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絶世のスターリングライザー  作者: 工山尺口-クザンシャクク-
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プロローグ

この物語は、ぶっつけで書いてます。不定期です。気が向いたら続きを書きます。

絶世のスターリングライザー



■プロローグ■


「君は?」

 と、目の前の少女に僕は、クエスチョンした。


「スターリングライザー」


「え?」


「聞こえなかったのですか? それとも……」

 それとも? そう、それともである! 君は? と聞いてスターリングライザーとは何事か? 星環昇子ほしたまきしょうことかさ、そう言う事?


「……返事がないようですね。それではこのまま、貴方を宇宙へテイクオフさせます」

 テテテ、テイクオフ? そう言うと少女は僕の胸に飛び込んできた。


「ちょっ、ちょっと待って、話が急すぎて返事できなかったけど、テイクオフは避けたいです」

 って、少女が居ない。あれ?


「私はココです」

「どこです?」

「あなたの胸の中です」


 ムムム!!!! ムネオ仲? 宗男……ちっちがう、ふざけてる場合じゃない。胸って……おそるおそる僕は自分の胸を覗き込んだ。


 ガシャ――――ン! キラキラ――――♪ ピッカピカ――――!?


「わかっていただけましたか?」

「わかりません」

 わかるわけがない!! これはあれです、人間ではないです。どう見ても……


「それでは出発します。カウントダウン、5,4,3,2」

「だわああああああああ。ストップ、ストップ、ストッピング――――」

 冷静になるんだ! こう言う時はお婆ちゃんに聞いた冷静になる方法で

「人、人、人……」

「テイクオフ!!」

 飛んだよ~~飛んじゃった~~~僕の胸の中に少女が乗り込んだ状態で、飛んじゃうんだよ~~~


「――もうさ、飛んでるから聞くけど、僕って人間じゃなくて……」

「旧式のスターリング2足歩行型です」

「アンドロイドってことかな?」

「いえ、ただの機械です」


 ふ……絶望なんてもんじゃないよ。目の前の可愛い少女。もとい、胸の中の可愛い少女と僕はこの先、恋愛的な展開はゼロって事が確定したよね。だって、人間と機械だもん。て言うか、機械? 僕は機械? この感情はAIって事か? 人工知能? だとしたらスゲーな。って、感心してる場合じゃないって……


 待てよ、機械でもさ、愛着持ってくれるってことってあるじゃん? 愛機とか言ったりするじゃん~まだ希望は捨てないぞ! うん。


「あなたと私の恋愛はご法度ですのでご了承ください」

 え? 心を読まれた?

「あなたは機械ですので、思考のすべては記録されています」

 オ――――マイ、ギャフン


 って事は、単純に音声で言葉を発しているか、テキストで表示してるかの違いで、僕にプライバシーは無いってことね。

「はい。その通りです」


 あれ? と言う事はさっきちょっと言わなかったけどさぁ、この子が胸に入ってきた時に、Hなこと想像しちゃったのも……

「記録済みです」

「やっぱりね――」

 もう泣くしかありません。


「間もなく、大気圏に突入しますので無駄な思考は謹んでください。計器が乱れる恐れがありますので」

「わかりまし……」

 プツンっ


――――


「どうしてこうも、旧式の機械って扱いずらいのかしら、丁寧に対応するのも疲れるし……AIの抑制プログラムがアップデートされてないから、ワールドワイドウェブからの情報を自動蓄積しすぎて、まるで人間みたいな思考になっちゃってるのよね。最悪」


「こちらTSUKIKAZE、こちらTSUKIKAZE、応答願います」

「ライズナンバー802、無事大気圏突破いたしました」

「スターリングシリアル802のAIが確認できないのですが、何かトラブルでも?」

「いえ、旧式のプログラムでしたのでセクシャルハラスメント制御がアップデートされておらず、フィルタリングが最弱状態で、膨大な人間の欲望データが垂れ流し状態でしたので、一時的にシャットダウンさせていただきました。申し訳ございません」

「そう言う事でしたか、了解いたしました」


warning warning warning

ギュイ ギュイ ギュイ♪


「え? 何?」

「だめだ、海賊だ」

「どうして、回避行動出来ないの」

「AIをオフにしたせいで自動回避できない。手動で乗り切ってくれ」

「手動って、実戦で試したことないんです」

「こち……ら……言え……無い……」ブツッ


「実戦なんて無理、お願い再起動、再起動!! 早く再起動してよ!! このポンコツ!!」


「……あーあー、聞こえるかー俺はリングのレアコレクターだ。この機体のこのフォルム。すばらしいねぇ~~ライザーも上玉ときた。5千万ディールはくだらない。よだれもんよ」

「ちょっと何考えてるの? 私は関係ないでしょ?」

「機械だけあってもねぇ~それを動かすライザーがいなけりゃスクラップ同然」

「そんなのあんたらが、勝手にクラックして動かせるようにすれば良いじゃない!!」

「俺は、あんたも気に入ったんだよ。正規のシリアルが通らないとアップデートもできねぇし、クラックじゃあ旧式のまま」


 トゥ――――――ン♪


「わかりました!! そんなぐらいで、計器が乱れるんですね~怖い怖い」

「何のんきなこと言ってんのよ!! このポンコツ!!」

「は?」

 なんだ? 大気圏突入はどうなった? またまた急に、今度はポンコツって。だったらいっそのことスクラップにしてくれ!! 恋愛も出来ないんだし生きてる意味ないよ。


「そうはいくかよ、ぐはははは」

「ど、どちら様でしょうか?」

「がぁっはっはは――――どちら様でしょうかだって? ますます気に入った!」

「あ、ありがとうございます!! 気に入ってもらえて光栄です~」


 ドゴッ! ガスッ!


