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第三話 触れる、言葉

「どうしてこんなに家事苦手なのに一人暮らし始めたの?」

 頭に埃よけの三角巾を巻いて、シンプルな麻の前掛けに手には雑巾を持ち、シェスカはちょっと呆れながら一緒に掃除をしている青年 ―― ヴィルブラインを見上げて言った。

「そんなに、ひどかったですか?」

 自室を見渡しながらヴィルは答える。

 確かに、家賃の集金に来たシェスカが「何?! この部屋の汚さはっ!」と言って、おもむろに掃除をし始めてから綺麗になったなぁ、とは思うが。

 調理が出来ないので茶葉と酒(と塩)以外食材はないから腐った食べ物があるわけではないし、日中には換気をするくらいはしている。

 ああ、でも。

「そういえば引っ越してから掃除してなかった、かな」

「……2か月も掃除してなかったらホコリだらけにもなるわよ。で、この服の山は洗濯?」

 本来の機能をまったく果たしていない長椅子(服やタオルの山になっていた)を指さして聞く。

「右側が洗濯済み、左がまだかな」

 シェスカは境界線はどこ? と、聞きたかったがやめた。

「ほとんど汚れ物なわけね。家事が出来る魔法でもあったら良かったのにね」

「火球創って水に入れたらお湯はすぐ沸きますよ?」

「それ、飲めるの?」

「ええ、人体に影響はありません」

「なんかその言い方やだなぁ」


 ヴィルはシェスカが洗濯をしている間に床磨きをした。

 掃除をし終えてから汚かったんだな、としみじみ思った。


 そんな何でもない平穏な日常は2日後にくずされた。玄関の戸を叩く音とともに……。


***


 ヴィルが間借りしている石造りの2階建てのアパートは、築年数は古いがどっしりとしていて頑丈に出来ている。

 表通りからは道を1つ入った所にあり喧騒は遠い。

 アパートの共同の玄関をくぐると右側に階段、左側にちょっとした空きスペースがあり、排水口もある。冬場の洗濯など、入居者は皆ここでしている。

 入居者のほとんどが学生という事もあり、朝は登校していく彼らの話し声で結構にぎやかになる。

 もれ聞こえる音に、ヴィルは士官学校時代を思い出した事もある。

 学んでいる事は違っても、学生特有の活気はどこでも変わらないようだ。

 軍を辞めてから、ここに移り住んで約2か月。

 食べる事に困っているわけではないが、さすがに―― なにか始めないと生活がだらける。

 仕事の斡旋所にでも行こうかと、寝ぐせをどうにか撫で付けながら考えていたら、少し荒く玄関の戸が叩かれた。

 シェスカではない、彼女はこんなふうに叩かない。

 誰だろう?と思いながら「はい?」とヴィルは戸を開けて、閉めた。

「なぜ閉める!? ヴィルブライン・ヴァン・カフカっ! 開けんかっ!」

「留守です」

「命令だ! 今すぐ開けろ。魔法師団長ともあろう者が何をやっている」

 部屋の外からの怒鳴り声に正直うんざりしながら。

「元帥ともあろう人が、こんなところで何をしているんです? あと、僕もう退役しているので違います」

「認められるかっ!」

「怒鳴り過ぎると血管切れますよ?」

「もう一度言う、命令だ、今、すぐに、開けろ」

 10オクターブは下がった声に、これ以上は扉を壊されるな、そう思ってヴィルはしかたなく、顔を真っ赤にして怒りまくっているタルズ元帥を部屋に入れた。


***


 朝一番に刺繍を終えた商品の納品を済ませて、シェスカは石畳の路地を手ぶらでのんびり歩いている。

 くるぶしまでの革の茶色い靴に、淡いオレンジ色の厚地のワンピース。上から大きめの肩掛けを掛けている。

 月が変わり大分寒くなってきた。

 今年は雪が早いかもしれない。来週の女神祭まで天気が持てばいいのだが。

 肩掛けの前を胸元でギュッと手で合わせて、少し足を速める。

 高い位置で一つに結っている青褐色の長い髪が揺れる。

 「失礼、お嬢さん」

 後ろから掛けられた声に立ち止まり振り向く。

「はい?」

 道を教えてほしい、と言った長身の青年はどことなく見覚えがあった。


 聞かれたのは自分の家のアパートで、大家の娘です、と言うと青年はびっくりした顔をして「こういう偶然もあるのですね」と笑った。

「入居希望の方ですか?」

「いえ。ああ、失礼、まだ名乗っていませんでしたね。私はエルフォンス・アド・カフカ。兄がお世話になっています」

「え、ヴィルさんの弟さん?」

 どうりで、見覚えがあると思った。兄弟だと聞いて、似ている顔立ちや雰囲気に納得した。


***


 ヴィルは落ち着くために、いや、落ち着かせるために熱い紅茶を淹れる。

