その時俺は・・・
気がつくと俺は「暗闇」の中にいた。右手に"何か"を持っている。そして俺はまだ「暗闇」に目が慣れていないのか、"何か"を持っている右手を取り敢えず振り回した。だが、その"何か"は俺の右手から離れない。すると、突然巫女の声が聞こえた。いや、聞こえたというのは少し違う。なぜなら、耳から聞こえて来た訳ではない、俺の頭の中に直接聞こえて来たからだ。巫女の声は俺の事が見えてないのか、俺の事を振りまわそうとしてなのか、俺に「ヒト」(人間の様な"物体")を殺せと言った。そして、俺のことを「勇者」になるはずの「ヒト」であるとも言った。俺は突然のことにどう答えて良いか分かる筈もなく、ただ茫然と立ち尽くすしか術が無かった。そして、それだけを告げると巫女の声は聞こえなくなった。
その時だった。俺の(多分)背後にあるドアが突如開いたのだ。ドアが開く音に驚いた俺は慌てて後ろを振り向いた。そこには、メイド服を身にまとった20~30位の女がいた。女は甲高い悲鳴をあげた。
その時だった。巫女の声がいきなり聞こえて来たかと思うと、俺の体は俺自身の意志とは関係無しにそのメイド服を着た女の胸に持っていたナイフを突き刺した。
「良かったですね。これでひと安心です。」巫女の声ははそれだけ言うと、聞こえなくなった。それと同時に俺の意識もだんだんなくなっていった・・・。
・・・・・人の足音が聞こえてきた。
あぁ。俺はこれからどうなるのだろう。そんな事を考えながら、俺は完全に意識を失った。・・・・・
・・・・・。
再び俺が目を覚ました時には、俺は全く別の場所にいた。そして、今まで学生服だけ装備だったのが、急に何もなかった右手が仮面と、コスプレ用品を持っていた。そして、再び巫女の声が聞こえてきた。「おめでとうございます。ボスの討伐報酬です。仮面は真実の神仮面(赤)☆5激レア、虚偽の暗黒悪魔セット(ベースボール版)☆5激レアでございます。」
「はあ。。」とりあえず俺は曖昧に返事をした。
その時だった。俺が持っていた真実の神仮面(赤)が発光したのだった。
そして、発光が収まると俺は虚偽の暗黒悪魔セットを身につけていた。
もしかして・・・・・もしかしてだけど、この虚偽の暗黒悪魔セットって、女用じゃね!?だって・・・・・その・・・・・下が妙にすーすーするし、よく見るとスカート履いてるし!!
あぁ。もうわかったよ!!何をしても俺はこれを着るしかなかった運命なのだな!?
俺はそう呟くと同時にまた意識を失った。。
徐々に体が女になっていってることも知らずに。。