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たびするようじょ~風の谷のパンケーキ~

作者: 抹茶ミルク

 おじいさんが死にました。

 たった一人の育て親でした。もうずっとせきが続いていて、きびしい冬をようやく越せたと思っていたところでした。


 カノンはとてもかなしいです。いっぱい泣きました。

 でも、おじいさんとの約束があります。いっぱい泣いても、ずっと泣いてたらダメです。

 おじいさんが作ってくれたとっておきのクツをはいて、丈夫なコートを羽織って、カノンはこれからたびにでます。


 二人で住んでいた森の中の小屋はそのままにしておくことにしました。またいつか旅人が来たとき、ここで休めるようにです。おじいさんが直したから、雨も雪も風もへっちゃらです。


「バイバイ。いってきます」


 カノンはおじいさんのお墓に手を振ります。この立派な木が、眠るおじいさんを守ってくれるでしょう。


 でもカノンはひとりぼっちじゃありません。

 いつもいっしょの友達がいます。ねる時もあそぶ時もずっといっしょです。もうひとりの家族です。

 それがローちゃんです。


『どっちに行くの? カノン』


 ローちゃんのやさしい声が聞こえます。


「うーん、あっちにしようかな」

『わかった。楽しみだね!』

「うん!」


 カノンのたびがはじまりました。





 たびするようじょ「第一話 風の谷のパンケーキ」






 カノンはおじいさんと旅をしていました。これから行くのは、春になったら行こうと言っていた方角です。


「ふんふ~んふふふ~ん」


 ごきげんです。ハナウタも歌っちゃいます。


『ふふ~んふんふ~ん!』


 ローちゃんはもっとごきげんです。自分では好きなところに歩いていけないので、たぶんカノンよりも旅は好き。そういうところがローちゃんのかわいいところです。


「ごきげんだねぇ」

『カノンほどじゃないよー。そこがカノンのかわいいところだけどねっ!』

「えっ」


 言われてしまいました。カノンと同じことを考えていたにちがいありません。ちょっと悔しいです。

 でもいいです。だってカノンはごきげんなのです。


「明日には着くね!」

『着くね!』


 そうです。着きます。

 最初の村です。ごきげんです。


 デコボコの山がきみどりに色付いています。きいろやむらさきの花も咲いてます。


「春だねぇローちゃん」

『あっ、私も言おうとしてた! ちょっとだけ雪残ってるし、風は暖かいし、春すき!』

「好きー!」


 ここはちょっと高いところにあるみたいで、夏は涼しくて冬は寒いみたいです。だからあったかくなってもまだ雪は残ってるってローちゃんが教えてくれました。ローちゃんは物知りなのですごいです。


「風車だーー」

『風車だーー』


 おっきな風車が見えます。風でくるくる~とまわるらしいのですが、今はまわってなさそうです。


「まわってるところ見たいなぁ」

『見たい! 風吹けーー!』

「吹けーー!」


 吹きません。

 風車に向かって歩き続けたのですが、この日は風車が回るところを見られませんでした。明日に期待です。




 つぎのひ。


「着いた~~!」

『着いた~~!』


 着きました。


「回ってな~い……」

『回ってな~い……』


 回ってません。

 今日もカノンとローちゃんの息はぴったりです。でも風が弱いので回ってません。風さんは今日も元気が足りないです。


 風車はだんまりでも、この村はいいところです。さわやかなそよ風が足元を吹き抜けて、花を揺らしてどこかに帰っていきます。

 木でできた家がポツン、ポツンと建っていて、それがずっと続いています。広いです。カノンも風になって坂道を駆け下りて、お花畑に寄り道して、家から次の家まで駆け抜けてみたくなります。この坂道を走って下りたらきっと楽しいはず。