 出されたカップに口をつけて「……まずいな」と顔をしかめてタルズは息をつく。

「茶もまともに淹れれんのに女中も雇ってないのか?」

「アパート住まいなんですからいりませんよ。それより、1人で来られたのですか?」

「いや、エルフォンス中尉に転移の術を使ってもらった。居場所が分かったからな、兄弟なら血を目印に近くに飛べる。居場所はオト副師団長が話してくれた」

「―― 聞き出した、の間違いでしょう」

 母親を含め数名には居場所を教えていたので、その内来るかもしれないとは思っていたが。

「……戻って来い」

「いきなりですね。嫌です」

「妹君の結婚が原因か?」

「―― ティアも貴族の娘ですから、政略結婚に関しては反対する気はないですよ。姉たちもそうでしたし、よほどじゃなければ反対しませんよ」

 ただ、とヴィルは続ける。

「僕が黒の魔法師でなければ、人質としてかつての敵国に嫁ぐことはなかった」

 言われ、タルズは眉間に深い皺をよせる。

「人質ではない。和平の証だ」

 目を伏せて、答える。 

「僕に対しての人質には変わりない」

「……無害だと示すために軍を辞めたのなら、それは違うだろう」

「その件で押しても、僕は戻る気はないですよ? ―― で、エルフォンスは外ですか?」

 タルズは何か言いたげな顔をして……ため息をついて表情を変える。

「先に二人で話したいと言ったら、散歩でもしておくと言っていたが」

 見るともなしに戸口に目をやると、タイミングよく戸が叩かれた。

 その音を聞いてヴィルがちょっと困った顔をする。

 このノックのしかたはシェスカだ。

 中尉か? と言ったタルズに「いえ、たぶん大家です。話は終わらせてください。僕の事は話してないので」と答えて、ヴィルは今日2人目の訪問者のために戸を開けた。

 シェスカの後ろに立っている3歳年下の弟を見て、組合せにちょっと驚いた。

 散歩をしていたら道に迷ったらしい。それでシェスカと会ったというのなら、偶然は恐ろしいな、とヴィルは小さく息を吐いた。


***


 青い空は高く澄んでいて、風は冷たいが陽射しは肌に心地いい。

 自宅の母屋とアパートの間の庭で、シェスカは「よし」と大物のシーツ類を干し終えて満足げにうなずく。

 あと半月もすれば雪が降り始めて、外で洗濯物が干せなくなる。

 真冬にでもなれば凍ってしまうので、大物を洗うなら今だ。

 空になった洗濯カゴを持って家に帰ろうとして――。

「ヴィルさんとこの洗濯もしてあげた方がいいかしら?」

 家事の出来ない彼の事だ、放っておくと寝具にかびでも生やすかもしれない。

「……うん、しよう」

 庭からならヴィルの部屋へは裏口からの方が近い。

 ここ3日ほど毎日来ているらしい彼の弟たちは、今日はまだ見ていない。

 今のうちに手伝いに行こう、とシェスカは裏戸を軽くノックする。

 少しして「留守です」と中から言われ「え?」と声を出した。数秒の沈黙の後、戸が開けられた。

「すいませんシェスカ。こっちの戸、音が違って誰だか分らなかったから」

 どうしたの? と、ヴィル。

「音? えっと、洗濯ものなんだけど、あればしようか? シーツとか今のうちに洗っておかないと外で干せなくなるから」

 言うと、ヴィルは何とも言えない表情でシェスカを見た。

「あ、と……ついでだから」

 余計なお節介だったかと、シェスカは自分の行動が恥ずかしくなる。

「なければいいのよ……別に、手間じゃないし、ついでにって思って」

「―― 2階の学生達のもしてるの?」

「え? してないわよ。シャツにコテあてたり、繕い物はたまに頼まれるけど」

「…………」

 シェスカは軽くぽんぽん、と頭をなでられた。

 じゃあ、お願いしようかな? と、ヴィルに言われてどうしてだか、ホッとした。



 シェスカはその日の夕方、取り込んでシワをのばしたシーツやシャツを抱えて、今度はちゃんと玄関からヴィルの部屋へと向かった。

 両手がふさがっていたから、行儀が悪いなと思いつつ足先でノックして、洗濯ものを持って来たことを伝える。

 出てきたヴィルは今朝見た時よりも幾分か疲れて見えた。

 弟のエルフォンス達が何をしに来ているのか、シェスカは知らない。聞ける間柄でもない。

 関係のない自分に聞ける事と言ったら。

「ヴィルさん、ご飯ちゃんと食べてるの?」

 お節介な事しか思い浮かばない……。

 その言葉に、ヴィルは表情を和らげる。

 荷物を受け取りながら答えようとした時に、アパートの共同玄関が開く。

 真っ直ぐな廊下だから訪問者が誰かはすぐにわかった。