 え? 蹴られた? 蹴ったの? ライズちゃん僕の内部を蹴った? 口調も心なしかザックバランに……


「あんたバカじゃないの! 狙われてる海賊に気に入ってもらえて光栄って何言ってんの? それとライズちゃんは却下」

「海賊? うわお~かっこええな~~~僕も海賊になりたい~」

「がぁっはっは――――ねぇちゃん諦めな。こいつは俺のもんだ」

「回避! 回避よ!! 早く回避して!!」


 回避って? どう言う事? よく話の展開が読めないんだけど~海賊に狙われてて、海賊に気に入られて、僕がありがとうございますで、ライズちゃんがブチ切れてるっと……


「いいから、逃げんのよ! あたしと一緒に逃げてぇ――――」

 え? これって、あれ? 駆け落ち的な?


「もうそれでもいいから、逃げてよ~~お願い」

 懇願された? 求婚って事?


「求婚でもなんでもいいって、早く逃げて!!」

 こっこれは~この展開は、燃える!! いや、萌える!!


「そうはさせるかぁぁ」

 巨大な海賊船から、これまた巨大なクレーンのアームのようなもので機体が……って言うか僕が掴まれた。


「きゃぁっ」

「ライズちゃん大丈夫? 僕が必ず君を救って見せる! そして結婚してみせる!!」

「……」

「……」

「……」


「あの~ごめん。どうやって動かすの?」

「そんなの私がわかるわけないじゃない! あなたオートパイロットで動くんだから、手動でも動かせるみたいだけど私、実戦でやったことないから……」

「手動で、動かせるんですか? ちょっとやってみてもらえますか?」

「VRで訓練したことあるだけだから、ほんとどうなるかわからないの」

「良いから、僕のレバーを握って……」

「……あんた次セクハラしたら、スクラップだからね」

「いや、それは別にそう言うつもりで言ったんじゃないんだけど……」


「何いちゃついてんだ!! このまま機体を回収させてもらうぞ」

「どこ見ていちゃついてるように見えたのよ! このド変態!!」

「だってお前、真っ赤な顔してんじゃねぇか!! がっはっは」

「どうしてこうも、おっさんどもの思考は……」



 僕は考えた。旧式のAIでありとあらゆることを、旧式のスペックなりに高速で考えた、そして答えを出したつもり。



「っと、海賊さん。急に話変わりますけど、僕ってそんなに魅力あるんですか?」

「ちょっ……何聞いてんのよ」

「なんか、自分の存在価値と言うか、僕って人にそんなに必要とされた経験が無いと言うか、まあ機械なんでメモリーがぶっ飛んだのかもしれないんですけど、とにかく今はぽっかり空しい気持ちになってて……」

「魅力的かって? そりゃお前、かなりのレアもんだからな」

「レア! ちょっとマジでうれしい。この気持ちはどうしたらいいんだろう?」

「もうどうでもいいから逃げてよ。あたしとの結婚はどうでもいいの?」


 僕は何を考えていたんだろう? 自分でもわからない。だって記憶がないからね。でもなんだかわからない所へ連れて行かれて、どうせいつかスクラップになるんだから、それだったら、僕をレアだと評価してくれて、こんなに必要としてくれてる人と一緒にいるほうが、僕は幸せになれるんじゃないか? そう考えていたんだ。

 ライズちゃんは可愛いけど、結婚もしたいけど、冷静に考えてみろよ。僕は機械。ライズちゃんは人間。超キュート。だからどうせ、結婚はできない。嘘をつかれている。きっと。


「そんなことない! お願い。私を信じて!!」

 あ、そっか、全部テキストで読まれてるんだったね。まあいいや。


 ガチャガチャ、ガチャガチャ


「ライズちゃん、くすぐったいよ。そのレバーでは僕は動かないみたい」


「海賊さん。お願いがあります」

「お、なんだ? 取引しようってか? おめえ俺様相手に交渉しようたぁ、いい度胸してやがるな。マジで気に入ったよ」

「はい。ありがとうございます。で、お願いなんですが、僕はあなたについて行きます! ついて行きたいんです!! お願いします!」

「バカバカバカ、辞めてよ!」

「がっはっは――――今まで手に入れたリングの中でもお前は最高だぜマジで!」

「それと、ライズちゃんは僕とどうせ結婚も出来ないので、邪魔なので捨ててください」

「ひどっ……捨てるってあなた最低ね!!」

「まあ、本当だったら正規のシリアルライザーがほしかったが、これも取引ってことで、お前を気に入ったから、お前の望み通りにしてやるよ」


 緊急脱出ポット射出

「きゃぁぁああ」


「ありがとうございます。さあ、行きましょう~海賊ってわくわくしますね~僕、子供のころから憧れていたんですよ~~」

「お前ほんと面白れぇな。機械のくせに子供の頃ってな。がはははは」




 僕の旅はココから始まる! 宇宙一の海賊になってみせる!!


――――


 僕の心はすべて読まれてしまう。音声でもテキストでも、だから今ここに僕の本当の気持ちをすべて書くことはできない。


 僕はただの機械だ。心なんて存在しない。だけどこの気持ちをどうやって説明したらいいのか? 僕にとっては、この世にまたとないほど素敵な



 絶世の……



どうか幸せになってほしい。




 次回予告


 第1章

■そして僕たちは再開する■


 乞うご期待!!

まだ途中ですが、ここまで読んでくださったあなたに感謝です。貴重な時間を僕の小説の為に使ってくれて本当にありがとうございます~今後もがんばります。どんなコメントでもいいのでもらえるとうれしいです。

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