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憑き人  作者: 東条 月夜
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第一生 餓霊 2

私は黒月刀騎の友人。そう思っているのは私だけかもしれない。

私たちはある事件をきっかけに知り合った。

数年前にこの雪島町で起こった連続誘拐事件。この事件に私の妹が巻き込まれた。警察がどれだけ調べても何の手掛かりも得られないという状況。そんな中、藁にも縋る思いで私はこの館に来た。

魔女が住んでいると言われていて、もしも本当に魔女ならば何か知っているのではないかと思ってこの館を訪ねた。

けど、実際そこにいたのは魔女でも何でもないただの女性だった。崎守鏡子。この館の主にして、刀騎の雇主。探偵業のようなものをやっているらしく、事情を説明すると「その事件については警察から依頼がきているから、ついでにあなたの妹も探してあげる。」そう言ってくれた。怪しいと思ったけれど、他に妹を探す方法がなかった私には彼女に頼るしかなかった。

 そして、この時に彼女の紹介で出会ったのが黒月刀騎だった。

 黒いその髪は無造作に伸びきり、手入れがされている様子もない。伸びきったその髪を邪魔だというようにシュシュで一纏めにしていた。シュシュを使っていたのは、この子なりのお洒落なのかと思っていたが、どうもただのヘアゴムでは髪が括りにくいという理由からだったらしく、このことを聞いた瞬間に勝手に絶望したのを覚えている。彼女のことを私が言えるのかと言われれば怪しいが、それでも彼女よりは自分の身に気を使っているつもりだ。

 他にも気になった点はいくつもあった。身長がとても低いのだ。

確かに私の身長が高い所為もあるのだろうが、それにしても低すぎるように感じた。今でこそ150cmあるらしいが、当時は145cm程だったらしい。

 そして、私が何よりも目を引かれたのが彼女の服装だ。

 ゴスロリ服を着ていたのだ。私は自分の目を疑った。髪の手入れもしていない子がゴスロリ服。彼女を見た瞬間に思考が停止したのを覚えている。これも後から聞いた話なのだが、ゴスロリ服は彼女の趣味でもなければ、鏡子さんの趣味でもないらしく、服を買うのが面倒な彼女の為に鏡子さんの友人が彼女に与えたものらしい。危ない人なのではないかと思ったが、それは私だけではなかったらしく、彼女もそれなりに警戒しているらしい。

 そんな彼女に、私は少し苦手意識を持っていた。

 ……彼女の秘密を知るまでは。



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