 顔をしかめそうになるのをこらえて。

「ありがとう、助かりました」少しおどけた様に「また薪割りでもするね」

 と言ったら、シェスカが小さく笑う。

 無言で歩いてくる訪問者に、シェスカは壁際によって道を開ける。

「何度来られても不味いお茶しか出せませんよ?」

「茶飲み話をしに来ているんじゃない――。大家が洗濯してくれているのか?」

「たまに手伝ってもらっているだけですよ」

 この場にずっと居るわけにもいかない。シェスカはお辞儀をしてその場から離れる。

 このおじさんがどういう人かは知らないが、身なりからして身分のある人のようだ。自分から話しかけるのは礼儀に反する。

 立ち去るシェスカを目で追って、タルズ元帥をそれとはわからない程度ににらむ。

 同伴者の弟は玄関口でシェスカに挨拶をして、こちらに向かってきている。

 ヴィルはこの3日間で何度ついたかわからない、仰々しいため息をついた。


***


 別段、自分が軍にいなくとも困りはしないのだ。

 後任として推薦したオト副師団長も指揮官として十分に采配をふるえるし、魔法力も高く人望も悪くない。

 シェファ戦後に退役した軍人も少なくはないので、本当に辞められないわけではないのだ。

 5年かけて準備をしてきた……今さら、戻る気はない。


「王宮の守護結界はどうする気だ?」

 厳しい声音でタルズはヴィルに攻め寄る。

「上級の第三位が3人いれば問題ありませんよ」

「―― 3人がかりで施術する結界を、今まで1人でやってきたのだったな」

 ひたり、とヴィルを見据える目は、人を射すくめるのに普段ならば十分な力があるのだが。

「これからは貧血を起こすことなく、のんびり花でも育てます」

 タルズの視線は意に介さず、ヴィルは軽く肩をすくめる。

「まじめに聞け!」拳で勢いよく机を叩く「それほどの魔法師を手放す理由があるか?!」

 ヴィルは面倒臭そうに顔をタルズからそむけながら。

「国から出ない、どこの派閥にも属さない、政治活動は個人ででもしない、監視をつける、有事の際魔法力は国のために使う。

 王からの制約の一部ですよ。ご覧になっているでしょう?下賜された荘園も返すつもりでしたし、まぁ、それは拒否されましたが。

 とにかく、軍に戻る気はありません。このまま辞めさせて欲しい……受理はされているでしょう?」

「ヴィルブライン! 王が何をお―― 誰だっ?!」

 突然気付いた気配に、タルズは振り向きざまにイスを蹴る。

 軍内部で人の真後ろに立つような者はいなかったから、あながち間違った行動ではなかったのだが。

 少女特有の高い声に短い悲鳴、食器が割れる音がして――。

「っ! シェスカ」



 ヴィルは汲みたての冷たい水で、台所のイスに座らせているシェスカの両手を冷やしてから、軟膏を塗っていく。 

「しみる? しばらくヒリヒリするとは思うけど」

「うん大丈夫。あの、ノックはしたんだけど返事がなくて、話し声はしてたから、勝手に入っちゃって」

「いいよ、エルがお茶を頼んでいたのでしょ? ごめん、余計な事させて怪我まで……」

 盆に乗せて運んできたお茶は、飛んできたイスにびっくりしたシェスカが落としてしまい、ポットもカップも割れてしまった。

 その時に熱いお茶が両手にかかり、赤い火傷の痕をシェスカの手の甲に残した。

 タルズは赤くなった少女の手を見ながら。

「痕、残りそうなのか?」

 硬い声で聞く。

「水泡にもなっていませんし、大丈夫ですよ」

 残ったらどうします? 嫌味で聞いてみようかとも思ったが大人げないので止めた。

「食器片付けましたよ。申し訳ありませんでしたシェスカさん」

「あ、いえ、返事がある前に部屋に入ったのは、あたしのほうなので」

 あの……と、少女は言葉つなげる。

 何か言いにくそうにしているシェスカに、薬を塗りながらヴィルは聞く。

「んー、聞こえた?」

 はっとしたようにシェスカはヴィルを見る。

「いいですよ何?」

「―― 少し。あの、見当違いならごめんなさい。ヴィルさんが、退役したのって……ゆっくりしたかったからでしょう?」

 ここに来た頃、昼寝をするためにと、笑って言っていた。

「それって、軍にいる時にいっぱいしんどかったり辛かったりしたからでしょう? 前の戦争にも出兵していたんなら、今はもう休んでいいと思います」

 言葉を探しながら、といった様子のシェスカの言葉に軟膏を塗る手を止める。

 言いたい事があるのなら、とタルズとの(らち)の明かない会話にうんざりしていたこともあり、軽い気持ちで話すよう促しただけだったのに。

「シェスカ?」

「何を言い出すかと思えば―― 子供の言い分だ」

