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生きて会えて

中学3年生、15歳、天音雫です。

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

不定期ですが色々投稿しようと思っています。

よろしくお願いします。

一際大きな氷が砕けるような音が響き、正体不明の痛みが葵の体を、脳を蹂躙しーーーー、







葵は言うことを聞かない瞼を無理矢理にこじ開けた。


その瞬間、眩しすぎるくらいの光が葵の目に差し込む。

思わず目を細めた。


自分は何処かに横になっていた。


体は何か柔らかいものに支えられている。頭が上手く回らず思考と五感がぼやける。


自分は何者なのか、今はいつなのか、ここは何処なのか。


何があったのか。


思い出せず、葵が、存在ごと、希薄になり、溶けていく。


しかし、しばらくそうしていると、人間とは便利なもので、少しずつ、少しずつ、光に、目がなれ、ぼやけて溶けて、ぐちゃぐちゃだった思考がまとまる。


脳が、五感が、再起動する。


見慣れない天井。漂う消毒液の匂い。ふわふわの羽毛布団にバネのベッドの感触。



ーーーーー蘇る、絶叫と慟哭と、狂気が滲んだ笑い声。



「ーーーーッ!!」


葵は飛び起きた。天井を見上げたまま、荒くなる呼吸に肺の酸素が不足している感覚を味わう。


しかし、その肺すらもどうでもいい程に、思い出してしまった。全部、全部、全部。あの悪夢のような、光景を。あの時、何があったのかを。



雅が、輝留のことを止めて、その間に、自分は、雅に言われた通り桜を、桜を、助けようとして、檻を壊し、桜を抱きしめ逃げようとした瞬間、城ごと揺れて、倒れて、その後は、ずっと、暗くて、黒くて、痛くて、痛くて痛くて痛くてーーーー



「ーーーーあおちゃん?」


鼓膜を震わせたその声に、葵は記憶に奪われていた脳が現実に引き戻された。天井に向いていた視線をふっと横に向ける。



姉が、座っている。自分のベッドの横に置かれた、清潔感のある、真っ白い椅子の上に。


「っ、!あおちゃんっーー!」


「うひゃっっ!!」


姉の姿を視界に捉えた、と思った次の瞬間には姉はもう葵に抱きついていた。


「あおちゃん、あおちゃん、あおちゃん、あおちゃんーーーーっ!!」


「ちょっ、お、姉ちゃん落ち着いて、苦しい、苦しいっ……」


余りにも強い力で抱きしめられ今度は物理的に呼吸が荒くなる葵が抗議の声を上げても、瑠依はその力を緩めなかった。


代わりに、


「生きてて、また、目覚めてくれて、良かったわ……っ!」


声を震わせ、葵の肩に頭を埋め泣きながらそう呟く姉に葵は何も言えなくなった。


心配をかけてしまった。とてつもなく。あんなにおっとりしていて、天然で、マイペースな姉がこんなに取り乱して泣くのを葵は見たことがなかった。


「ご……め、おね、ちゃん、っほんと、ごめん。お姉ちゃん、もう大丈夫だから。私、もう、大丈夫、だから、」


「このまま、一生目が覚めなかったらっ、どうしようかと……っ!」



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