よくぞご無事で
14歳の中学2年生が書いています。
何かと至らない点があると思いますが読んでもらえると嬉しいです。
「そう!そこなのよ!」
母親は玉ねぎのみじん切りを全て切り終え、冷蔵庫から何かを探しながら声を強くした。
「それがね、なんと、お母さんに声をかけたそのおばあさんが、なんと連続殺人事件の犯人が変装した姿でね……」
「いや、ええ?!」
やっとのことで見つけたリモコンを思わず床に落としてしまう。
母の武勇伝はいつもヤバいが今日はいつにもましてヤバい。というか普通に怖い。
というか殺人犯の変装を母親はみぬけなかったということか。率直に言って恐怖と心配しかない。
「よ、よく今ここに無事でいるね……別の意味で……」
リモコンを拾い上げる。母親はにべもなく言った。
「そうなのよ〜、本当に命が大事だって実感したわ〜、生きててはじめて銃を突きつけられたもの……」
「わぁお、イッツクレイジー」
母親が生きて帰ってきてくれたことに感謝だ。というか玉ねぎ買いに行くだけで何故そんな目に。
まぁでも、それが一ノ瀬家の母親、一ノ瀬 沙奈である。
「お母さんも大変だったのね……」
瑠依がそう呟いたとき、ちょうど、玄関の扉が開く音がした。
「ただいまー、沙奈、葵、瑠依。」
父の帰宅である。時計を見ればもう6時、父のいつもの帰宅時刻だった。
「ん、おかえりー!」
葵はそう返事をしてテレビをつける。ちょうど、天気予報で葵の地域が写っていた。
「明日は、冬型の気圧配置の影響で、雨になる地域が多くなります。
今後一週間は発達した低気圧の影響で気温が低くなる予報ですので、お出かけの際には厚着をしていくのがいいかもしれません。そして次はーーーー」
「…………雨か……」
「えぇ…、少し不吉、よね……」
小さな声でかわされた会話は、呑気な母にも仕事帰りの父にも聞こえなかった。




