神様の勉強
中学2年生の14歳が書いています。
何かと至らない点があると思いますが読んでもらえると嬉しいです。
そんな脱線した話はさておき、神様にも勉強するところがあるとは。
一体どのようなことを勉強するのだろうか。権能の扱い方だろうか。それとも変身のコツだろうか。
はたまたーー
「神主としての知識が浅いからね。関西の方の神社に行って一般の神主見習いの方と一緒に神主としての知識を学んでくるんだ。」
「あ、そっちですか?!」
まさかの神としてではなく、人間に扮して神主としての知識を学びに行くという斜め上の詳細が返って来て思わず声が出てしまった。しかも関西。なぜだろう。
いや、湊が関西弁を使っているからか。
「湊さんも大変ね〜〜」
神が人間の研修に行くというのに姉は何も引っかからなかったらしい。さすがというかなんというか。
というか、普通の人間向けーーといったら少し齟齬があるかもしれないが、人間界で行われる研修に神が人間のフリをしていくとは思わなかった。
そんなことが実際に起こっているのなら、もしかしたら、知らないうちに、神とたくさん触れ合っているのかもしれない。
「まぁ、そういうわけでしばらく湊が不在だから、二人とも、把握しておいてほしいんだ。」
桜の頭に手を置き、
「桜も、渚お兄ちゃんがいなくても、“修行”頑張るんだよ」
「うんっ!!」
桜は満面の笑みで答え、微かな煙とともに稲荷ぐるみの姿になる。
よほどやる気満々なのか、稲荷ぐるみの状態でピョコピョコと跳ねている。
はたから見ればかなり怖いかもしれないが、見た目の可愛さと桜の人柄、神の人ならざる力という3点さえ知っていればその姿にむしろ愛くるしささえ感じる。
そんな愛くるしい稲荷ぐるみをそっと抱え、葵はこの状態がありえないのだと分かっていても、微かに慣れを感じる自分に僅かに驚く。人間の慣れとは恐ろしい。
「それじゃあまたね、葵ちゃん、瑠依ちゃん。」
「はい!また!」
「また会いましょうね〜」
手を振り、もう何度も何度もくぐり抜けてきた鳥居を今日この瞬間もまたくぐり抜ける。
ちなみにこの鳥居は特殊な結界のような効果があって、鳥居の外にいる人には鳥居の中の様子は見えないらしい。
誰か人がいたとしても、そこにいる人が例え手の上の炎を落として火事になりそうにっても、外にいる人には、誰もいない神社にしか見えないらしい。
これは渚冬さん情報だ。毎日のように桐ヶ谷神社に通い、毎日のように渚冬や湊、桜の話を聞くが、毎回違う逸話が出て来て神の力の凄さを感じる。