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明日の晴れる日、晴れない日  作者: クミン
恋愛に枯れた私が乙女ゲーに転移するまで
1/12

0. プロローグ

追記しました。240830

「僕はあなたほど知的で勇敢な人を知らない。決して守ることなどできないが、それでもあなたとこれからも剣を共にしたい。」


「メイディ…」


乙女ゲーとしては感動極まりない展開に、私はドキドキが止まらない。別の意味で。「今回こそTrue end!今回こそ!絶対に!」と内心叫んでいるのだ。

しかし、毎度のことながら突如現れる死の声が頭に響いた。


(システムエラー (403):キャラの攻略に失敗しました。)


「嘘!このルートも違ったんだ!絶対ハッピーエンドのはずなのに」


私は対してやりこんでもいなかった友達の乙女ゲームの世界に迷い込み、こうしてヒロインを攻略する毎日を送っている。しかし、今回も違ったらしい。私はあまりの虚しさに攻略キャラを前にして叫びだす!


「なんでなんでなんで!他人の乙女ゲーなんて攻略キャラ全部覚えてるわけないじゃん!」


(システムメッセージ:Another End: 馬鹿な主人公)


「うるさい!」


でも逃げ場所はあるはず、と周りを見渡すと、これまで静まり返っていた森には人気(ひとけ)があった。いや、ありすぎるのだ。完全に包囲されている。終わりを予感した私はその場に崩れ落ちる一方、主将らしき人物が書状を広げ、大声を上げた。


「メイディ王子!貴様を国家反逆罪で処刑する!その女もだ!」


私はあまりの理不尽さに声を上げた。

「メイディがそんなことするはずかないのわかってるじゃない!しかもこんな場所で処刑なんてできるはずわないわ!」


すると、奥の茂みから現国王が出てきた。

「余はここにいる。此度の一件、事の重さを鑑みて、余が自ら裁きを下す。皆の者、小奴らを捕らえよ」


私達は呆然としながら囚われ、首を王に差し出す体勢になった。


「何か言い残すことはあるか」と、国王が告げる。


いくらでも言いたいことはあったが、これだけは伝えたい。

「後悔しますよ。必ず。国を真に思う人との区別がつかければ、この国は必ず滅ぶ!」

呼吸もままならぬ中で叫んだが、国王は「フッ」と笑うだけで何も言わない。数ある咎人の妄言程度にしか捉えられていないのだろう。


そして、王は剣を振ろしたのと同時に、()()()()()()()()()。自分の肢体が見える。ああ、何も成せぬまま、また死を迎えてしまった。そろそろ終わりにしたい。今回のが最期の望みだったのに。。。


願わくは 花の下にて 春死なん

そのきさらぎの 望月のころ

(続古今和歌集巻17 雑歌上 1527 西行)


私は首だけになった姿でできる最大限の力で、思いを伝える。声は出せす、誰の耳にも届かなくとも。


散る花の 思い返さる 峰の雲

叶わぬ想いに 春の夢見て





―――――――――――――――――――――――――――――――


私は、ひょんなことから乙女ゲームの世界に飛び込んだアラサー女子。正直、転生ものにはあまり慣れていないし、昔のゲームしかやったことがない。パソコンやPSPが限界だった。そして、今私がいるのは、学生時代に少しだけかじった「森の学園」の冒頭シーン。そして、隣には幼馴染のこうくんがいる。彼は、元の世界ではなく、この世界での幼馴染。乙女ゲーでは、彼は攻略対象外のサポートキャラとして設定されていた。ここで少し「森の学園」の概要を説明しておきたい。森の学園は、前の世界で言うところの大学にあたる機関。さまざまな部が用意されており、それぞれの部には一人ずつ攻略キャラがいる。部とは、前の世界でいう学部のようなもので、私とこうくんが所属する教養部はその中でも異端だ。1、2年次で幅広く好きな科目を学び、その後他の部に編入するという特殊なコースである。もちろん、3年次以降も教養部に在籍することは可能で、それは後期教養部と呼ばれるらしい。明日、私たちはこのカレッジの入学式を迎え、「森の学園」のゲームのストーリーがいよいよ始まろうとしている。

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