 でもまだです。カノンはローちゃんと決めていました。最初はごはんです。


「甘い……におい……!」

『甘い!? やった!』


 カノンのお鼻は甘いにおいを見逃しません。カノンの得意技です。

 ローちゃんも喜んでいます。その証拠に、ほら。カノンの頭のてっぺんのはねた髪がぴーんと伸びています。ローちゃんが楽しみにしてるのです。


 甘いにおいはあの風車のところから来ていたようでした。カノンは風車小屋の近くのおうちの前で、かかった札を読みます。


「おー、ぷん」

『オープン?』

「おーぷんだぁ!」


 この匂いは、パンです。ここはパン屋さんです。カノンのお鼻も間違いないと言っています。


「こんにちは!」

「あら、お嬢ちゃん。こんにちは」

「ふわぁぁ~~!」


 元気にあいさつ。

 エプロンのおばさんが挨拶を返してくれました。


「お嬢ちゃん、初めて見る顔だねぇ」

「たびびとです!」

「おやおや……まぁまぁ……! 一人でかい?」

「友達もいっしょ!」

「そうかい?」


 びっくりしています。カノンはまだちょっと小さいので、みんな最初は驚きます。


「パン、食べておいきなさいな。ちょうど焼きあがったパンがあるよ」

「わーい! いただきまーす!」


 カノンは店内のテーブルに案内してもらうと、出されたパンにかぶりつきます。

 ほふほふ。パリッと硬い外側と、あったかいふわふわがいい感じです。ほんのり塩味があって、でも甘い、パンは不思議なふわふわです。


「おいしい!」

『おいしいね!』


 焼き立てパンはいいものです。ローちゃんもごきげんです。

 ふと、もっと甘いにおいが店の中からするのに気が付きました。カノンが最初に嗅いだのはこのにおいだったはずです。


「……なに?」


 お店の中のテーブルに、カノンともう一人だけ女の人が座っていました。黄色いパンをかじって、湯気のたつマグカップに口をつけています。カノンみたいにお客さんなのでしょう。

