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音楽の「歌詞」を書く際の「テクニカルな部分」についての考察。

作者: エンゲブラ
掲載日:2026/06/20

「自分が書いた歌詞の曲を自分の好きなミュージシャンが歌う」


誰もが一度が描いたことのある夢。

それが、ほぼ現実となってきている。

そう、音楽生成AIの登場によって。


アーティストの権利を無視するのであれば、楽曲の学習データ量次第で「ほとんど本人」のような歌声で、自作の曲を歌わせることも可能となってきている。筆者は、まだそういった課金オプションは利用していないが、YouTube上では、そういった楽曲もすでに昨年から多く登場。皆が「作詞家兼プロデューサー」になれる時代へと突入した。


……枕が長い。

本題に自然に接続するための道筋を書きながら模索していたが、まだまだ枕が長くなりそうなので、ここでいきなり投げる。本稿は「歌詞の書き方」を述べたいだけなのだから。


筆者もトライアルで音楽生成AIを楽しんでいるのだが、実際に自分が書いた歌詞を「音」に乗せた時、どうにもノリが悪くなり、悪戦苦闘。今回は、そのフィードバックからの学びについてをお伝えする。


「歌詞を書くにもルールがある」


韻を踏む。音にハメる。

何となくはイメージできる話であるが、実際に書いてみると呆然とさせられる。韻はともかくとしても「音にハメる」が、まったく音にハマらない。


自作の歌詞に適当なリズムをAIが生成する。

どうにも字余りになる箇所や、ハミ出る箇所、字足らずな箇所が頻発し、聴いていて、まったくリズムに乗れない。


「AIの進化も、まだまだだな」

愚か者が、すぐに口にする言葉であるが、筆者も最初はそうであった。だが、それでも試行錯誤を繰り返すうちに、ようやく「愚か者は俺の方やんけ」と気付かされることとなる。―― 筆者は「歌詞を書くためのルール」を何も知らなかったのである。


歌詞もAIに書かせる。ただの文字の羅列。

おかしな「てにをは」に、文学性の欠片もないユニット。

しかし、音に乗せるとちゃんと乗る。

これはAIが、歌詞を書く際のルールをちゃんと把握している証拠である。


そして、ようやく気が付いた。

「あっ、ひょっとして四行詩の形式で書けば、ちゃんとはまるんじゃね?と。


詩は「うた」とも読まれる「音読」することが前提の文である。音にするのだから、ヒップホップと同様に韻律を意識した言葉が配置され、メロディーに乗る。当たり前のことであるが、詩はやはり「歌」であった。


試しに、いろんなミュージシャンの歌詞をチェック。

近年のラップに近いBPMの高い曲は無視し、クラシカルなものから。―― するとやはり、この「ルール」が適用されていた。


各行の文字数をある程度揃え、歌詞にする。

そしてAIにかけて歌わせる。

なるほど、キッチリとハマるじゃないか。


調子に乗って、全部四行詩で書いてみる。

滑らかに最後まで展開するが、何の起伏もなく、平坦になった。


そういえば、ダンテやシェイクスピアも書いた「十四行詩ソネット」は、たしか四行詩を三回繰り返し、最後に二行で〆るのがルールだったのを思い出す。なるほど、最後の「二行」ひとつのアクセントなのかと思い至る。


このことを言語生成AIに訊ねると「大正解」という答えが返ってきた。しめしめである。


音楽にはいくつかのパートがある。


[Verse] 導入部分、Aメロ

[Pre-Chorus] Bメロ

[Chorus] サビ


という主要パート。

これに[Intro]と[Outro]、[Hook]に[Bridge]、[Break]などを加え、曲を「立体的」にする。しかし、それをすべて「四行詩」でやってしまうと、立体が平面へと変わる。そこで、そのルールを考察し、AIにその正誤を確かめる。返ってきた答えは、やはり「大正解」であった。


Aメロとサビは「四行詩」、Bメロは「二行詩」、そしてフックやブリッジ(=フックと意味は同じか)などでは「三行または五行詩」を使うのが基本。こんなことに基礎的なことに気づくまで、けっこうな時間を喰ったが、体験による学習なので今回はよしとしておく。しなくてもいい苦労ではあったが。


ユーラシア大陸には、ルバイヤートやソネットのような四行詩文化が昔からあるが、日本にも「和歌」というもり、これも「詩」である。和歌は、五・七・五・七・七の5ブロックで書かれるが、歌として詠みあげられる時には、ちゃんと「4ブロック」にハメられている。歌の基本は、やはり4ブロックが正解のようである。


「一行」が長いラップについて補足すると、実のところ、ラップの一行は「二行」が合体したもので、二行で「四行」となるように出来ていると私は睨んでいる。あくまでも、ちゃんと意識的に書かれている歌詞を前提とした場合の話ではあるが。

ちなみに筆者は、楽器経験もなく、音楽の知識はまったくない。なので、「音楽をかじっている連中なら小学生でも知ってること」と言われたら、ぐうの音も出ないので、手加減はよろしく頼む。

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