ワッツかっぷらーめん?
中学2年生の14歳が書いています。
何かと至らない点があると思いますが読んでもらえると嬉しいです。
「葵も大変やな〜」
頭の後ろで手を組んで嘆息する。そんな湊の着物の中から音が響いているのに葵は気づいた。
「あれ、湊さん、何か鳴ってません…?」
ピピピピ、ピピピピ、という音がだんだんと大きくなっている。
「ん…?あぁ、もうこんな時間か!」
湊は一瞬怪訝そうな顔をしたが、すぐにその顔は納得へと変わる。そうして、着物の袖から水色のキッチンタイマーを取り出した。
0:00の文字が点滅している。湊は“STOP”と書かれたボタンをポチッと押して音を止めた。
「何の音ー?湊兄、渚兄?」
桜が無邪気な瞳に好奇心を宿し、二人の兄に問う。
そんな桜に湊は自慢げに答えた。
「ん、これや!キッチンタイマーやな!」
「いや、湊さん、カップラーメンでも作ってたんですか?!」
思わず葵は突っ込んだ。というか、神様ってキッチンタイマー使うものなのか。何だか親近感が湧く。
「なんや、かっぷらーめんって。うまいんか?」
葵の突っ込みに文化的な壁を感じる返答が返ってくる。
「あ、美味しいですよ」
「ほんまかいな?!知らない単語出てきたら今まで、“うまいんか?”って聞き続けてきたけど肯定されたの初めてやわ!!」
頷く葵に謎の部分で感動する湊。
やはり時雨夜とこの世界は違うんだなと実感する。
「って、ちょっと待ち、こんなことしてる暇ないやん!早よ行かんと!ほな!」
「えっ、」
「何処に行くの、湊さーん!」
葵と瑠依の声も届かず、ダッシュで桐ヶ谷神社の鳥居をくぐり抜け何処かへ行ってしまう。
「あ、そういえば湊兄、今日けんしゅー?っていうのあるって言ってなかったっけ……」
桜の呟きは、確信というより記憶の底から引っ張り出してきた情報源のような響きがあった。
「うん、湊はまだ見習いだからね。研修で勉強してくるんだ。」
桜にも、葵と瑠依にも同時に説明する渚冬の器用さに感嘆する。
葵は一人に一つずつ説明するので精一杯、瑠依に至っては一人に一つの説明すらままならない。
音に気づき、桜と瑠依がこちらへと歩み寄る。