 においはそこから流れてきているようでした。


「おねーさん、甘い?」

「へ? あ、パンケーキのこと?」

「パンケーキ!」


 知っています。ケーキは甘いお菓子です。


「ちょ、そんな目で見てもあげないわよ! あたしのせっかくの楽しみなんだから!」

「おばさーん! カノンにも、カノンにもパンケーキをください!」

「あ……」


 わかっていますおねーさん。甘いしあわせは大事なしあわせなので、横取りなんてしません。

 カノンは大きな声でおばさんに注文しました。


「はいよー」

「うわーい!」

『うわーい!』


 しばらくして、焼き立てのパンケーキが出てきました。

 これです。この甘いにおいを待っていました。


「ん~! おいしい~!」

『幸せ~~!』

「あっはっは! そうかいそうかい!」


 頭のアンテナが揺れています。ローちゃんの幸せがいっぱいになっている証拠です。

 さっきのパンよりも柔らかくて、なによりとっても甘いです。カノンもローちゃんもあまいものが大好きなので、パンケーキも大好きです。


 さっきパンも食べたので、パンケーキも食べるとおなかがいっぱいになりました。


「……あの」

「あ、おねーさん! パンケーキおいしかったね!」

「う、うん……」


 先ほどのおねーさんがカノンのところにやってきました。ほっそりとしていて、ちょっと垂れ気味の眉とそばかすがキュートな人です。

 なんだろうと思っていると、おねーさんはカノンに謝ってきました。


「その、ごめんなさい。さっきはあんな言い方をしてしまって……」

「え? いーよ?」

「あ、ありがとう」


 カノンが言うと、おねーさんは胸をなでおろして微笑みました。困ったような笑顔がもっとかわいいですね、このおねーさん。

 おねーさんはカノンのテーブルの向かいに座って、話しかけてきました。カノンもお話は好きなので、大歓迎です。


「あなた、旅人さんなんだってね」

「うん! カノンっていうの!」

「カノンちゃんね。私はエマ、この村で酪農をやっているの」

「らくのー?」

「そう。ヤギさんのお乳を搾るの」

「ミルクだ!」

「ふふ、そうよ」


 おねーさんはたまにミルクをここまで届けに来るそうです。そして時間があるときだけパンケーキを焼いてもらうのが楽しみだそうです。


「でも、最近は小麦粉が少なくて……。今日はたまたま、久しぶりに余裕があるからってパンケーキを食べられたの」

「へー。じゃあカノンは運がよかったんだ!」

「ふふふ。とってもよかったわ」


 カノンとエマおねーさんがおしゃべりしていると、店の奥からおばさんもやってきて話に入ってきました。椅子を用意してテーブルにつくと、カノンとエマおねーさんの前にホットミルクをおいてくれます。


「そうなのよねぇ。今はほとんど手で挽いてるから、小麦粉も全然足りなくて」

「ふーふー……。あ、風車が回ってなかったね」

「そうなのよ。もうずっとあの調子で……」


 昨日ローちゃんに聞きました。風車は風でくるくるして、風車小屋の中で麦を粉々にするそうです。だから風車がくるくるしないと、小麦粉が作れなくて困っちゃうそうです。


「おかしな話だけどねぇ。今までこんなことは絶対なかったのに」

「カノンちゃん。挽きたての小麦粉で作ったパンケーキはもっともっとおいしいのよ」

「!!!」

『カノン! カノン!』


 なんと。

 あのおいしかったパンケーキよりももっとおいしいパンケーキ。これはぜひとも食べなきゃダメです。ローちゃんもそう言っています。


 おばあさんにお礼を言って、カノンは外に出ました。目の前のおっきな風車を見上げます。


「ローちゃん、回せる?」

『朝飯前』


 ローちゃんの力を借りれば風車くらい回ると思っていましたが、その通りでした。


『でもそれじゃカノンがいなくなったあとまた困っちゃうよ』

「うーん。そっかぁ」

『ま、原因に心当たりはあるんだけどねっ!』

「さすがーー! じゃあちょっといいことしちゃおーー!」


 ローちゃんは魔法を使えます。かなりすごい魔法もお手の物です。

 というかそうでないとカノンはたびもできないので、カノンがこうしていられるのも全部ローちゃんのおかげなのです。とにかくローちゃんはすごすぎるってことです。




 すうじつご。

 カノンはローちゃんの案内で谷底まで来ています。風車の村があった高原からかなり離れた、人気のない岩山です。雪ももっと残っていて、霧もかかっています。

 ローちゃんが温めてくれなければ凍えてしまっていたでしょう。


『この辺は風あるし、やっぱり原因はここかもね』

「ローちゃんが言うならそうなのかな?」

『私も間違えるよー。今回は間違いなさそうだけど』


 ローちゃんはずっとかすかな違和感を覚えていたみたいです。カノンにはできない魔法の話です。


『いるところにはいるんだよね。火とか水とかの“精霊”っていうんだけどね』

「聞いたことあるけどー……」

『ほら、もうすぐだよ』


 ローちゃんが言うとおりでした。ぐねぐねの道を曲がった先に、大きな大きな怪獣がいました。

 六枚の翼と木の枝みたいな角と、毛むくじゃらの緑の怪獣です。「せいれい」って言うと可愛らしい印象ですけど、この精霊さんはカノンくらい一口で食べちゃいそうです。そう思うとちょっと怖くなってきました。


「ていうか風の精霊さんにキバはいらないと思うの」

『こらこら……』

「あ、口に出てた……ごめんなさい」


 カノンはちゃんと謝るえらい子です。あと、精霊さんが怖いのもちょっとあります。

 だって精霊さん、さっきから飢えたオオカミさんみたいな顔でカノンをにらんでるんです。ローちゃんが守ってくれるので心の底から危ない気はしませんが、精霊さん。歯茎と鋭いキバを見せるのはやめてください。


