門限と学園のセキュリティ
母校の学生寮の門限は22時でした。
外出からの帰りが遅れ、門限を破ってしまった寮生には、トイレ掃除という罰が待っています。
ウッカリ門限を過ぎてしまった寮生ワラは、寮監に見つからないようにコッソリ帰ってきました。
「ただいま」
「お……おかえり」
「って、なんで窓から?!」
「ここ2階だけど?!」
ワラは部屋の扉からではなく、窓から部屋に入ってきたんです。
1年生の部屋は2階にあります。
ワラは非常階段で2階まで来たけど、鍵が閉まっていて建物に入れなかったから、ベランダを伝って僕たちの部屋まで来たのでした。
「あ~焦ったぁ。ここの門って警報機ついてんだね」
「マジか……」
「さっき裏門からコッソリ入ろうとしたら、ブザー鳴ってめちゃくちゃ焦った」
座って一息ついたワラは、今回初めて知ったセキュリティについて教えてくれました。
寮があるのは学園敷地内です。
寮内に入るには、学園の正門または裏門を通ることになります。
ワラは閉まっている裏門を乗り越えた途端、不法侵入探知機みたいなモノにひっかかったそうです。
確認に来た寮監が持つ懐中電灯の光を避けつつ、ワラは見つからないように逃げ隠れて、寮監が建物内へ入ったところで非常階段やベランダを通り、窓から帰還に成功したのでした。
後日それを寮生ではない学生に話したら、面白がってわざわざ夜22時過ぎの校門まで確かめに来ていました。
「赤外線ビームセンサーだね。警戒ラインを通るとブザーが鳴る仕組みだよ」
と言う先輩学生クキさん(愛称)は、赤外線を可視化するゴーグルを使って裏門付近を調べてくれました。
そのゴーグルは「お父さんの持ち物」だとか。
まるで怪盗が使いそうな道具だけど、クキさんのお父さんは警察関係者です。
しかし、そんな物をコッソリ持ち出していいんでしょうか。
クキ先輩曰く「バレなければ問題ない」とのことでした。