「シェスカさんはどうして、そう思うのです?」

 ヴィルとタルズのやり取りには傍観を決め込んでいたエルフォンスが聞く。単純にこの少女が何を言うのか興味が出たようだ。

 シェスカは戸惑い気味に3人の顔を順に見て。

「に、2階に住んでる学生さんたちは……戦災孤児もいます。国からの奨学金で学校に行っています。でも、食べるために働いてもいます。

 あたしの父もあの戦争で亡くなりました……。嫌なんです。

 軍人さんは国を守ってくれるけど……戦争に行かなきゃいけなくなるから……ただ、嫌なんです。―― 今はどこの国とも争ってないから、連れていかなくても、ううん、連れていかないでください。

 このアパートに住んでいるかぎりは、店子(たなこ)は大家の家族です。あたしはもう、あんな思いしたくないし……させたくない。

 辞めたんだから、連れ戻さないで」

 聞き終えて、鈍い顔をして「……子供の言い分だ」同じ事をタルズは言う。

 すいません、と消え去りそうな声でシェスカは言う。

 突然、前振りなくエルフォンスが肩を震わせて笑いだした。

 シェスカは一瞬呆気に取られて、どう反応してよいのか分からず、戸惑いの目でヴィルを見上げる。と、ヴィルも笑っていた。

 エルフォンスは、笑いをおさめる為に深呼吸して、タルズに言う。

「元帥閣下、これはもう引き戻すのはあきらめた方が良いようですよ?

 もともと本気で引き戻す事が目的ではないのですし」

 口をへの字に曲げてタルズは押し黙る。

 おや? っとヴィルは首をかしげる。

「ヴィルの離職条件に納得出来ない箇所があって、引き戻したかっただけですから。そうでしょう?」

「む……」

 監視をつける件だろうか? 自分としては納得しているし、四六時中張りつかれるわけでもない。実際、監視役はまだ来ていない。

「―― 納得出来ない待遇を受けているなら引き戻そう、ってことですか?」

 ぜんぜん気付きませんでした。と、ごねているだけだと思っていたヴィルは驚いた。

「…………」 

 無言でそっぽを向くタルズは、バツが悪そうな顔をして――「ふん」と鼻を鳴らした。

 エルフォンスはシェスカに向き直り。

「まあ、そういう事でシェスカさん。これからも店子の兄を宜しくお願いしますね」

「え? あ、はい」

 と答えて、なんだか間抜けな事を言ったんだなぁとシェスカはちょっと耳を赤くした。


 明日、2人は王都シェールに帰るという。

 タルズはヴィルに何か言いかけて止めていた。本当に戻る気がないのかを聞きたかったのかもしれない。

 シェスカに対しては―― エルフォンスもだが、火傷をとても気にしていた。

 2人が宿へと引き上げてから、ヴィルはシェスカの頭をなで「ポットとカップ、新しいのがいるね」と言った。

 部外者の自分が口をはさんでしまった事を謝ろうとしたら、ああいうふうに言われるのはうれしいね、と笑った。


***


 翌日の昼になった頃、タルズとエルフォンスは新しい茶器を持ってシェスカの家を訪れた。

 今から帰る、という2人を見送るためにヴィルと一緒にアパートの裏庭へ行く。

 ここから転移の術を使うらしい。目の前で魔法を見た事がないシェスカは、少しどきどきした。 

 軽く手を振って―― 2人の姿は歪められた空間に消えた。

「っ!! あ、あんなふうに消えるんだ……」

 驚愕し唖然としつつ、シェスカは何もない空間を凝視した。

 すごいというか「……きもちわるい」と呟いた。

 なに? と聞こえなかったヴィルが聞く。なんでもない、と適当にごまかした。


 さてと、とヴィルは息をつく。

「一段落したことですし、斡旋所にでも行ってこようかな」

「斡旋所? 仕事の?」

 ヴィルは頷いて答える。と、シェスカは「ああ、そっか」と言って。

「今、無職だもんね」

 まったく悪気なく口にした。

「……早くなにか見つけます」

「いいお仕事見つかるといいね。そういえば、ヴィルさんとこって兄弟そろって軍人さんなんだね。お父さんもそうなの?」

 聞かれたヴィルは、少し考えるように目を瞑ってから。

「父も兄もそうですよ」

 と、言葉重く言った。

「へえ、お兄さんもいるんだ。いいなあ兄弟って、あたし1人っ子だからうらやましいわ」

「―― 兄2人、姉2人、弟2人、妹1人」溜め息混じりに「多すぎるのも、どうかと思いますよ」特に小姑2人。

 げんなりしているヴィルにシェスカは。

「……にぎやかそうだね」

 と、当たり障りなく返した。



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