『何者だぁ!』

「ひ……! び、びっくり!」

『大丈夫だよ。彼、動けないみたい』

「え、あ……」


 確かに襲い掛かってこないなぁとは思っていましたが、よく見ると足に輪っかがついていて鎖に繋がれています。カノンのいるここまでは動けないみたいです。


「ローちゃん。たすけてあげられるかな?」

『まっかせなさーい!』

「さすが!」

『誰と話している、小娘! 我が問いに答えよ!』


 ローちゃんの姿は見えません。魂だけの存在とかなんとか、まだカノンには難しいお話ですけど、とにかくローちゃんには体がないんです。


『カノン。怖い?』

「こ、怖くない。怖くないよ……ちょっとだけ」

『うん、じゃあ手を繋ごー! これで怖くないよ!』

「ふふっ、うん! 怖くない!」


 ローちゃんに体はありませんが、こうして魔力で体を作って出てくることはできます。疲れるみたいなので普段はやりません。

 ぽわっと光って、久しぶりにローちゃんが姿を現します。精霊さんにはカノンの体から紫色の半透明な女の人が出てきたように見えたでしょう。

 ちょっとウェーブがかった長い髪の女の人です。おっぱいもおしりも大きくて背も高くてなんかもうすっごい美人さんです。あたまのてっぺんのアンテナはおそろいです。


『なんだ!?』

「ローちゃんだよ!」

『……!? …………!?』


 驚いています。やりました。

 カノンはローちゃんの手を握って、精霊さんの目の前まで近づきます。これで怒鳴らなくてもお話しできますよ。


『あなた、風の精霊ね?』

『我を知っているのか……!?』

『やっぱり。誰に()()()()の?』

『……わからぬ。だが、強大であった』


 なんだか物騒な話です。こんなにも強そうな精霊さんを捕まえるなんてびっくりです。

 そしてもっとびっくりなのが、この精霊さんが捕まったことで風の流れがおかしくなってしまっていたということです。そんな大事な精霊さんを捕まえるなんて、おかげでもっとおいしいパンケーキが作れないのですから、とんでもなくわるいやつもいたものですね。


