天井を破った暴風
沖縄の台風は凄まじい。
2015年8月23日 午後9時16分、石垣島で最大瞬間風速71m/sを記録した。
Goniと名付けられた台風15号の話をしよう。
当時、僕は米原にあるアパートに住んでいた。
そのアパートの窓には雨戸が無かったので、台風のときは硝子にガムテープを張って飛散防止対策をしていた。
台風15号の暴風域に入った直後。
ドンッ! ガタガタガタ!
という音と共に、窓硝子が振動し始めた。
イメージ的には、新幹線でトンネルに入った直後の窓の音と振動に近い。
「何これ?! 怖っ!」
石垣島に移住して3ヶ月目の僕は、窓硝子が割れるんじゃないかとビビリまくっていた。
その後すぐ停電して部屋は真っ暗、やることがないので僕は布団を頭から被って身を守りつつ眠った。
翌朝。
台風は去り、青空が広がっていた。
窓硝子や駐車場に置いていた愛車N-BOXの無事にホッとしつつ出勤。
「休憩室、見た? 凄いことになってるよ」
「えっ?」
会社に着くと、最初に会った仕事仲間に言われた。
何があったのかと思いつつ更衣室へ行き、隣の休憩室をそっと覗くと……
天井が、まるで重機で引き裂いたように大破していた。
鉄骨などの建材が垂れ下がっていて、崩れそうになっている。
「驚いた? これね、室内に暴風が入り込んで、天井を突き抜けたんだよ」
あまりの惨状に呆然とする僕に、仕事仲間が言う。
長年沖縄に住む人なら知っている、風の力によるものだった。
最大瞬間風速71m/sといえば、時速255.6km。
時速255.6kmといえば、新幹線くらいの速さ。
そんな勢いの突風が、誰かが扉を開けっぱなしにした入口から飛び込み、天井を突き抜けて去った結果だった。
みんな帰った後の無人の部屋で、怪我人はいなかったのが不幸中の幸い。
後のニュースで、台風15号が生んだ暴風により、音響機材を積んだ4トントラックが横転したり、乗用車がひっくり返されたり、軽自動車が吹き飛ばされて花壇に刺さったりしたと報じられていた。
台風がくるときは、戸締りはしっかりしよう。
特に、遮るものが何も無い扉や窓は要注意。
暴風域を抜けるまで、しっかり閉めてやり過ごそう。




