかりは不満そうに席に戻っていった。

男性群も喫煙室から席に戻ってパソコンに目をやったりしてる。

『お―い。1課集まってくれ!』

笹木部長が叫んだ。1課は10名くらい。みんな部長の側に近寄る。私もその1人。

近寄って、ゆかりの話てた事が本当だった事を物語る。

『アメリカ支社から本日付で異動してきた…妃河優介ひかわゆうすけ君だ!みんな彼が分からない事は教えてやってくれ。ワシからは以上。妃河君…自己紹介を。』

笹木部長は右側に寄った。

そして彼が…真ん中へ。

うちの課の女性社員はもちろん。

他の2〜3課の女性達も軽く立てられたバリケード越しに覗いてる。目が釘づけだ。確かに…分かる。彼の優雅な?身のこなし、綺麗な顔…女性が釘づけになるくらいの顔だ。可愛いような、かっこいいような…。身長も180近くあるだろう。前に合わせてる手も苦労をしらないような綺麗な手。指も長そうだし…。バリケード越しに溜息が聞こえる。その彼はコホン…と軽く咳ばらいをして

『本日から…こちらの1課の方でお世話になります。妃河優介です。宜しくお願いします。』

軽く頭を下げた…。声も高くも無く低くも無く。耳に心地良い。そりゃあ…ゆかりも探りたくなるわけだ。みんなから一斉に拍手が興った。

『では…席は』

部長は周りを見渡して、私の席の前を指さした。

『椎原君の前の席は空いてるよね?』

急な部長の質問にびっくりした。

『あっ!はい…。』

それしか言えない…。て言うか、女性社員の視線が怖い…。

『じゃあ!その席ね。分からない事は彼女に聞いて。派遣社員さんだけど仕事能力は社員以上だから!ハハハッ』

部長は笑ったが…私は笑えない。平穏な日々が壊れて行く音がした。

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