炎と消失
中学3年生になりました天音雫です。
何かと至らない点があると思いますが読んでもらえると嬉しいです。
「あおちゃんっ!」
「あだっ!!」
姉は瞳を潤ませ駆け寄ってきた勢いのまま抱きついてくる。衝撃でバランスを崩しそうになり焦ってしまう。
いつも通りといえばいつも通りの姉の振る舞いだが、名前を呼ぶその声が掠れ、服はあちこちが裂けて血が滲んでいる。その装いに葵が驚く。
「お姉ちゃん、その傷……」
瑠依は葵を熱い抱擁から解放し、「ふふ……、」と軽く笑って、
「私達も吹っ飛ばされて瓦礫の下敷きになっちゃったのよね……それで私が能力を使って何とかしようとしたらちょっと間違えちゃって………」
「えっ、間違えたって……」
聞き捨てならない言葉に葵は戦慄する。
「大丈夫だよ、炎が黄色になったり紫になったりしてただ綺麗なだけだったから。色が変えられる炎の能力の使い手は初めて見るかな。」
「な、渚冬さん!」
瑠依の後ろから、追いついた渚冬が口を挟む。
「姉がなにかやらかしたのでなければ、良かったです……
こんな状況で唯一の朗報でした……」
「ふふっ、瑠依ちゃんもコントロール力が上がってるから信頼して大丈夫だと思うよ?」
「そうよあおちゃん!お姉ちゃんを信じて!」
「え、えぇぇ……」
信頼できる渚冬と信頼できない姉の意見に板挟みになる。
しかし、
「二人共。ーー聞いてくれるかな。」
不意に響く渚冬の暗く沈んだ声に葵と瑠依は思わず何事かと背筋を正した。
更にこちらに歩み寄る渚冬の顔は険しかった。
渚冬は双眸に警戒を宿し、
「桜が、いない。ーーどこにも。」
小さな声で、葵と瑠依の耳元で爆弾発言を口にしたのだった。
「ぇ、さ、くら、が…?」
思わず聞き返してしまう。
渚冬は眉を険しくして頷いた。
「いたらすぐに分かる。例え瓦礫に埋もれていても、」
渚冬は着物の袖をめくり、腕をかざす。そこには淡い蒼に輝く綺麗な文様が刻まれていた。
「この文様が教えてくれる。」
再び袖を下ろし口早に説明した。
「稲荷家に伝わる文様だ。
多少の距離が離れたくらいならこの文様で存在がわかる。
ーーーーでも、」
「でも今は、その文様で桜ちゃんの存在が感じられないってことなのかしら?」
「ーーーーそう、なんだ。」
きつく目を閉じ、己の手首に爪を突き立てた渚冬に葵と瑠依はただならぬ危機感を覚える。
「手分けして探そう。お姉ちゃん、迷わないようにしてね。」
爆発もあり今が普通じゃない状況下にあるのは確かだが、何よりも桜の不在が痛い。
ーーーー何せ桜は今、神の姿に変身できず、神の力を、使えないのだから。
瓦礫に埋もれてるにしても、自力では抜け出せない。
それにーー、
「桜は誰かに攫われたかもしれない。」




