愛を探求する修道女
見習い修道女様がたらいで、ベッドに腰掛けた私の足を洗ってくれている間、私は扉の迷路の向こう、古の魔女の図書室で見つけた本を読んでいました。
「お嬢様。あれから一ヶ月、大変でしたね。」
「ええ、本当に大変でした。」
寮の自室に待機しろと言われていたのに、勝手に抜け出してあの女に襲われたので、修道院長様はいたく御立腹でした。
「私とお姉様は、修道院長様の前で、自らの身体を鞭打つことになりました。お嬢様に鞭打って頂きたかったです。」
私が受けるべき叱責を、見習い修道女様と痣があった修道女様に負わせられました。
「あの女は目隠しをして、地下牢につながれているとか。」
「他の魔女の話を聞きたかったのですが、あの女は自分の師以外の魔女のことは知らないようでした。私の実家に処分を任せることも考えたのですが…」
お父様があの女のヒトに偽者の愛を植えつける忌々しい魔法を防諜に使おうと考えるかも知れないと考えて、やめました。
「ヒトを魅了する魔法があるので、修道院の外に出すのは危険ですね。あの女の身体は素晴らしいので、目を潰して売春宿にでも売ってしまうのがよいのですが、修道院長様はそうはされないでしょう。」
拷問の練習台にしかならない、つくづく迷惑な女でした。女は、魔王が権力の独占を望んだと言っていましたが、世界の安定のために衆愚に力を与えすぎないようにしたと言うのは説得的でした。
「ヒトを魅了する魔法にかかった修道女様たちも、もう正気に戻られたそうですね。」
「はい、お嬢様。誰が術にかかっているのか分からなかったわけですが、牢につながれたあの女を助けに来た人々を拘束したところ、一週間ぐらいで正気に戻られたそうです。」
「定期的にかけなおさないと、解けてしまう魔法だったわけですね。」
私は古い水車小屋でのあの女と痩せた修道女様の逢瀬を思い出しました。あれもあの女の目的に必要な行為だったわけです。
「お嬢様は奇跡を授かったことにより、正式な修道女になられました。少なくとも3年の修練が要求され、また修練を積んでいても成人するまでは見習いが通例なのですごい事です。」
「修道院長様は18歳になるまでは、修道院の外では奇跡を委ねられていない修道女見習いとして振舞うようにおっしゃいました。聖女として祭り上げられると、自分を見失いかねないと御心配のようでした。」
それに主の恩寵を得ても性欲と妄想が収まらないので、筋骨たくましい男性に告白されれば間違いを犯してしまいそうでした。自制心がつくまで、修道院から出てはならないと自覚していました。
「お姉様は還俗して、実家に帰られるそうです。痣がなくなったので、縁談が進んだとか。お嬢様に感謝しておられましたね。」
見習い修道女様が足を洗い終わり、布でつま先から水気をふき取りだしました。
「ええ、主の慈悲で痣が消えたことは、素晴らしいことでした。」
「お嬢様、指の間から汗が…今、嘘をつかれましたか?」
見習い修道女様は、私の身体の変調をすぐさま見抜くようになっていました。
「顔の痣を乗り越えた愛を見守りたかったのですが、とっさに修道女様の苦しみすべてが無くなるように祈ってしまいました。」
「祈ってしまいました?」
「主よ、そして可愛い私の侍従よ、私の邪な心をお許しください…ぁん」
私の足の指先を、見習い修道女様が口に含みました。そして、私の足の裏を嘗め回します。
「お嬢様の祈りによって、お嬢様への愛を示す機会を頂きました。朦朧とした意識でしたが、しっかり聞こえていました。拒絶は許されません。」
そういって見習い修道女様は、反対の足の指先もなめます。
「それはそうなのですが…くすぐったいです。」
ですが、神に誓ったので、なすがままにされるしかありません。
「図書室と棺の間はあのままでよいのですか?」
「あの古の魔女の願いを私が壊すことはできませんでした。まぁ、迷路で封印されていますし、魔女の遺産が外部に漏れることもないでしょう。」
奇跡を授かっている修道女の間のみの秘密とされたのですが、図書館には魔女以外にも有益な情報がありました。ここより遥か北東の森の中にいるとされる魔王が、どういう存在で、何をしたのかなど。保存したほうが修道院としても利益が大きいという判断が下されました。
「ひゃぁ」
ふくらはぎから、膝の裏、そしてふとももに舌をはわせた見習い修道女様。
「さきほどから古の帝国の時代に書かれた性愛の技法の本を熱心に読まれているお嬢様の性欲の処理は、私にお任せください。」
そう言うと、舌先をどんどん上の方に這わせてきました。
「ばれていまし…はぁ…そこは…気持ちよすぎて…だめ…頭が…」
本を投げ出し、シーツを掴みました。きっとこの快楽は神からの贈り物。それに身を委ねるのは背徳ではない。だけれども…
「えぃ!」
堕落する一歩手前で、一念発起。私は見習い修道女様の腕をつかんでベッドに引きあげました。そして、背中から両足を見習い修道女様の腰を挟み込み、さらに彼女の股の間に足の先を滑り込ませました。
「お嬢様?」
ふとももを閉じて抵抗する見習い修道女様。ですが、私の足の裏は彼女の敏感なところに触れていました。既にぬるっとした感触。
「信仰のために堕落するわけにはいかないので、さっき本で学んだ方法で堕落させてあげますね。」
私は彼女の耳元で囁き、彼女は目を閉じました。




