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1話 俺は誰だ。

1話 俺は誰だ。


「はぁ、疲れた」


電車を降りて家路に向かう。

…今日もこんな時間か。

俺は途中、コンビニでビールと割引された弁当を買った。


なんか、思ってた人生とは違うな…。


「…つまんねぇ。」


つばと一緒に車道へ吐き捨てた。


「えっ…。」






…。


音がした。

サイレンの様だ。


視界には赤い光が点滅する。


「だい…じょ…ですか?」

「きど…かく…しろ」

「AE…急げ!」


視界が大きく揺らいだ。 


1回。


少し間をおいて、


2回。


…。

…。


…。


表現するには難しいが、

感覚でもない、意識でもない。


…体と思考のリンクが切れた様だった。



そして次第に…。









…。


…。

「…きろ。」


「はや…、…しろ」


…。


声だろうか?頭に響く。


体が少し動いた。


「いつまで寝ている。」


その先には何かがいる。

少しずつ視力が戻ってきた様だ、

声の主は知らない人物であった。


「急げ、始まる。」


その人物は何かを始めた。


俺は何をすればいいのか、わからなかったが

何故か知らない人物と同じ様に行動していた。


「行くぞ」


その頃には、身支度だったのだと理解した。


俺はその人物に言われるがままついて行った。


見た事がない部屋、見た事がない廊下。


知らないはずなのに何故か理解できる。


ある場所に着くと机と椅子の様なものがあり、座った。


ロボットの様なものが何かを運んできた。


「早くしろ、間に合わない。」


俺は運ばれたものに目を落とした。


…。

まただ…。


見たことないものなのに、食べるものと理解してる。


わからない。

俺はどうしちまったんだ?


俺は食べ終わると、またこの人物に従った。


従う理由はわからなかった。


その後、俺とその人物はある場所に行き、

見た事のない道具で何かの作業をした。


ここでも同じだった。

わからないけど、何かの作業を理解してる。


ただ、作業前よりも綺麗に見えた事から

掃除だったのかと思った。


どのくらい経っただろう。


ようやく作業が終わり、

俺とその人物は机と椅子の様なものがある場所に戻った。


何故か作業前に来た時よりも穏やかな空気が流れた。


またロボットの様なものが何かを運んでくる。


俺はまた作業前と同じ行動をとる、わからないままに。




「アイ、どうした。」



…。

…。


アイ?


…。

誰だ?

…誰の事だ?




ここには俺とその人物しかいない。


…。

誰だ?


…。


…。


…俺は…誰なんだ??



もう頭には何も入ってこなかった。


最後までご覧いただきありがとうございます。


noteにも同作を挿絵付で投稿しております。

note: https://note.com/tomi3515

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