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中学3年生、15歳、天音雫です。

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

しばらく歩けば人ーーというか神や妖魔が増えてきた。


少し前方の方で何やら人だかりーー否、神だかり?妖魔だかり?………ができている。


そこは少し開けた場所になっていた。

店主らしき人物の声が聞こえてくる。


「……こちら、見てくれはただのぬいぐるみ。皆様もそう思われましょう?

ーーですが、このぬいぐるみには特別な呪いがかけられております故ーーこのような姿でこの頑丈な檻の中におるのです。しかし、ーーーー今から妾が、このぬいぐるみの呪いを解いてみせてございましょう。」


ざわざわとした声が広がる。周りにいる神々に、驚きが、伝染していくのが葵にもわかった。


嫌な予感がして首筋に冷や汗が伝う。


「こちらを買うか買われないかはどうかこちらのぬいぐるみの真の姿をご覧になってから………

其の方が、全員にとっての良き選択となることでございまして……?」


込み上げる悪寒を抑え、葵は必死に背伸びをして神だかりの先にあるものを見ようとした。その先にあるものこそ、恐らく、葵が、求めている、もののはずなのだから。


ちらと、大きな鳥籠のような檻のようなものが見える。

さらに背伸びしようと試みた葵を雅は呆れたように見た。


「………何やってんだ、お前。」


「だ、だって見えないから……近づいたら危ないし……」


雅は乱暴に葵の手を掴み、


「今からこの神だかりに突っ込むぞ。覚悟しとけ。………はぐれんなよ?」


「ふへ、ちょ、ま、待って………いやぁぁぁぁ!」


葵は半強制的に神だかりにまっすぐ突っ込んでいった。

まるでモッシュアップのような環境の中、雅と葵は踏まれつ蹴られつ、少しずつ前へ前へと進んでいった。


先程の女の声がより大きく、聞こえる。


「………皆さんもよく知っていることかと思われましょう……

あの氷結の鬼、その血筋を引くもの………そう、彼の妹……」


疑惑は確信に変わる。桜だ。桜が、きっと、その檻の中に閉じ込められているのだ。


「その為に少々通りが破壊されてしまったのはお許し遊ばせ……?」


その一言に、葵は瓦礫だ傷ついた姉が、渚冬が脳裏に鮮明に蘇り腸が煮えくり返った。


「よけろ、俺だ、雅だ、通せ」


雅は神をかき分けかき分け時に乱暴に押しのけ、時に罵り、ついに、


ーーーーついに、一番前、鳥籠のような檻とそのそばに立つ女店主の真ん前に辿り着いた。


女店主は喋る口を止め、妖艶な仕草で髪を手で梳き雅へと目をやった。


「あらぁ、雅様。珍しいこともあるものですわ。貴方は此方へはご興味がないものとばかり思っておりましてよ。………あら?」


その目線が、雅の横に震えを殺して立つ葵へと向けられる。


「そちらの子……汚らわしき血の匂い……ニンゲン、ですの?」


ニンゲン、その一言に周りの客が憤りの声を上げる。


「何だと……?!」

「この神聖な世界に人の子だと?」

「どうやって入ってきたんだ…」

「雅様は気がおかしくなられてしまったのか……?」


数多の憤怒の声が怒声へと変わり、その手が葵を捕まえようと各々の異能を放つ、その前に葵は声を発した。


「………返してください」


その声が聞こえたのは雅様はだけだった。あまりにも、小さく頼りなく、神々の声に負けていた。雅は葵を小突いた。


「おい、もっとデカイ声で言わねぇと聞こえてねぇぞ」


「返して!!ください!!」


スゥッと勢いよく息を吸い込み思いのまま出した声は葵の想像以上に大きく響き、その場が急に凪のように静まり返った。


「何、をでしょう…?ニンゲン様。」


女店主が桜が閉じ込められている籠を手で撫でる。


分かっているはずなのにあえてそう聞く女店主に葵は心が血を吐くような怒りが込み上げた。


女店主の言葉は柔らかい。しかし、その言葉とは対照的に目つきは鋭い。言葉の裏、心では、邪魔者を排除したがってるような、獲物を見るような、捕食者の目だ。


その目に怯むことも、怖気づくことも許されない。

桜を取り戻す。葵は絶叫した。


「桜のこと!!返して!!くださいって!!言ってるじゃないですかあああぁぁっ!」


瞬間、葵は全身のエネルギーを掌に集中させ、爆風を起こした。



戦いの火蓋は切られた。


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