『中二病は首を吊る』
妹が首を吊ったのは、どうしてなのだろうか。首吊りで死ぬのが、何だかカッコイイように思えていたのかもしれない。
今考えてみると、妹は重度の中二病だった気がする。右腕が暴れだしたり、「私には幽霊が見えるの」とか、中二病どストライクな言葉をいくつも重ねていた。
全て、兄である僕のせいなのかも知れない。僕は、精神科に連れて行かれそうになるくらいの中二病患者だった。今となっては笑い話だ。でも、そんな僕でさえ首を吊ろうなんて微塵も考えなかった。
きっと、妹は家族に構って欲しかったんだ。両親はいつも仕事で、家にいる時間が極端に短かった。僕が中二病になってしまったのも、同じ理由だったから、きっと妹も同じだと思う。よくにた兄妹だったから。
可哀相に、こんな醜い死に方をして……。可愛い顔も、首吊りなんて死に方をしたら台なしになってしまうじゃないか。
どうせ死ぬなら、僕と同じカッコイイ死に方をすればよかったのに。
僕と同じ、リストカットで。
――End――