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壊滅名古屋  作者: 叢雨
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空はどこまでも青く

 あの日、あの時、世界が揺れた。空は青く蒼く碧く澄み渡っていた。まるでこれが定めかのように、嘲るように、澄み切っていた。それはそれは、雲一つないすがすがしい空だった。


______________________________________________


 ピピピピッピピピピッピピピピッピッ

 僕はスマホのアラームを切る。

「はぁ。もう朝か。夜がもう少し長ければいいのにな。」 

 僕は悪態をつく。僕の名前は、桐一葉(きりひとは)。名古屋に住むごくごく普通な高校生だ。今日は夏休み明け最初の出校日。まぁ、夏休み中も普通に補習で学校に行ってたんだがな。と、スマホを見るとラインが一件来ていた。幼馴染の阿形朱里(あがたあかり)からだった。彼女とは同じぐらいの成績だったので、同じ高校に通うことになった。

『おは~!今日一緒に学校に行かない?6:20』

 それに僕は一つ返事で

『おk6:30』

 と返すのだった。それから僕は急いで身支度を済ませ、カバンに教科書と宿題と弁当を入れて、スマホを手に取って家を出た。家を出ると太陽がぽつんと空に浮かんでいた。太陽の焼き付けるような日差しに僕は

「暑いなぁ・・・」

 と矛先のない愚痴をこぼすのだった。

 僕は自転車で朱里の家に向かった。近所だけど部活で忙しくて最近は行ってなかったし、喋ってもいなかったしで、久しぶりに話せると思うと心が躍った。

 ピンポーン

 僕は彼女の家に着くとチャイムを鳴らした。

『はーい!すぐ行くね』

 いつも通りの声に僕はほっとした。ドアが開いて朱里が出てきた。

「やほー!」

「うっす。行きますか」

「そうだね!」

 朱里も自転車にまたがって出発した。

「ねね。この前のテストどうだった?」

「あー。知りたい?」

「知りたいから聞いてるんじゃん!教えてくれないの?」

「わーったよ。学年6位だ」

「負けた~。私学年8位だった」

「うぇ~い。」

 そんな他愛もない話をして、中学校の横を通り過ぎたころに世界が揺れた。

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