「ローちゃんローちゃん。どうやって助けるの?」

『えっと、たぶんあの楔を抜けばいいのかな』

「えー! カノンくらいおっきいよ、アレ!」


 おっきいです。たくさんの鎖は全部あの楔から伸びていて、しかもそれが刺さっているところにはなにやら不思議な模様が光っています。

 あれはあれです。魔法っぽいやつです。


『おっきいねぇ。でもだいじょーぶ!』

「そっかぁ大丈夫かぁ」


 ローちゃん、すごい。

 カノンが楔に近づくと、なんだかこれ以上は近づけない感じにぶつかります。魔法っぽいやつです。

 ローちゃんは楔に向かって手を出します。きれいな腕だなぁ、と思っていると、魔法っぽいやつがバチバチ音を立てて壊れていきました。


『なんと……!』

『これであとは抜くだけだねー。カノンの番だよ』

「はーい!」


 ローちゃんはすぅと消えていきます。あの体があっても、あまり力仕事はできないのだそうです。だから魔法っぽくなくなったこれを抜くのはカノンにしかできません。


「う~~~~ん!」

『頼むぞ、小娘……』

「ち~~が~~う~~!」


 体がポカポカするのは、ローちゃんがカノンの力を魔法で強くしてくれているからです。

 ここまではローちゃんがたくさん頑張ってくれました。今もカノンを助けてくれています。だから次はカノンがいっぱい頑張る番です。体が熱くなります。


「カ~~~ノ~~~ン~~~!」

『いっけーー!』


 ズズ……と少し浮いたかと思うと、最後はあっけなく抜けました。いきおい余ってしりもちついちゃうくらいでした。こんな罠も仕掛けるなんてわるいやつです。


『あははは! 大丈夫~?』

「だいじょーぶだけど、もー!」

『カノン、抜けたよ! やったね!』

「……! やったね!」


 魔法っぽい鎖も崩れて消えていきます。自由になった精霊さんはオオーンと空に遠吠えしました。


「オオカミじゃん」


 精霊さんのイメージは完全に新しくなりました。さよなら可愛いかった精霊さん。


『小娘……いや、人の子カノンよ』

「あ! やっと名前覚えた!」

『礼を言う……』

「どーいたしまして!」

『どーいたしまして!』


 一件落着です。これで風が元通りに吹き始めているはずです。


「さーローちゃん、帰ってパンケーキだ!」

『パンケーキだ!』

『乗って行け、カノン』

「えっ、いいの!」

『構わん。ささやかな礼だ』

「ローちゃん、ローちゃん! いいやつでした!」

『こらこら……』


 カノンを乗せた精霊さんが飛び立ちます。太陽まで隠していた白い霧が吹き飛んで、崖の上、青空の下まで一気に上昇しました。黄緑の原っぱがあって、花畑があって、森があって、川があって、動物さんもいます。ぜんぶ見えます。


「わぁぁ~~~~!」

『こんなに飛んだの初めて~~~~!』


 ローちゃんもカノンから出て景色を楽しんでいます。カノンと違って精霊さんのもふもふにしがみつかなくてもいいので、ちょっとうらやましいです。

 遠くに街が見えました。


「ローちゃん! 次はあっちにいこうね!」

『わーい! 楽しみだね!』


 あっという間に風車の村が見えてきました。

 ぐーるぐるとゆっくり風車が回っています。やっと回ったところが見れてカノンはうれしいです。


『ではな、カノン』

「うん! ありがとーー!」

『バイバーーイ!』


 精霊さんがすっと消えます。

 当たり前ですが、落ちます。と思ったら、強い風が吹いて、カノンはゆっくりゆっくり降りていきました。最後は両足をそろえて両手を広げて着地しました。これはすばらしい出来じゃないでしょうか。


「帰りました!」

「あ、あんた…………」


 パン屋のおばさんがあんぐり口を開けています。一緒にいたエマおねーさんも口をぱくぱくさせています。

 あとでお話しなきゃいけません。でも今はもっと大事なことがあります。


「挽きたて小麦のパンケーキ、くーださい!」


 カノンは元気よく言いました。



 パンケーキが二つ出てきました。もう一つは同じテーブルに座るエマおねーさんの分です。

 きつね色のまんまるなパンケーキ。においだけでもすごく幸せになってきます。


「いただきまーす!」

『いただきまーす!』

「いただきます……」


 ほかほかのパンケーキ、最初の一口。

 小麦の香りと優しい甘さが口いっぱいに広がります。噛むとまたふわっと広がって、カノンを幸せにします。

 カノンだけじゃありません。カノンが食べたものの味を共有しているローちゃんも幸せになります。


「おいし~~~~!」

『おいし~~~~!』


 ほら、頭のアンテナがぶんぶん揺れています。ローちゃんの幸せもあふれている証拠です。

 これはすごいです。あまいしあわせです。


「ふふ、よかったね……」

「うん! おねーさんもね!」

「そうね、とっても幸せ」


 当然です。甘いものはみんなを幸せにします。


「カノンちゃんはまた旅に出るの?」

「うん!」

「そっか。また遊びに来てね。パンケーキ、いっしょに食べよう?」

「うんっ!」


 エマおねーさんはにっこり笑いました。




 お世話になった人たちに挨拶して、カノンは歩き始めました。風が風車を回して、カノンの背中を押して、次の街へと吹いていきます。


『いやー、よかったねー』

「うん! いいとこだったね!」

『さー次はあの町だー! なにがあるかなぁ?』

「あるかなー!」


 カノンのたびは、まだ始ったばかりなのでした。

最後までお読みいただきありがとうございます!

連載中の話は人が死ぬのでそうでない話にしようと思ったのですが、一文目からダメでした。

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