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英単語の小テスト・2

第二話です。

ややBLっぽいシーンがあるのでご注意ください。

BLにはならないつもりです。よろしくお願いします。

『ここしばらく私を見る者はいなかったので、少し困惑している』


「いきなり神様とか見えるようになった俺も困惑している。つか何? 俺もうすぐ死ぬとか?」


 勘弁してくれよ、と後頭部を掻く。言いながら少しうきうきしているのは気のせいにしていてほしい。


「で、神様は何の神様?」


『コトを司る土地神だ』


「コト?って、あの楽器の箏?」


『コトノハ、と言えば分かるかの』


「ああ、(こと)ね」


 なぜ土地神様がうちにいるのかと問えば、神様がいるところにうちが建ったらしい。さすがに謝罪した。


『私の自己紹介は終わったぞ。次はお前だ』


「俺?」


 名前は出雲(いずも)真言(まこと)。17歳の男子高校生。血液型はB型のおとめ座。


『マコトか。良い名だな!』


「そぉ? 神様に褒められると、ほんとにそう思えるからいいね」


『ところでマコト』


「?」


『学校とやらはいいのか?』


「あ゛」


 英単語小テスト忘れてた!!! とりあえず朝メシ抜いて学校ダッシュは確定だから制服に着替えてカバンを引っ掴む。


『マコト』


「何!?!?!」


 振り向けば、神様がちょいちょいと手招きをしている。


 なんだよもう、のんびりしてる暇ねえっての。なんて思いながら、無視したらバチが当たりそうでそれに従う。


『まぁ、元はと言えば私の責任もあるからの。少しちからを貸してやろう』


―――おまえのヤマはかならずあたる


 言葉に応えるように、視界がチカチカと瞬いた。初めて弾ける飴入りアイスを食べたときに似ていた。


「??? は? なに、いまの」


『ふふ、反応が新鮮で面白いな、お前は』


 仕上げだと言うように額に口づけが落とされた。さすがにキレた。


 当たって砕けろ精神で受けた小テストは、いつもその日のうちに返却される。放課後、“very good”の文字と花丸が書かれたテスト用紙を空に掲げ、俺は歓喜の声をあげた。


「当、たってっし!!!」


 うわマジか。本物の神様じゃん! 言葉の神様、つまり、言霊が使えるってことか? なにそれチートじゃね?


「………言った言葉が、当たる。……あたる」


 それなら、もし、それが本当なら。


―――彼は、俺を殺してくれるだろうか

完読ありがとうございます。お疲れ様でした。

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