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犯人は誰?(2)
朝になった。残された屋敷の住民はリビングにいた。その様子は、ソファーに座っている者、床で震えている者・・・等様々だ。
誰が呼んだか分からないが警察が来た。そして、鑑識の人が現場の不自然すぎる点を幾つか挙げていた。警察官の内の1人が、屋敷の主の妻である貴香子夫人に幾つかの質問をしようと声を掛けていた。しかしながら、貴香子夫人は警察官の声が耳に届いていないのか床の一点を虚ろな目で見ているばかりだ。
「あのぅ・・・」申し訳なさそうにメイドが1人貴香子夫人に声を掛けている警察官に尋ねた。
「すみませんが、奥様はまだ、状況を理解していない様子なので、少しお休みになられてからではダメですか?」
「あぁ。そうだな。」警部はそう言って鑑識の方へ行った。
とそこへ。にゃー。と猫が現れた。この家の猫だろうか?警部はそう思い、猫を抱きかかえようとした。
とその時だった!にゃ!!!
猫はそう言うと警部の顔を引っ掻いた。
そして、顔を引っかかれた警部はそのまま意識を失った・・・・・
「けっ…警部ーーーーー!!」
警部の異変に気付いた鑑識の一人が思わず悲鳴をあげた。