【第1話】竜肉で一攫千金w
連載第3弾の作品です。
他の作品と交互に投稿していきます。
一応、不定期連載の枠にしています。
※残酷な描写ありの設定ですが討伐程度の軽い描写です。
宜しくお願いします。
【第1話】竜肉で一攫千金w
ドラゴンを仕留めて肉を持ち帰り一攫千金を儲けようと企む女剣士フローテ。
その相棒の魔法士ウィッチのヴェルニ。
もう一人の相棒の豪拳士ガントレットの女ドワーフのギエラ。
三人は金にがめつい。何故なら、貧乏だからだ!
大金の情報があれば真実でも嘘でもクエストを受けてしまう。
その中で伝説級のクエストが『ドラゴン狩り』である。
『ドラゴンの生死に関わらず、竜肉を王国に献上したならば生涯金に苦労することはないのが報酬だ』
ドラゴンの存在は噂程度で本当に存在しているのかも眉唾物だ。
しかし、現国王チャンプリンは、過去に2度も竜肉を食べた記憶があるという。
一度目は、幼少期の冬に氷竜の肉を食したという。
二度目は、青年期に飛竜というワイバーンの肉を食したという。
どちらも今まで食べたことのない食感と味わいだったのを覚えていたという。
しかし、《その者》は名も言わずにしかも無償で肉を献上すると姿を消したという。
その後、チャンプリン家は強運に恵まれ王国の中でも力をつけ国王の座にまで登り詰めたという。
何故、その話が真実かというと青年だった現国王は《その者》と一緒に狩りに行ったときに奇跡的にもワイバーンと遭遇した。そして現国王が慌てふためく中でも《その者》は冷静にドラゴンとの戦いを制したという。
更にドラゴンを捌さばく腕前は凄腕で、段取り良く熟こなしており、やり慣れていた感があったらしい。
竜肉は王国に献上されるが、残りの骨と皮はその者が報酬代わりに持ち去ったという。
実際にドラゴンの武器や防具は伝説の武具として神がかった法外な値段で売買されている。
しかし、今あげたことが真実かどうかは世間にしてみれば噂・嘘・眉唾に過ぎない。
国民や旅人たちは、一切聞く耳を持とうとしていない。
国王の発令に根拠がないと言って国王を咎とがめている。
その者とは伝説に語られていたドラゴンスレイヤーだったのかもしれない。
と、現国王が語っていたらしい。
フローテ「今日は散々だったけど。明日もはりきってドラゴンを探しに行くわよ」
ヴェルニ「は~い、フローテ様w」
ギエラ「・・・・・・、全くいい加減にしてくれ!毎回情報に振り回される身にもなれよ」
この言葉に睨みをきかすヴェルニ。
ヴェルニ「フローテ様の言うことが間違っているとでもいうのですか?」
ギエラ「そうじゃない!リスクを考えて行動すれば金の減りも少なくて済むと言っているんだ」
何やら考え事をするフローテ。
ヴェルニ「だったら、大食漢のお前が飯を減らせばいいんじゃないのか?」
ギエラ「何を!腹が減っては戦に専念できない!大体・・・・・・」
「コホンッ」と、口元に手を当て咳払いをするフローテ。
ギエラ「お前の虚弱な魔法のせいで散々な目にあっているのだぞ!」
ヴェルニ「虚弱じゃありません!独学魔法をなめてもらったら困ります。
魔法の《ま》の字も知らない脳筋が何をいうのですか?」
「コホン、コホン」二度目の咳払いは少しわざとらしさを出し分かるようにしてみた。
討論に勢が入り気が付かない二人・・・・・・
ギエラ「脳筋?お前本当にそう思って言っているのか?」
ヴェルニ「そうだ!この脳筋・・・・・・」
「ゴホン!!!」凄まじい咳払いが二人を襲う。
振り返ると冷静さの欠片もないフローテ様が顔を真っ赤にしていた。
ドスの効いた声で二人をに睨みをきかせている。
フローテ「おい!お前ら!いい加減にしろよ!なっ!!」
男声になった時のフローテ様は心底怖くて仕方がない。
二人とも弱肉強食世界の食物連鎖の最下層の小動物のように臆病になるしかなく、怯おびえ伏せている。声も震え出せない状態だ。ただ、「ごめんなさい」と、心の中で謝る事しかできなかった。
フローテ「わかれば宜しくてよw」
すっかり機嫌が戻ったフローテ様。二人の頭には見たこともないコブが腫れあがっていた。
あの後、フローテ様の怒りが爆発して無意識にバーサク状態を誘導、鞘に入ったままの剣を二人に何度も何度も叩き続けていたという。更に騒動を起こしてしまいお店も出禁になってしまう。
これで何度目の出禁だ!数えることが無駄なのは知っているので誰も数えようとしない。
渋々仲直りをするが本心で言っていないことは二人ともわかっていた。
ヴェルニ「ところで先ほどから何を考えていたのですか?」
フローテ「そう!それ、それ、それよ!」
フローテ「最有力の情報を整理していて気が付いたのですわよ!」
「はぁー」
溜息に暮れる二人、頭の中では「またか」という言葉が浮かんだ。
フローテ「どうかなさって!」
ギエラ「また、嘘情報じゃないのか?」
「そうかもしれませんわ!」
すんなりと認めるフローテ。
ヴェルニ「フローテ様。そんなに毎回ドラゴンを追いかけなくてもよいのでは・・・・・・」
フローテ「どうしてですの?」
ヴェルニ「目先の宿代と食費を稼がないと私達死んでしまいます」
フローテ「ですが・・・・・・」
ギエラ「ここは、この魔法っ子の言う通りだな!ここで死んだらドラゴン狩りも終わりだぞ!」
フローテ「しかし、嘘だとしても歩みを止めてしまうことで、誰かに奪われてしまうのではないかと心配で・・・・・・」
ギエラ「じゃあ、三人で死のう!!!」
ヴェルニ「そうするしかありませんね!」
何故か、二人の息が合っている。
考え込むフローテ様。そのうち眠気が襲ってきた。
フローテ「ふぁーーー。仕方ありませんわ。暫くはドラゴンを諦め資金調達に専念しましょう」
ヴェルニ「はい!」
ギエラ「うむ!」
フローテ「しかし、先ほどの食事代で資金が底をついてしまいましたわ」
ギエラ「じゃあ、今日も野営地をつくるとするか!」
ヴェルニ「そうだな。食った分だけつくっておくれよ」
ギエラ「はい、はい。待ってろよ!」
ギエラ「そっちもできるだけ木の葉を温かくしていておくれよ」
ヴェルニ「まかせとけ!」
草木が茂る場所に貧相な野営地をつくるが不思議と頑丈で寒さから凌しのげている。
三人は寄り添って幸せそうに眠り着いた。
これもまた、いつもの光景だった。
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